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2023年 詩集


人情味

青白い鼻先
冷血な顔色でも

人情に染みたとき
しみじみと

頬が紅く染まる
血色がよくなる

雪解けの春の頃

平和のシンフォニー

武器を捨て
楽器を持とう

音楽はどんなときでも
平和の味方だ

あなたとわたし
ともに平和を奏でよう

きっと素敵な音色で
地球を救えるに違いない

薔薇色の悲劇

君への思いが溢れ出る
君は妖艶なしぐさをする
妖しい美しさに惑わされる
いやいやむしろ惑わされたい

君の香りに酔いしれる
君は妖美な微笑みを浮かべる
甘い香りに騙されて
いやいやむしろ騙されたい

罪な香りは悲劇の始まり

心の芽

心の種をまき
水をやろう

心の芽は努力しないと出てこない

小さな心の芽が咲いたとき
日々枯らさないように
心の芽を育てていこう

きっと幸福の花が咲くから

迷夢

迷いのなか眠りにつく
夢のなかでも迷子だ

物語のように起承転結とはいかない
つじつまが合わないことばかりだ

迷いから覚めたくても覚めれない
迷いから覚めることはない

それでも希望を持てと
今日も朝が来る

春風

そよそよ春風が吹く
春の香りを連れて来る

生暖かい風が優しく頬にキスをした

孤独讃歌

恐れずに愛そう
きっと味方だ

怖がらずに愛そう
きっと相棒だ

孤独を抱きしめる

幼なじみ

えんえん えんえん
なんで泣いてるの

えんえん えんえん
私まで涙がでちゃう

思いっきり泣いてやれ
声をそろえて合唱だ

たくさん大声で泣いたら
悲しみもどこかへいってしまう

ケロッと何事もなかったかのように

また笑顔を見せて
一緒に笑おう

美青年の告白

稀に美しすぎる美青年

女に好かれずに
女は見向きもしない

男に好かれ
男が寄って来る

女を愛することができないように
神様は女をも嫉妬する美しさを
美青年に与えました

神の罪かな

燃える空

夕暮れ時
君と一緒に見た空は
赤く燃えていた空だった

夕暮れ時
まだ君の影を探してる
幻にも似た青春だった

お互い身を焦がし苦しんだ日々

あれから二度と燃える空を
見たことがない

恵みの雨

地面を叩くように雨が降る
不安さえ掻き消すほど
激しく雨が叩き打つ

傲慢だった自分への忠告のような大雨
冷たい雨に身も凍える
自然の前では無力な自分に反省した

恵みの雨に感謝した

生命力

この世に生まれ
七五三を無事に生きぬいて
二十歳まで大人になるだけで凄いことだ

この世を知らずに
生まれてこれなかった
沢山の命もあると思うと

生命は愛おしい

別れ

今までいた場所を
潔く離れるのは
自分を守るため

悲しい別れもある
でも別れないと
新しく出逢えない縁もある

別れそれは新しい旅立ち

正義の女神

失敗を許さない世の中
息苦しくて声が詰まりそう

息をひそめて本音を隠す
声を無くしたのは誰のせい?
一番怖いのは皆の声だ

悪を暴くふりをして
怯えているのは誰?
今が沈黙を破るときだ

タロットの正義のカードが
剣と天秤をかざしてる

正義の女神の
黄金の冠は花冠に
美しい自然に帰ろう

そして大声で永遠の愛を叫ぶんだ

空白

白い雲のように
自分の心はつかめなくて

空を眺めるように
心を眺める私

黄金畑

一面の小麦畑
風にゆられ黄金になびく

収穫のときがきた

労を惜しまず
労を征す

自然の富を獲る

瞳と嘘

彼は嘘を愛しすぎている
嘘の女しか理解できない

彼はじっと嘘を見つめたまま

愛する視力を失った

知識

愛される気持ちを知らなかった
いつもと気持ちが違う
本を捨てた

耳を澄まして
手を胸に当てて
知識をすてた

そこには何もなかったから

空虚

心に問うてみました
私は空になりたいと
空に向かって愛を叫ぶ

見返りはないですし
本当に何もなくなる

何も残せなかった
それはそれでよい人生

私は空になりたい

永遠の後悔

別れのあと
永遠の後悔として
霊がまとわりつく

後悔は
墓場まで
持っていく

恋愛方程式

恋愛は数学に似てる
一番苦手な教科だ

意味不明な数字と記号で
答えなさいと言われても
解らないのが悔しい

恋愛理論を数字で表せれたら
どうなりますか?

