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詩 ザ・トレイン・ハズ・ゴーン


 詩 ザ・トレイン・ハズ・ゴーン


いま
地下高速鉄道の
隣席にて
眠る彼女は
いつか
焦がれるほどの夢見る世界へ
あるいは
漂白された現実の重圧へ
一人 誰も伴わず 行ってしまう
行かなきゃいけない
そんな未来
避けることのできない
ありふれた
必定ひつじょう

季節のように
衛星のように
巡り来るものばかりなら いいのにな
でも、それらでさえ
那由多なゆたの時を超えれば
軌道を見失って
地表へと墜ちゆくのだろう
いま
地下高速鉄道は
53分の日常を刻むけれど
それだって
私たちが
桜の樹の下にいる頃には
何かが 致命的に
変わってしまっているだろう
から
別れ、なんて
生きていたら訪れる
当たり前に過ぎないのだから

軋む心が
枯れたしずくあと
理性や理屈とは
真逆の結論を示してる

「主観こそが真実」
あなたのう通り
世界にとっては 違うくても
心にとっては きっとそうだ
だから
当たり前のことだって 判ってるのに
振ろうとする手が
我を失って 震えるのも
きっと大丈夫って
言い聞かせる声が 震えるのも

間違ったことじゃない、でしょう








『卯酉東海道』の楽曲『ヒロシゲ36号 ~ Neo Super Express』
および
Squall Of Screamによる上記のアレンジ楽曲 "The Train Has Gone"
の二つを基にした詩です


Big Love