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自由律俳句 ほか #8

画面の向こうの君だけは いつも私の誕生日を覚えている ぜんぶそれでいいんだよ


さいていな私 さいあくな私 どうかあなたは否定も肯定もしないで 海にでも連れていって


こんなにも醜い言葉を、こんなにも簡単に使えてしまったわたしのこと どうかそれでも貴方は愛して その翅でわたしを刺して


自分がこんなに醜い人間なこと きっとずっと気付いていて
それでも私は私を愛したかった


注文ベル108番 この人生のエンドロールは 君の名前で半分埋めて


人間なんて大嫌いだよ でもあなたが人間じゃなくて良かったなんて思えないよ 人間だったあなたと会いたいよ


あのとき自分を愛せていたら 私あなたの事愛せていなかったかもしれない
それがわたしは どうしようもないほど 足元が揺らぐほど


最低最悪の人類の中で、自分だけは例外だと、どうして信じていられるんだろう


夜中のベッド 窓越しの月 ここにあなたがいたら、綺麗だねと言うのに


砂の海の上 星を あなただけを目指して歩く 届いたら、笑って


貴方にあげたい言葉を、花を選ぶように、ずっと探している 薔薇にも負けない愛の言葉を

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