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缶チューハイで酔い潰れた夜

「公務員試験を控えているからどうしても今日飲みたい」

小学校時代からの親友からオンライン飲み会の誘いが来たのは金曜日の夜7時半のことだ。今日は自分がホストのオンライン飲み会があるな、それに好きなひととは毎晩話しているし、ということが頭をよぎった。親友の誘いもまた最もで、新型コロナの影響で公務員試験が延期になったとはいえ人生のかかった試験を目前にしていることは事実。
結局、オンライン飲み会をはしごすることにした。

深夜1時に親友とビデオ通話を繋ぐ。1つめのオンライン飲み会は盛況に終わった。小さな缶には気の抜けたチューハイが少し残っている。煽って、少し迷って、500ml缶に手を伸ばす。明日、予定はない。笑って、チーズをかじりながら缶を傾ける。お酒の力を借りて本音が口をつく。恋愛のこと、日々のこと、病気のこと。酔ってわけわからなくなって、ぬいぐるみの体を借りる。


お手洗いに立ったとき、足元がふらついて驚いた。想像以上にお酒が回っていた。親友が飲み過ぎて吐きに行く。戻ってきて、少しだけのこった理性を、缶チューハイで胃に流し込む。ショート缶を1缶飲んでジンジャエールに切り替えるはずだったけれど、結局ロング缶も空けていた。

4時過ぎまで飲んだ。3時間ほど話していたことになる。最後、窓の外が白みはじめていた。大好きな親友と語り合う時間が楽しくて仕方がなかった。この瞬間を忘れないでいようと思った。大切にしていたいと思った。寝付くまでの時間で、酔っ払ってバーっと書き上げた文章に、今少しだけ手を入れている。

生きていこう。楽しくて仕方なかった時間を、大切に大切に抱き締めながら。

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