佐藤衣淤

時々小説を書いています。さとう いおりです。 青い世界をいつまでも愛でるために。

佐藤衣淤

時々小説を書いています。さとう いおりです。 青い世界をいつまでも愛でるために。

マガジン

  • 創作物

    佐藤衣淤の創作作品集。 小説から詩、つぶやきまで。

  • 悩んだこと、考えたこと。

    佐藤衣淤が悩んだり考えたりしたこと。

  • あの頃の僕の苦痛。

    佐藤衣淤が思春期だった頃の創作たち。痛々しくリアルな思い出。

最近の記事

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散文 魚の鱗

室温は25度を示すようになった 明日の外は18度 長袖を着ないとうずうずして眠れない 温いズボンを履いたあと 薄い古いTシャツを着て塩梅をとったけれど ざらざらしてざわざわして ちくちくして とても眠れそうにない 銀色にライトを映した魚たちが今日も 天から大漁、大漁。 仕方ないのでもこもこの温い長袖を着た 明日腕の曲がるところが痒くなっても あのちくちくには変えられないと 今から魚を含んで眠りにつくところです。

    • 寂しさを共有したい

      「あの人を腕の中に取り戻したところで何がしたいの、あなたは」 夜空を体に移した鯨が疲れた私に問いかけてくるから話をすることにした。 「姉がいなくなってから家の静寂を埋めるものがなくなったんだ。いれば鬱陶しいのにいなくなったら寂しいなんてね。」 人の関係に塩梅なんて取れない。私の学業を理由に独り立ちしていった背中を私はいつも瞼の裏に乗せている。次は私の番。 「それから寂しくなったんでしょ?それくらいは知ってる。それで、あなたは何がしたいの」 目を閉じたままの鯨は果たして私の話を

      • 詩 私のことば

        「自分のペースでいいんだよ」 私の言葉で私を許せるようになればきっと 世界は少し優しくなるだろう。 自責強めです 上手く生きられない いつまで経っても子供っぽい そんな自分が嫌で 悪循環を繰り返していて ふと思いました 誰かの言葉に頼ることもいいけれど 自分の言葉で自分の胸を打つことは 出来ないのだろうかと だから言うことにしました 魔法の呪文 「自分のペースでいいんだよ」 さ、寝ようか 明日またフラットな自分で生きられるように。

        •  明日生きているのかも分からないのに、明日の約束をする。  必要さを感じない行動をして、感傷に浸る。  私が文章を書き連ねて残すのは何故か。  人間が欲深いのに私はそれを隠す。  要らないものを持ち、欲しないものを与えられる。  本当にいるものは誰かのいらないものになっている。  無駄なことだと思う。  全てが。  私が生きているかも分からないのに。  私が何者かも分からないのに。  …思想。  私はこの言葉が好きだ。  人の意見を取り入れながらも自分は自分でいられる。  文

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        散文 魚の鱗

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          30本
        • 悩んだこと、考えたこと。
          2本
        • あの頃の僕の苦痛。
          3本

        記事

          愛されていた。

           何れ程毒を吐こうと  何れ程自嘲しようと  愛されていた  支えられていた  優しさでしか生きられない僕を  無理してでも優しくなろうとする僕を  どうか。  照れくさいから面と向かっては言えないけど。

          愛されていた。

          一度心の中の思いを 全部目の前にぶちまけちゃって 早口言葉のように 永遠に語ってみたかったんです 本音を言って仕舞えば 結局僕という存在が 全部分かっちゃうんじゃないかって 心配ではあるんですけど やっぱり僕は 人間を全うしているようで 悩んでは泣いて笑って嘘をつくんです 本当は僕が夢見がちだなんて 隣の席の人には絶対知られたくない 嗚呼 授業中に描いたイラストも歌詞も 誰かに届くといいな 面と向かってどうですかなんて言えないけど 画面越しなら言えるって現代っ子っぽいなあ

          立ち止まる日。

          何か書きたいなあ、と思う。何を書こうかなあ、と思う。それを、否定しないで書く。 今日は一旦、立ち止まって、振り返ってみる。 この3年間、生活で記憶に残っているのは、自分がどう在ったか、ということばかり。社会の中で、どんな役割について、どんなことをして、どんな成果を得たのか、ということはなぜか、さっぱり覚えていない。 自分を変えようと様々な動画や本を見漁った。実際に行動して、今、ちゃんと変われているのかどうかはわからない。でも母から「反抗期終わったね」と言われたので、どこかし

