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地歌歌詞 新娘道成寺 単語 1 仏教用語パート 前半

新娘道成寺(しんむすめどうじょうじ)の歌詞の意味を知りたいなと思い、出てくる単語の検索をしました。

まずは、曲の名前を読むのも難しいなとおもいました。

歌詞の最初の5分の1、
仏教用語が満載された部分のさらに前半です。

仏教用語なんだとピンとこないといけないんですね。
口語的な歌詞なのでわかりやすそうっと期待しましたが、やっぱり全然わかりませんでした。

歌詞 (仏教用語のパートの前半)

鐘に恨(うら)みは 数々(かずかず)ござる
初夜(しょや)の鐘をつく時は
諸行無常(しょぎょうむじょう)と響(ひび)くなり
後夜(ごや)の鐘をつく時は
是生滅法(ぜしょうめっぽう)と響くなり
晨朝(じんじょう)の響きには
生滅滅已(しょうめつめつい)

太字は仏教用語でした。
単語意味など以下になります。

● 鐘に恨(うら)みは 数々(かずかず)ござる … 
なんで鐘に恨みがあるの?とおもいました。
この歌詞だけではわかりません、というのが正直な所でした。
この歌の部分の元になった能「三井寺」のセリフの活字化されたものをよませてもらうと、恨みの理由は男女間における心残り、未練からくるようでした。

なんで、能「三井寺」がでてくるの、ということについてはこちらです。


● 数々(かずかず) … 数のおおいこと、あれこれ。

● 初夜(しょや)… 仏語。一昼夜を六分した六時の一つ。
晨朝(じんじょう)、日中、日没、初夜、中夜、後夜(ごや)がある。
初夜は、現在の午後8時から9時頃、またその時刻に行う仏事。

● 諸行無常(しょぎょうむじょう)… 仏語。万物はいつも流転(るてん)し、変化・消滅が絶えないこと。永久に変わらないものはないということ 。人生は儚(はかな)く虚しいものであるということ。

● 後夜(ごや) … 仏語。夜半から夜明け前のころ。現在の午前4時頃。またその時に行う勤行(ごんぎょう)。 夜明け前の勤行。

● 是生滅法(ぜしょうめっぽう)… 仏語。
万物はすべて変転し、生滅するもので不変のものは一つとしてないということ。生滅とは、生ずることと滅すること。生起と滅尽。また、生あるものは必ず滅すること。

● 晨朝(じんじょう)… 仏語。
現在の午前8時頃。また、寺院で行なう朝の勤行。晨朝の鐘の略。

● 生滅滅已(しょうめつめつい)…  仏語。
生滅の世界から超脱すること。すなわち、涅槃にはいること。
涅槃とは智慧(ちえ)を磨き修行を積み、迷い、煩悩(ぼんのう)、執着を断ち切り、悟りに到達し、いっさいの苦・束縛(そくばく)・輪廻(りんね)から解放された最高の境地をいう。

〈訳してみたもの〉

鐘の音には恨めしい想いが数々とございます。

夜の8時には鐘が、
ものごとは変化し、消滅する。
永久に変わらないものなんてない、
人生は儚く虚しいものだというのです。

夜明け前も、
生ずることと滅することをくりかえし、 
すべては変わりはてる、というのです。

朝になれば、
何ものも不変ではない世界から抜け出て、
煩悩、執着のない悟りに到達することを説くのです。

歌詞5分の1、仏教用語満載のパートの前半でした。

つぎの仏教用語満載のパート2はこちらです。



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