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芸人に対する偶像化が薄れ、その波は政界にも影響している。

おれの様な大阪出身で芸人を目指したことがあるなら痛いほど実感していると思うけど、主に大阪でよく見られる素人の「おれの方がおもしろいわ」的な風潮

これについておれはおよそ2017年から言及していたのだが、おそらくM-1グランプリという番組が影響力を持ち始めたことに起因すると考える。

彼らは賞レースを見てしまったことで、作り手の視点を手に入れてしまった。

本来のお笑いなんてのは、客として笑えるかどうかでしかなかったはずなのだが、審査員席に座る松本さんや島田紳助さんが若手の芸人の披露したネタに対してあーだこーだ講釈を垂れるものだから、それを見た視聴者が調子に乗ってしまったのだろう。


だからおれの方がおもしろいだとか、おれが芸人やったら売れるわ!みたいな

出どころ不明の謎の自信を嬉々として語る間抜けな一般人が増え続けているのだと思う。

おそらく素人達は芸人を芸人として捉えるスパンが短い。

彼らにとって芸人とは、テレビや劇場でネタを披露しているその2〜3分のことを言っているのだろう。

だからこの2分〜3分という時間を「おれの方が面白く使える」という感性ならば、あながち間違いではないかも知れない。

ただ無茶苦茶なことをするだけで、瞬間的に既存の芸人のネタよりもおもしろいことができる可能性は充分にあると思う。


しかし芸人に求められる能力は、その様な瞬間最大風速的なエネルギーではなく”継続力”に他ならない。

例えるなら、打ち上げ花火なら瞬間的には太陽よりも美しく見えることもあるが、太陽の仕事はそこじゃない。常にエネルギーを継続的に放出しなければならないというところ

芸人の仕事の本質は、受けるかどうか当事者にはわからないことをやり続けることだと思う。

おもしろいことを一発披露したすげぇ奴よりも、つまらないことを10年間毎日続けた人の方が凄いというのがお笑いの本質だとおれは思っている。

話を本筋に戻すと、この芸人に対する偶像化の流れが、昨今SNSの影響で政治の世界にも及んでいるように感じている。

SNSの普及で誰もが意見を世界に発信できる。専門家の視点を簡単に手に入れることができる。直接政治家にリプを送ることができる。

最近で言うと、マスクの配布の件は特にその傾向が顕著に見られるが、マスク2枚なんて要らないから、金を配れと言う声が多く見られたが、

正直なところ沼なのかなコイツらとしか思わなかった。

マスク配るなら金を配れと言っていた人の中で、実際にマスクを配る予算を全国民に配った際に1人当たりいくらになるかを計算した人はどれくらいいるのだろうか?

計算すると、1人当たり約300円くらいになる。

おそらく、あの時点で国民に300円ずつ配りますと政府が言ったら三百円とか要らないからマスク配れよと言う声が大きくなっていたことだろう。

そこの視点が抜けているのに、政治家に対してあーだこーだ言っているのが滑稽でならない。これらは今後エスカレートすると予想する。

今の日本は政府を悪人に見立てるルサンチマン的な思考になりがちだが

日本の政治家ほど労働と給料の割合が釣り合わない職業は中々少ないだろうから、利己的な動機ではないと思う。

なので政府の多くは、おれらが思ってる以上にいい奴なんじゃないか?と言うのがおれの考えである。

悪人のように見られているが、実際のところはふざけてスマホを初期化しても笑って許してくれる優しい奴らなんだと思う。

おれならiPhoneを初期化されたらブチギレる。

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