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夏の坊主

去年の夏、暑い夜、いきなり枕元に現れた男が、
「私がこの世を去って35年、最早、忘れられようとしている。
だが、私が作り上げた人物は、世に益するキャラクターだと思う。
これからは君が21世紀の私だ!」
と言って消えてしまった。
役作りでスキンヘッドにしてから、事務所が名付けた“浪速のユル・ブリンナー”という珍妙な肩書が面映ゆかったのだが、この時から自分でも平気で名乗るようになった。
この日、7月11日は彼の生誕100年の日であったから…

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