自由律俳句 ほか #5
冬の中 肌を刺すつめたさがひとつひとつ 私が生きていることを知っていた
どこに行ってもどこにもいやしない貴方の存在に怯えてしまうのは、広いインターネットの海のどこかでいつか巡り合ってしまう予感があるからなのだ
ままならないこの足取りが 幽霊のように透けている感覚だけがずっとあって 不安定さと安堵の中で、生きる感触を知る日の事を考えている
薄氷の様に続くこの日常を、不意に破壊したくなるのが 衝動の様に刃物を持つ自分の事を、ずっと隠しているからだと、知っていて、知らないことにしている
ぼぅっと生きてると どうやってまっすぐ立ってたかが分からなくなる
玄関のあかり 照らされた姿見に移る私の輪郭が 化け物でも怪物でもなく、ただのひとだった事を どこかでずっと覚えている
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