美愛

エブリスタで、ホラーやミステリー小説を書いています。 コミカライズ 復讐ー硝子の絆ー【…

美愛

エブリスタで、ホラーやミステリー小説を書いています。 コミカライズ 復讐ー硝子の絆ー【作画:田村紘一 先生 ネーム作画:さたん先生】(めちゃコミック) ペナルティスクール【作画:山崎京先生】(双葉社) 間違いだらけのシェアハウス【作画:森埼りつか先生 /peep】(ぶんか社)

最近の記事

「人間ドール」第9話

加藤様と石川社長は、刑務所で服役をしている。 人間ドールを巡る裁判は1年半続き、私や伊藤さん田中さんも、証人として裁判に出頭した。 やっと、加藤様と石川社長の有罪が決定した時は、涙が出るほど嬉しかった。 中田様はテレビに出演する機会が増え、今やドールの専門家だ。 ドールハウスLは事件の後、すぐに閉店した。 そして、人間を人間ドールにする事は法律で禁止された。 私は、今は独立して、ドールの衣装のデザインの仕事をしている。最初は別の仕事に就こうかと思ったけど、ドール愛が強す

    • 「人間ドール」第8話

      頭がガンガンする。身体が重い。 頭の上で、「美沙さん、美沙さん」と、聞いた事がある声がする。 この声は伊藤さん? ゆっくりと目を開けると、真っ白な部屋の中、伊藤さんが心配そうな顔で私を見ている。 「ここは?」 「加藤様のお屋敷です」 伊藤さんの答えに、頭を殴られた様な衝撃を受けた。 せっかく逃げたのに、加藤様に捕まってしまった。きっと私は殺される。それに伊藤さんまで巻き込んでしまった。 「伊藤さん、ごめんなさい。私のせいで」 「仕方がありません。加藤様から逃げるな

      • 「人間ドール」第7話

        中田様はいつもと変わらず、にこやかに接してくれる。 さすが中田様だ。普通の人なら、リスクを恐れて逃げ出すはず。 部屋に入り、2人きりになると、中田様は「なかなか来れなくて、不安にさせてごめんね」と私の手を握りながら言った。 私が人間ドールでなければ、涙を流して中田様に抱きついていただろう。 その私の代わりに、中田様が持っているドールの目から涙が流れている。 人間ドールとドールの感情が繋がっているのは知っていたけど、まさかドールが涙を流すなんて思わなかった。 「こんなに泣

        • 「人間ドール」第6話

          7日目の朝になった。 「今日の夜、加藤様の家に送っていくから」 社長室に呼ばれ、冷たい口調で伝えられた。 「嫌です、お願いします。助けて下さい。お願いします」 泣きながら懇願しても、社長は冷めた目で私を見ている。 「社長、ナカタの中田社長がいらっしゃっています」 慌てた様子で白井さんが社長室に入ってきた。 ナカタの社長? ナカタというのは自動車会社最大手のナカタだよね? 家にいる時は毎日CMを見たし、大学生の就職したい企業NO.1だ。 そのナカタの社長が来ている

        「人間ドール」第9話

          「人間ドール」第5話

          白井さんの車に乗ると、白井さんが「加藤様のお屋敷はいかがでしたか?」と尋ねてきた。 本当の事をいうべきだろうか? 白井さんは何の為にこんな質問をするのだろう? 白井さんに対して疑心暗鬼になってしまう。 「命懸けのゲームをさせられました。怖かった。私は1位だから帰してもらえたけど、3位の花音さんは……」 これは賭けだ。もし白井さんも加藤様の味方なら、こんな事を言えば、加藤様に密告され、裏切り者として『永遠の人間ドール』にされるかもしれない。 それでも、白井さんを信じた

          「人間ドール」第5話

          「人間ドール」第4話

          「さあ、次は2回戦です。次は人間ドールとペアになるドールとの相性をゲームにしました。ドールの身体には人間ドールの髪の毛が入っています。2人は一心同体。人間ドールに触れる事なくドールを触ると、人間ドールの体温は上がるでしょうか?」 谷山さんがスクリーンの向こう側にいる視聴者に話しかけると、スクリーンの下方にコメントが流れる。 『上がるんじゃないか?』 『上がると面白い。ワクワクしてきた』 視聴者は、人間ドールをおもちゃだと思っているのだろうか? 悔しい。 私のドールの

          「人間ドール」第4話

          「人間ドール」第3話

          「美沙さん、今日から1週間加藤様が美沙さんを家に連れて行きたいそうだ。申し訳ないけど、他の仕事は代わり人にやらせるから、美沙さんは1週間加藤様の家で過ごしてもらいたい」 「1週間って、注射の効き目は2時間か、3時間しかありませんよね? 注射が切れたらどうしたらいいんですか?」 注射の効き目が切れたら、人間ドールではなくなり、ただの美沙になってしまう。 「注射は1週間分を美沙さんに渡しておくよ。衣装やメイクの為に伊藤さんが君に同行する事になっている。加藤様は美沙さんの為に

          「人間ドール」第3話

          「人間ドール」第2話

          3月まではドールハウスLの専属モデルとしてアルバイトをしていたが、4月になり正社員として働く事になった。 私は昨年完成したばかりのドールビルを担当する事になり、学生時代に住んでいたマンションを引き払い、ドールビルの近くのマンションに引越しをした。 石川店長は4月から社長になり、ドールビルで、忙しくドールの営業をしている。 私はアルバイトの時の様な、モデルとしての仕事だけでなく、事務や雑用もする様になった。 7月1日、社長に呼ばれて社長室に向かった。 「社長、美沙です

