詩 アナザー・ワン
詩 アナザー・ワン
淀んでゆく清水から
きれいな部分だけ掬い取っても
もとのきみの顔は戻らない
侵された記憶から
純粋無垢な気持ちだけ見ようとしても
濁ったのはわたしだから
もうにどと 元の感慨は戻らない
それでも
淀みと濁りに棲む
荒んだ瞳に成り果てても
澄んだ空気を求めて
別の河を捜してしまうんだ
あたらしいものを消費することを
繰り返してしまうんだ
手元を去ったすべてのものに
別の必要な何かが
見つかる日が来ていますように
置いて行かれたことへの恨み
置き去りにすることへの痛み
刺し貫かれながら刺し貫いて
かつて睨んだ背に
遅れ気味の同情を
ただ 赦して欲しいという傲慢で
置いていく
出会いと別れ
救済と消費
たったひとときだけ成り立つ
かけがえのないもの
LANDMVRKSの楽曲『Alive』の影響を強く受けています