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楫枕 地歌 歌詞単語分解 パート2

楫枕 地歌 歌詞単語分解の第2部にいきたいと思います。
第2部はこちらです。

浪(なみ)か涙か 苫(とま)もる 露(つゆ)か
濡れにぞ ぬれし 我袖(わがそで)の  
しぼる 思ひを おし包み
流れ渡りに 浮れて 暮(くら)す
心盡(こころづく)しの 楫枕(かじまくら)

ここでの最重要単語は、心盡(こころづく)し、そして、
浮かれて、になるかと思いました。

苫(とま)や、楫枕(かじまくら)も、そんな意味なのか!
という言葉でしたけれど。

● 苫(とま)… 菅(すげ)、茅(かや)などを菰(こも)のように編み、
小家屋の屋根や、周囲などのおおいや、和船の上部のおおいなどに使用するもの

● 我袖(わがそで)のしぼる… 袖をしぼる、は連語。涙でぬれた袖をしぼる。ひどく悲しんで泣くさま。

● おし包み… 押し隠し

● 渡り… 川を渡ること、移転すること

● 浮れて… 1.あてもなくさまよう、2.心が落ち着かない。現代語では気持ちが浮き立つの意だが、古語では1.や2.の意味

● 暮(くら)す… 1.日が暮れるまで時を過ごす 2.昼間をすごす 3.過ごす、月日をおくる、生活する

● 心盡(こころづく)し… あれこれと深く気をもむこと、現代語では心配りの意であるが、古語にその意味はない

● 楫枕(かじまくら)… 楫をまくらとして寝るの意から、船中で寝ること、船の旅、なみまくら

〈訳してみたもの〉

川の波しぶきのせいか、涙のせいか

舟の苫についた露のせいなのか

わたしのそでは濡れ続ける日々だ

ひどく悲しんで泣く心をおし隠して、

流れ移り、心落ち着かず、

あてもなくさまよう月日をおくる

あれこれと深く気をもみ、舟で暮らすのだ


そして、
歌詞はクライマックスの パート3 に向かいます。



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