          「人間ドール」第2話

          「人間ドール」あらすじ 第1話

          あらすじ ドールが大好きな美沙はドールハウスLの店長から「専属モデルになりませんか?」という誘いを受け専属モデルになる。しかしその後、店長の依頼でお金持ち相手の人間ドール(注射で数時間身体が動かせない状態)の仕事をする事になる。美沙は最初は不安を感じていたがいつの間にかやりがいを感じるようになる。そんなある日、客の加藤の家に連れて行かれ、強制的に他の人間ドールと一緒にデスゲームに参加させられる。 美沙は1位になりなんとか加藤の家から逃げるが、追っ手に捕まり危機一髪のところ

          「人間ドール」あらすじ 第1話

          『霊能サークル』あらすじ

          安城大学の霊能サークル部員は夏休みを利用して、人が消えるという噂がある廃村に調査に行った。だが勇気は風邪をひいて行けなかった。廃村に向かった部員のうち2人は記憶喪失、3人がまだ帰ってないという連絡が勇気に入る。勇気と幼馴染の茜は3人を救出するために廃村に向かう。廃村にある小学校の音楽室は悪魔の世界と繋がっていた。勇気はもう少しで悪魔の世界に吸い込まれそうになったが、無事に脱出する。勇気は霊能の師匠である祖母に協力を頼む。 その後、勇気と茜は3人を助け、記憶喪失の2人の呪いを解

          『霊能サークル』あらすじ

          『霊能サークル』第2話

          小学校は電気も壊れていて真っ暗だ。そこかしこに蜘蛛の巣があり、床をネズミやゴキブリが走り回っている。 茜はリュックから懐中電灯を出して、前を照らした。 「太一、彩人、加奈子」 茜と一緒に3人の名前を呼ぶが返事はない。 低級霊を祓いながら1階を全て回ったけど、強い悪霊の気配を感じる事はなかった。階段を上って2階に行く。 「茜、強い霊力を感じる、気をつけろ」 2階を少し歩くと、さっきまでは感じなかった強い霊力を感じた。そして、その霊力が強い悪霊以外に、禍々しいものがいる気配

          『霊能サークル』第2話

          『霊能サークル』第3話

          茜が俺の胸に手を当てた。茜の温かい力が俺の身体に入ってくる。 俺は少しずつ自分が回復していくのを感じた。 「これがヒーリングか?」 山岡刑事が茜に聞くと、茜は「はい、そうです。私には戦う力はないけど、霊能者をヒーリングする事が出来ます」と答えた。 「太一君の声が聞こえないという事は太一君は穴の近くにはいないという事だな? 太一君より先に彩人君を探すべきか……」 山岡刑事が穴の方を見ながら言った。 「彩人は太一より前に穴に吸い込まれました。その後、私が吸い込まれそうになっ

          『霊能サークル』第3話

          『霊能サークル』第1話

          「勇気、今日、霊能サークルのメンバーが帰ってくる日だよね?」 幼馴染の谷田茜がベッドで寝ている俺に声をかけてきた。 「そうだよ。夕方には帰ってくると思う」 俺、三輪勇気は安城大学の霊能サークルのメンバーだ。 一昨日から、霊能サークルのメンバーは九州にある廃村の調査に出かけてる。もちろん俺も行く予定だったけど、2日前に高熱が出て、泣く泣く諦めたのだ。茜は俺が熱が出たとラインをすると、「私、勇気のお見舞いに行く。廃村には行かない」と言って、俺と一緒に廃村行きをキャンセルした。

          『霊能サークル』第1話

          「告白する前に死んだ俺は……」本編

          登場人物 田中竜馬(たなかりょうま)中学一年生  斎藤未来(さいとうみみらい)竜馬の同級生                     斎藤武(さいとうたけし)未来の叔父で霊能力者 明日こそ、未来に告白するぞ! 俺はそう決心しながら、道路を渡っていた。信号は青だ。それなのに、俺の目の前に車が迫っている。俺は死ぬのか、まだ12年しか生きていないのに。目をギュッと閉じた瞬間、俺の身体は宙に投げ出され、思い切り地面に落ちた。すごい痛みと共に、俺の意識は失くなった。 俺が目を開けると、

          「告白する前に死んだ俺は……」本編

          「告白する前に死んだ俺は……」あらすじ

          中1の田中竜馬は、同級生の斉藤未来に告白する前日に交通事故で死んだ。竜馬(霊)が自分のお葬式を見ていると、未来が竜馬が好きだったと言いながら泣いている。竜馬は未来の側にいるが気づいてもらえない。四十九日の法要のあと、天使が竜馬を迎えにくるが、竜馬は拒否した。未来の叔父の斎藤武(霊能力者)は竜馬が見える。武は竜馬に莉奈に思いを伝える協力をするから、悪霊退治を手伝って欲しいと言った。2人は協力して悪霊退治をする。その後、武は竜馬に「このままここに残れば悪霊になる可能性がある」と言

          「告白する前に死んだ俺は……」あらすじ

          アファンタジア

          初めまして。美愛と申します。 私の趣味は小説を読む事、書く事です。 小説投稿サイト『エブリスタ』に小説を投稿する様になって7年以上経ちました。 その前はホームページを作ったり、プログを書いたり、ゲームにはまったり、色々な事をしてきたけど、1番長くて3年しか続きませんでした。 正直、エブリスタでの小説の投稿がこんなに長く続いているのは自分でも驚きです。 きっとこれからもずっと書いていく気がしています。 ここからタイトルのアファンタジアの事ですが、皆さんはアファンタジア

          アファンタジア