私に恋愛未知数は
解けそうにない

みだらな愛が欲しい
みだらな愛が知りたい

強欲に愛を手に入れたい
悪賢い知識を捨てて
知識は悪魔に預けて

愛に正義は無い
愛は不義だ

真実の愛が知りたい
愛は神に授けて

最高の女

中身が無くて
外見が美しい女

美の暴力の前では
知識も歯が立たない

下品なほどに美は磨かれる

最低に最高潮
小粋な最高な女

最低に大人気
イケてる最高なビーナス

はじめてのともだち

誕生日プレゼントのぬいぐるみ
僕のはじめてのともだち
どこでも一緒だった

僕のことは何でも知ってる
僕よりも僕のことを知ってる
誰よりも僕に寄り添って励ましてくれた

子供心を忘れない
幼心はいつまでも

僕はぬいぐるみを卒業できないまま

こんな変な愛はない

わからないから怖いんだ
いつも壁を作って避けてきた

恋愛の男性は違う

何を考えているのかわからない
不安に駆られるのも恋愛なのか

邪魔になる感情
背伸びして口説いてみても
とかなんとか嘘ついて
口から出任せばかり

嘘つきなわたし

もう愛や知らなくてもいい

蒼白い炎と月

ロウソクの炎が消えないように
蒼白い炎を輝かせている

夜空の星に負けずに
ロウソクの炎は激しく命を燃やす

炎が消える臭いがした

蒼白い月は不気味に
夜空にたたずんでいた

浪費の悪魔

耳元で悪魔が囁く
渇いた心を揺さぶるように
望まぬ欲望に手を出してしまう

脳髄を溶かすような恍惚
心は悦に浸る

警鐘の鐘が鳴っている
幻聴は鳴り止まない

豪華に浪費する分
神経衰弱になっていく

浪費の悲劇は私を蝕んでいく
心はますます枯れていき

潤うのは財産だけだった

オアシスの泉

カラカラに枯れた瞳
焦燥感に駆られる心

それはカンカンに照らされた太陽のせいだ

光を浴び過ぎた心は
日焼けして狼狽する

悲しみという日陰で休みたい
優しさを心で感じとりたい

今日も涙という
オアシスを探して

ふるさと

君はハンバーガーにかぶりつく
口がアメリカに染まる

夢の国に思いをはせる
おふくろの味がしているのだろうか

君のハンバーガーへの執着は
ヒステリーともとれる熱狂

ハンバーガーを食べるたびに思い出す

私は君を忘れない

黒いチューリップを君に

もうあなたを信じれない
もう希望を持てない

精一杯の私の照れ隠し

愛の告白に一本の黒いチューリップ

どうか私を忘れて

上出来な別れかた

君を騙すつもりはなかった
この気持ちに悪意が無いとすれば
それは嘘だ

「ごめん」
その一言が言えなかった

もし言えていたら君は
この卑怯な僕を許してくれただろうか
臆病で弱気な僕を叱ってくれただろうか

薄ら笑いを浮かべて
「さようなら」
冷淡に別れを告げた君は

僕以上にズルい

贅沢な心

優れた心というものはあるのだろうか
心は世間が決めることじゃない
環境に揉まれるほど
心が貧しくなっていく

もし心にも貧困があるのなら
財を尽くせば豊かになるのだろうか

成り上がりの心は虚しい
とってつけた贅沢な心は
偽りの自分だ

やがて崩壊した心は
あるべき姿の心へと帰っていく

自分の心の運命は自分で決める

支配できるのは唯一
自分の心だけだから

心のプライバシー

喜怒哀楽で表現できない
複雑な心境を胸に秘めている

心の秘密は人目を忍んで隠れてしまった

心が見えなくて良かった
心が見えないから自由だ

心のプライバシーに守られ
そして幸福に包まれた

不器用な僕

本当は好きなのに
冷たく当たってしまう

僕のあまのじゃくな心が
恋の邪魔をする

この恋が叶うなんて思わない
だから臆病になってしまう

君に素直になれたら

そう願いながら

僕の恋は始まりもせずに終わった

男ともだち

うん、うん、と話を聞いてくれる
目の前の君に気づかなかった
いや、気づかないフリをしていた

ともだちの壁を越えたとき
やっぱりともだちだった

さよならじゃなく
最後の我儘
ともだちでいさせて

男ともだちはやっぱりともだち

100点の恋

恋は学校では教えてくれない

恋の教科書はない
恋のテストもない

恋に正解はない

1人では恋はできないから
2人で100点の恋の花丸を咲かせよう

私の恋は君にとって何点ですか?

