詩 静謐
詩 静謐
赤く腫らした隈
皮膚らしからぬ発色
着信音
から逃避できない
誰にも邪魔されたくないと願ってから
見誤り続ける距離感
骨ばった鼓動
タイルの模様のような整列とは程遠い
孤独だなんて喧伝できるほどの不可抗力でもない
引き伸ばされた痛みの中で
ああ今日もまた
この贅沢な苦みを享受する代わりとして
身近な何かが 手を差し伸べた誰かが
擦り減らされている
そればっかりが隣人
削りたくなんかないのに
息してるだけで何かが摩耗していく
その鈍い音から
一秒でも長く
遠ざかるための密室