詩 代替わり
詩 代替わり
きみはもう
陽のあたる場所に 存在できない
きみはもう
人の集う場所にも
忘れ去られた者の住処にも 居住を許されない
最も傲慢なひとりは
最も傲慢な七人を亡き者にして
最も大きく 道を外してしまった
生存よりも 共存よりも
証明と快楽こそが きみの望みだったんだね
けれどそんなの
もう 瑣末なことだから
輝く瞳で笑いなさい
誇るべき美貌の
証人たちを 尽く 殺めるまで
煌めく髪で笑いなさい
ここは
正直をかなぐり捨てた者が
迷いのすべてを吐き捨てた者が
口を歓喜に歪ませて
とうとう辿り着く 袋小路の偽楽園
きみが 目につくすべてを滅ぼして
真の美貌を手にするとき
おめでとう それが巫女の交替
嵐の中で踊るのは
つぎは君の番
おめでとう それがきみの役割
退屈な日々
永遠の自己肯定
偽りの巫女装束
それらすべて ようやく渡せる
ありがとう それがきみの行く先
人でも妖怪でもなくなった
きみの
上海アリス幻樂団様の音楽CD『蓬莱人形』の初版レーベルに書かれているキャラクター『レーベルのあの子(通称)』を基にした詩です
また、先日開催されたコミックマーケット104にていただいたリクエストで書いた詩です。ありがとうございました。