          立ち止まる日。

          夢になれず、夢になれない

          夢になれず、夢になれない

          1人

          「顔が丸くなったんじゃない?」 そうかも。最近食べすぎてるから。 また痩せなきゃ。 『僕はむちむちの方が好きなんだよ〜?可愛いから痩せないで』 動画の不特定多数の人に対して流れる音声に勝手に涙が出た夜 『人の容姿について言及した時点でその人はあなたの気にするべき人じゃない』 いつかに見た切り抜きの動画を思い出す ネットの人を信じられないし信じてはいけないのにどうしてこうも現実より 優しくて耳触りが良くて浸ってられるのだろうか 『勉強できなくても悩み事がたくさんあっても君は偉

          泳ぐ

          そうやって生きていくんだね。と誰かが私に言いました。 多分、お寺の、私が愛でた、石の亀でしょう。 火や、水や、緑や、風が、人間の中には眠っています。 私は、きっと水です。雨が好きだから。 鳥がね、いたんです。地面を突いていた。 私は足を止めて、じっと見つめていた。目が合って。 見つめ合いました。そのまま、時間が止まったみたいに感じました。 でもね、ハッとして、私は歩き出しました。よく覚えています。 後ろから、おんなじクラスの、人が、歩いてきました。1人で。 あんまり話し

          我慢を

           どこかで、誰かを見下している自分がいる。そのことに気がついた時、私はとても嫌な人間だなと考えます。  数字に囚われて、同じコミュニティに所属する人を羨んだり。  深夜の不安を沢山人に吐き出して、朝罪悪感とやってしまった、という気持ちでいっぱいになったり。  直さなければならない事がある、と自分を追い込みすぎたり。  人生の中でこの3つ、私がよく経験してきていることです。  数字を見なければ囚われることはありません。夜早く寝てしまえば連絡しなくて済みます。物事には善と悪両方

          詩 病む夏夜

          こんな日は早く寝るに限るのだけれど 鉛筆が繊細だから まだその優しさに触れるために 生活していたい ショックなことがあったので 落ち込みました そんな夜 鉛筆でノートに詩を書きました 字のやわかいこと ちいこいこと 芯のやさしいこと ぬくいこと 人と話すよりも ノートと 鉛筆と 自分と 対話することが好きです

          詩 病む夏夜

          短歌 海月の夏、わたしの夏

          月揺らぐ いきと水槽 ふたつだけ 逃れて溶ける 人人の声 水族館に行くと、いつも海月をみます ひとりで。 そうすると、周りのことなんて気にならなくて 自由なわたしになることが出来ます その時間と空間が好きです 人の声やざわめきは水に溶けて消えていく しんとした中に海月とわたしだけになるのが 心地よくて好きです

          短歌 海月の夏、わたしの夏

          詩 過去のわたし

          毒の水槽で 泡を吐いて泳ぐ私を 久しぶりに見た 夏の夜のこと 色々なことに心を苛まれ悩んでいたわたし かつての創作達が物語るわたしの心情 わたしが何を思って、感じて、表現したのか かつての創作達が今のわたしを助ける事がある 夏の夜 寂しくなるとき、思い出す

          詩 過去のわたし

          泥を歩いているのか、水中を歩いているのか。

          昼間に学業を終わらせて、夜に小説を書こうと椅子にまた座ります。 でも小説は一朝一夕で書けるものではないことが、私の身に染みてわかります。 それで、諦めます。そんな毎日をずっと繰り返しています。 いつか書けるだろうと思っていますが、かけた試しがありません。 没作ばかりでなんだか惨めになってきます。 それでも私が小説を書こうとする理由はなんでしょうか。 タイピングをすることが好きです。 褒められることが好きです。 綺麗なものを届けることが好きです。 綺麗でありたいです。自分自

          泥を歩いているのか、水中を歩いているのか。

          詩 いのり

          子どもの頃に遊んだあの子 鳥と一緒に避けたあの場所 もう見えないあの子 何も聞こえないあの場所 いろいろなものを失っていく いろいろなものを置いていく それでも私は言葉を紡ぐ 雨を感じる心は忘れないで 泣きたい夜があったこと忘れないで 優しい心を忘れないで 幸せを諦めないで あなたのそばには私がいて 私のそばにはあなたがいる 私たちは今生きている 私たちは今愛している 私たちは今息している 私たちは今。

          詩 いのり