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日本のブンデスリーガファンにとって特別だった木曜日 FOKUS Bundesliga!!! #1.2

序論

 鈴木良平さんがいなかったら、ブンデスリーガを好きになっていなかった。そういっても過言ではないかもしれない。それほど私がブンデスリーガを好きになるうえで、良平さんの存在は重要だった。私の「ブンデスリーガ観」は良平さんの影響下にある。良平さんが提示するブンデスリーガの見方や歴史は、私にとっての「導き手」だった。とくに私の「ブンデスリーガ観」形成において重要だったのは、サッカーキングが配信する「木曜ブンデス」である。

 例えば『教えて教授! 黄金期から現在まで、名門ケルンの基礎の基礎』のなかで良平さんが語るブンデスリーガの歴史、100万人都市であるケルンの街クラブが展開したのが「都会的サッカー」だったという見方、ユースチームを大事にするという価値観への評価、名手ハインツ・フローエとのエピソードなどは、私がよりFCケルンやブンデスリーガに惹きつけられるきっかけを与えてくれていた。

日本人とブンデスリーガ

 日本でブンデスリーガが放送されるのは、ブンデスリーガで活躍する日本人選手が多いからだろう。そういった意味では、1977年にブンデスリーガへわたり、ドイツでの日本人選手の評価を確立した奥寺康彦さんの存在はとても偉大だ。また木崎伸也さんやミムラユウスケさんなど、ブンデスリーガにとことん詳しい日本人サッカーライターの方々も日本人がブンデスリーガに触れやすい環境を作ってくださっていることは言うまでもない。

 日本人とブンデスリーガのかかわりは根深い。香川真司選手がユルゲン・クロップ監督率いるドルトムントにいたことで日本中がブンデスリーガに注目したし(スヴェン・ミスリンタットの慧眼には本当に驚かされる)、酒井高徳選手や長谷部誠選手、遠藤航選手のようにドイツ屈指の名門クラブでキャプテンマークを巻く日本人もいた。日本人とブンデスリーガは高い親和性があるし、さらに強固なものになってほしいとさえ思う。

「木曜ブンデス」の革新性

 そういった事実を踏まえてさえも、「木曜ブンデス」は革新的なコンテンツだった。J SPORTSでブンデスリーガを見ていたとき、レジェンド選手の名前が出てきても遠い存在に感じたし、例えば「ディーター・ミュラー選手が1試合で6点挙げた(映像などは残っていないらしい)」という事実を聞いても、「そういうこともあったんだ」という程度にしか感じなかった。

 ワールドサッカーダイジェスト誌ではブンデスリーガは「欧州4番目のリーグ」。最後の現地記者のページを読むぐらいしかブンデスの情報が載ってないこともよくある(バイエルン特集には感謝しかない)。Footballista誌でいえばブンデスリーガを特集した号は、「ストーミング」という用語が特集されたものを含めて、2度。それ以外の号はほとんどがプレミアかラ・リーガについて取り上げていた。多くの日本のサッカーメディアはブンデスリーガにあまり詳しく触れていなかった。

 そんな「ブンデスリーガと遠い日常」のなかで突然、毎週ブンデスリーガについて取り上げる動画コンテンツが始まったのだ。いかに日々がより楽しいものになり、ブンデスリーガにより深くのめり込めるようになったかが想像してもらえるように思う。ドイツの空気感を知る良平さんと、掛け合いを通じて内容をより初心者が聞きやすいものにしてくれる下田さん。レヴァンドフスキが8分59秒で5点決めた試合が実質初めて見たブンデスリーガの試合だった私にとっては馴染みの2人で、聞いていて本当に面白かった。

 残念ながら、現在はコンテンツとしては終わってしまったが、「木曜ブンデス」という試み自体が、1人の日本人ブンデスリーガファンとして、「そんな面白いことができるんだ!」という感動しかなかった。同様の感動を抱いたのは『グアルディオラ総論』を読んだときと『東欧サッカークロニクル』を読んだときぐらいだろう。感動の総量でいえば、間違いなくそれらを上回っていた。

おわりに

 ここまで長々と書いてしまったが、言いたいことはつまり「木曜ブンデス」が大好きだったし、その中心だった良平さんをすごくリスペクトしているということ。正直、時間的制約と知識不足、現地に行ったこともないし、ドイツ語も基礎程度しかわからないこともあって、「木曜ブンデス」ようなコンテンツを作るのは不可能。

 ただ自分のできる範囲で、ブンデスリーガについての文章を書きたいと思っている。「FOKUS Bundesliga!!!」と銘打ち、月に1度のペースで、私が書きたい内容について書ければと思う。もしかしたら内容がまとまらない月もあるかもしれないが。

 ブンデスリーガは面白い。4大リーグは一応すべてみた経験があるが、ブンデスリーガが1番面白いと思ったし、何よりドイツ代表チームがとても好きだ。ドイツ代表が負けることが他のどの代表チームが負けるよりも悔しいし、心に来る。チームの不調で名将ハンジ・フリックが解任されたことは昨年で一番ショックな出来事だった。

これからもドイツサッカーをフォローしていくし、文章を書いていこうと思うので、興味のある方、ぜひ読んでみてください。感想もお待ちしています。

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