やさしい食事

やさしい食事を飲み込んだ
五臓六腑に染み渡る
やさしくなった気がした

もっと
やさしくなりたい
もっと
やさしくなりたい

でも
やさしくない

美食家なのに
やさしい世界を知らない

美しいテレビ

老人ホームのテレビは
美しいものしか映さない
テレビの若さと老人たちの
ギャップに滑稽な気分

あまりにも
若さの美徳に
世は歓迎しすぎる

若いというのは
どんな人でも与えられた才能だ

でも若さも有限なもの
老いと向き合うとは
死と向き合うということ

美しすぎる
まるで絵画のような
テレビがそこにはあった

ないものねだり

ないものねだり ないものねだり
欲しいものがいっぱいあるの
だから だから
ないものがうらやましい
今持っているものは当たり前すぎてつまらないの

ないものねだり ないものねだり
欲しいものがいっぱいあるの?
どうして どうして
うらやむものを持ってるはずなのに
今持ってるものは当たり前すぎて見えないの?

ないものねだり ないものねだり
欲しいものが一つだけあるの
それは それは
今持っているものを大事にすること
そうしないと全部なくしてしまいそうだったから

心の万華鏡

心の万華鏡を覗き込む

あらゆる形相を表す
幾何学模様はつかみどころがない

色彩は眩いほど光り輝く

神秘的な
心の万華鏡を
皆心に秘めている

わすれもの

悲しい運命に逆らって
涙を流した頃が懐かしい

悲しい気持ちの度を超えると
悲しみを感じなくなる
無感情になる

感情が動かないと
自分の気持ちがわからない

感情を忘れた未来が来るなんて
感受性が豊かだった昔の私は知らない

いのち

自分はちっぽけだと思うけど
一人一人の命の価値は重い

どんな人だって
この世に生きているだけで
命の価値がある

命の価値は皆平等で
勝手に人の価値を決めてはいけない

自ら命の価値を決める前に
悲しむ人の姿を考えてみて

君がいない世界に
未来はないんだ

寝れない夜に

日々に追われていると
自分の気持ちがおざなりになる

ふと立ち止まって
考える余裕が欲しい

本当は自分は何がしたいのか
ひとりになって
周りを見渡す
視野が広がる

寝れない夜は
自分を見つめ直す時間

おやすみなさい
そしておはよう

きっと朝日とともに
希望の視野も開けてくるはず

歩く人

私は頭で考える力がない
悔しくて毎日歩く

頭で考えずに
ただ歩く

身体で考えて
ただ歩く

歩くことなら私にもできる

だから毎日歩くことをやめない

名もなき唄

どこの誰が書いたかわからない
名もなき唄が好きだ

世間に認められた唄だけが
良いとは限らない

偉人も生きている間に
認められるのは少ない

作者が亡くなってから
やっと認められている偉人が多い

それぐらい世間は当てにならない

その覚悟があるかどうか
後世に残る芸術とは
そういうものなのかもしれない

出口のないトンネル

真っ暗なトンネルの中を歩く
出口はまだ見えない

何年たっても
出口の光は見えない

振り帰らずに前へ進むしかないんだ

暗き地上の光を探して

軌跡が奇跡となる日を信じて

ベイビーギャング

いつものメンツ
仲間とたむろ
ギャングスター

この仲間がいれば何も怖くない

俺達は間違ってない
社会がおかしいんだ

いつものメンツ
仲間とたむろ
ギャングスター

誰一人として裏切ったら許さない

俺達兄弟
本当の家族より本物だ

いつもうらはら
君の前では
ベイビーギャング

皆のスターなんかじゃない

君だけのスターになりたいんだ

小さなギフト

悩んでいたら教えてくれたり
できないことを世話してくれたり

てとりあしとりを求めてる

いつまで身の回りのことができるだろう
いつか身の回りの世話になるのだろうか

若いと遠くの幸せを見てしまう
歳をとると小さな幸せが見えてくる

当たり前のことができる日々こそ
幸福なことだと加齢とともに教えられる

それは小さな幸せのギフト

いいこ

誰も叱ってくれない
誰もなだめてくれない
誰も褒めてくれない

人を傷つけないように
いいこでいなきゃいけない

一生ママンのいいこを待ってる