YuNi - virtual singer -「透明声彩」

ー 透明な声はきっと、からっぽじゃない ー

ふと、じぶんの存在意義に悩むことがある。
意義なんて、最初からないのかもしれないけれど。

それでも生きていると、時代のなかで手探りの日々を過ごすことがあるだろう。
どんなに明るい人だって、孤独で、見えない未来に怯えるどうしようもない夜があると思う。

「透明声彩」
この言葉の意味はなんだろう。

「透明」はそこに「存在しない色」なのか?

そんなことはない。透明色だって、立派な色なんだ。

透明色の声。目に見えないけれど、はっきりした名前もないけれど。
それでも今ここで、この場所で響いている。確かに奏でているのが聴こえる。

もしかしたらその声は、今は自分にしか聴こえないかもしれない。
でも、いつかきっと。届けたいから。ーーー

バーチャルシンガー YuNi が歌う
「儚さ」「孤独」「未来への不安」
そして、小さくかすかな「希望」。

見えないものを見ようと、そしてそれと向き合おうとする
ひたむきな彼女の表情と歌声に心を掴まれた。

「仮想的な存在」として多くの人に認識されている彼女は今、どんな気持ちなんだろう。
もしかしたら私たちと同じように、寂しくて、不安な夜を過ごす日があるのかもしれない。そんなことを考えさせられた。

小さな希望でもいい。
ここで、鼻歌でもなんでもいいから、完璧じゃなくていいから、口ずさんでいたい。
本当に叶うかなんて、今はわからない。
不確実なものだっていいんだよ。
見えなくても、からっぽじゃないんだよ。

そんなことを教えてくれている気がした。

バーチャル(仮想的)と、リアル(現実的)が
共存する世界にわたしたちは生きている。

何が「ほんとう」で、何が「うそ」なのか。
全然わからなくなってしまう場面がたくさんあるかもしれない。

でも、きっと答えは2択で選べることじゃないんだ。

明確じゃなくていい、曖昧な状態だっていい。
この不安定な世界のなかで、透明な声で歌い続けたい。

そんなふうに、「透明声彩」は、前を向く力をくれた。
こんなに素晴らしい音楽と出会えるこの世界は、やっぱりどうしても嫌いになれない。

透明な声が そっと色づくまで。
いまは口ずさんでいこう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?