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木内昇 『茗荷谷の猫』 を読む

短編の連作。
時代が江戸期末から昭和38年の東京オリンピック前夜辺りまで移り変わりながら、設定は都内の場所を転々としながら、でも、そうした時代と場所が幾重にもつながりを持ちながら、9作が、主人公のまったく別個な日常を生きる目途のもとに偶然で緩くつながっていくという趣向、互いに「ふみこまない」のに、それぞれが、つながり、共鳴にかかずらわっていくという不思議。
短編ごとに味わいが違うのもまた魅力で。水木しげるの劇画でイメージされちゃう話もあれば、岩井俊二の映画か!なんて話もあったりして、読んだあとに誰かとおしゃべりしたくなる。

なんて言いつつ、この本を勧めてくれた人と読後を語り合った結果、映像化のキャスト案が湧く。

徳造=尾形イッセー/でんでん
徳造の妻=小西真奈美
春造=濱田岳/柄本時生/井浦新
文枝=黒木華
文枝の夫=成田凌
緒方=小日向文世
庄助さん=荒川良々(健坊との二役もアリ)
耕吉=濱津隆之
糸蚯蚓顔の隣家の妻=江口のりこ
尾道俊男=佐々木蔵ノ介/六代目中村勘九郎
タッちゃん=大友康平/六角精児
佳代子=木村多江
佳代子の母=倍賞美津子

江口のりこがナイスキャスティングですわ。

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