【和訳】5:12 AM - Novelists
“それでもアクセルを踏み抜く”
“この夜が明けるまで”
Driving, 'til the night's end, foot on the gas
Album: 1st Album "Souvenir" (2015)
Vocal: Matteo Gelsomino feat.Lotti Holz
Composer: Florestan Durand & Amael Durand
Lyrics: Matt Gelsomino
I've been hearing you murmur about a thousand times
The minutes are running like rabbits and I'm chasing words
何千回も耳朶を撫でた君のささやき
言葉を追いかけているうちに
時間はあっという間に過ぎ去っていく
It's almost midnight
You're probably already sleeping
The sandman by your side
So we'll meet in our dreams
じきに真夜中だよ
もう眠ってしまったかな
眠りの妖精がすぐそばにいる
だから会えるよ 夢の中でなら
I've been far, for so long
I swear, soon I'll be home
If my heart is cold wrap it up please, warm me up
ずっと寂しくさせてしまったね
もうすぐ帰るよ、そう誓うよ
そのとき心臓が凍えていたら
そっと包んで、暖めて
I see the miles pass one by one on the rear-view mirror;
Driving, 'til the night's end, foot on the gas
Leaving all the rest behind
来た道がずっとずっと遠くなっていく
バックミラー越しの景色を
何もかも引き剥がすために
アクセルを踏み抜く、この夜が明けるまで
It's 5am and I'm miles and miles away from home
Frozen
Following the signs along the road
午前5時、家に着くには遥か遠く
凍えていく
頼りは道路標識 それに従うだけ
I've been far, for so long
I swear soon, I'll be home
If my heart is cold wrap it up please, warm me up
どれだけの間、遠く離れてしまったのだろう
必ず、もうすぐに帰り着くから
すっかり冷え切った心を、暖かく包んで
I see the miles pass one by one in rear-view mirror;
Driving, 'til the night's end, foot on the gas
Leaving all the rest behind
かつて来た道が遠ざかっていく景色
バックミラー越しに見つめて
それでもアクセルを踏み抜く
この夜が明けるまで
すべてを遠ざけて
I miss your presence, I need you by my side
I wished a thousand times upon these shooting stars to see you cross that door
'Cause I feel half alive since you're gone
どこに行ってしまったの
必要なときにいつもいないんだ
幾千回は祈ったよ 流れ行く星空に
だって、私が半分抜け落ちたみたいだから
君がいないとさ
この楽曲はアルバム“Souvenirs”の中では異質で、他の楽曲に必ずあるブレイクダウンも、バンドサウンド全体で音を刻むような重めの展開もない楽曲です。他の楽曲でちらつく上手ギターが完全に前面を支配して、急に哀愁を出してくるものだからびっくりする(featuringのPliniの功績も非常に大きいか……)。しかしその綺羅びやかさと儚さはNovelistsの後の楽曲に繋がる重要な要素となっています。実際、2024年に配信されたスタジオライブ(下記動画)では、2020年以前の楽曲から唯一選曲されています。
この音源が抜群に良くて、このバンドを聴き始めた。
歌詞はコーラスで出てくる下記が好きです。車のバックミラーや電車の最後尾から窓ごしの景色を眺めると来た道がどんどん遠ざかっていく光景が見られます。その光景には「置き去りにする」という言葉が似あう気がするのです。そして、後ろ髪を引くような心残りを、みずから車両のアクセルを踏むことで引き剥がし遠ざけていく。みずからの意志で別れを告げるように。けれど前後の歌詞で語られるのは絶えず未練や心残りで、その表現の対比というかを見ていると、うまく踏ん切りをつけられないもんだよな、という割り切れない状況が、余計に愁いを生むようで、まるで雨の降る空を眺めて逡巡しているうちに雲が過ぎ去って晴れ間が覗くけれど、うじうじと過ぎ去った雨を思い返してはその場から動けずにいるような、そんな感慨のことを思ってしまう歌詞です。