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肩の力をふっと抜いてまた進んでいく

私はテキパキ効率よく動けるタイプの助産師ではなかった。
もちろん経験を重ねて、緊急時には声も出せるようになったし、助けを求められるようになったし、自分も体が動くようになった。

でも本来の自分ってぽやーっとしてるタイプなんですよね。
時短で効率よく!というのはどちらかというと苦手。
割と一つ一つのんびりゆっくりやりたい方。
(だから家事とか時間の制限がなければめちゃくちゃ遅い。多分効率も悪いんですけどね…)

助産師として働いている時も、一人一人お話ゆっくり聞きたくて、ついつい1人の人のところに長くいてしまうことがよくありました。
余裕がある時はもちろんいいんだけど、他にも仕事があると「優先度とか自分がやらないといけないこと考えながら仕事してる?」とよく注意されていました。

でも同時に「人の話をよく聞こうとしっかり向き合えるのはいいところ」と評価してもらうこともありました。

助産師としてはどちらも必要なスキルで、大切なことなんですよね。

お母さん方が「この人になら話してみよう」とか「今聞いてほしいな」って思って声をかけやすい雰囲気づくりも、
一分一秒を争う状況の時は何よりも母子の命を優先する判断力と知識と経験も。

どちらも助産師としては欠かすことができなけれど、私の良さや強みという視点でいえば、ほっとしてもらえるような雰囲気とか、話聞いてくれそうって思ってもらいやすい親しみやすさを持っているところかなと思います。

そして、今の私は、その自分らしさを活かして、じっくりお話ができる場を作りたいです。どうしても病棟だと同時に色んなことをこなさなくてはいけないもどかしさも時にはあったので、一人一人と向き合う時間をたっぷり取れたらいいなと思っています。

先日読んだ『今宵も喫茶ドードーのキッチンで。』にこんな一節がありました。

でも、がんばっている日常から、ちょっとばかり逃げ込みたくなる。そんなときに、ここをふらりと訪れてくれる人がいるのです」

『今宵も喫茶ドードーのキッチンで。』/標野凪


まさに、毎日がんばっている人が、ふうって肩の力を抜けるような、そんな場になったらいいなあ。


そういえば、産後育児中のお母さんたちって慣れない育児を一生懸命頑張っているから、無意識にすごく肩の力が入っているんですよね。
よく「肩に力入ってるよ〜リラックスリラックス」って肩に触れて力抜いてもらっていたなと思い出しました。

だいたいそう言うとみんな、ふふって笑って一瞬でも力抜けるんですよね。
そんなやりとりも、また気持ちを切り替えるきっかけになると信じてるから。

私にできるんだろうか。うまくいくんだろうか。
そう不安になったりもするけど。
私も肩の力を抜いてやっていけたらいいな。

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