Last.fm 調べ! 自分が一番聞いていたアルバムを紹介 4. Steven Universe, Vol. 1 (Original Soundtrack) - Steven Universe
前説
Last.fm とは、音楽の視聴履歴(Scrobble)を記録してくれるサービスです。
サービスの『ライブラリ』ページから、自分が聞いていたアルバムの順位を知ることができます。
そこでよく聞いていたアルバムをレビューしようと言うのがこの企画です。
今回は、4 位のアニメ『スティーブン・ユニバース』のサウンドトラック第 1 弾です。
(なぜ 2 位と 3 位を飛ばすのかというと、自分の出したアルバムだったからです。自分でレビューするの難しいので……)
全体的なファクト
2017 年発売
リリースは 2017 年のようでした。
アニメのスティーブン・ユニバースは 2013 年からの放送なので、やや遅れてのリリースです(ただし、長丁場のアニメシリーズだったので、まだ放送中のとき)。
売上&反響
スティーブン・ユニバースというシリーズ自体は人気がある作品ですが、サントラが売れたのかどうかはよく分かりません。
Last.fm ではリスナーは 315K 人いるようです。世界で 30 万人ということなので、かなりの人気だと思いますが比較対象が無いのでよくわかりません。
プロデュース&パーソネル
特徴的なのは、音楽に本編の監督であるレベッカ・シュガーが関わっていることです。
作詞面はもちろん、作曲面でも手を入れており、例えばエンディング曲の『Love Like You』は作詞作曲に彼女がクレジットされています。
あとはサントラなので、アニメのキャラクター(スティーブンなど)の声優が歌っている曲が多いのが特徴でしょうか。結果として、ボーカリストが多いです。
アニメについて
宝石型の異星人であるジェムズと地球人、そしてジェムと地球人のハーフであるスティーブンが繰り広げる話です。
最初はクリスタル・ジェムズ(ジェムズの中の一集団)がモンスターから地球を守るといったシンプルな展開ですが、だんだんと話が広がっていくのが特徴です。
このアルバムはアニメ内でスティーブンたちが歌った歌を集めたものです。(BGM 集ではない)
全曲レビュー
1. We Are the Crystal Gems (Main Title)
アニメを代表するオープニング曲です。
クリスタル・ジェムズ(ガーネット、アメジスト、パール)とスティーブンの四人が自己紹介しているみたいな歌詞です。
30 秒足らずでシンプルなコードの繰り返しですが、メロディはけっこう動きます。
また、アレンジ面ではピコピコ音が入っています。この先も結構ピコピコするので重要です。
2. Let Me Drive My Van (Into Your Heart)
スティーブンの父親であるグレッグが歌う曲です。
グレッグは元ミュージシャンで、スティーブンにもウクレレを与えるなどしています。
やや年かさの人のメインテーマだということで、時代のかった音楽を意識していると思います。特にエレキギターの歪み具合はハードロック並みです。
3. Cookie Cat
スティーブンが好きなアイスクリーム『クッキーキャット』を称えるラップです。
けっこう本格的にラップしていますが、バックトラックはやはりピコピコしています。8 ビットサウンドとも言える……。
このころのスティーブン(の声優さん)はまだ声変わりしていないようで、独特の高い声になっています。
4. Giant Woman
クリスタル・ジェムズであるパールとアメジストがフュージョンすると『オパール』というキャラクターになるのですが、スティーブンがオパールのことをまた聞きで想像した歌です。
軽快なウクレレのコード弾きが特徴です。シンプルなコードの繰り返しという点で 1. と似ています。
自分のメロディに自分で合いの手を入れるスティーブンの音楽小僧ぶりが魅力。
5. Strong in the Real Way
パール曲です。パールは歌うシーンが多いです。
また、パールはピアノ曲が多いです。スティーブンがウクレレやアコースティックギターを使うのと同様、キャラクターに合わせた編成になっています。
後半はハードロックになるのがアレンジの特徴。
6. Steven and the Stevens
スティーブンがタイムトリップして過去のスティーブンとバンドを組んだときの曲です。
ビートルズを意識したアレンジになっています。愛され系を狙うみたいな発言も出ていたので、ビートルズを意識してパロったのでしょう。
7. Big Fat Zucchini
6. と同じ時期の曲で、過去のスティーブンたちを制御しきれなくなったときの曲です。
グランジというか、ニルバーナ風のような気がします。
かなりハードな曲であっというまに終わります。
8. Steven and the Crystal Gems
6.7.と同じ時期の曲で、結局スティーブンとクリスタル・ジェムズでバンドを組む展開になったときの曲です。
6.とだいたい同じアレンジですが、クリスタル・ジェムズの声が入っていること、特にアメジストの声が聞けるのは珍しいです。なぜかアメジストは歌のシーンが少ないので……。
9. Dear Old Dad
グレッグに向けた曲です。どんな場面か忘れました。
アコギを基本にしつつピコピコも入っているのが特徴です。
そしてこれも同じ循環するコードの繰り返しです。何かセオリーがあるのか、作風なのか。
10. Be Wherever You Are
スティーブンの曲です。
ポップな曲で、バイオリンの音が聞き所です。ちなみにコニーというキャラ(人間)はバイオリンを弾けるので、コニーとスティーブンの曲なのかもしれません(忘れました)。
11. On the Run
スティーブンとアメジストの曲です。どんなシチュエーションだっけ……?
カントリー&ウェスタン風の曲です。アメジストはダンスのときはヒップホップ調なので、カントリーなのは意外。
12. Comet
スティーブンの父、グレッグの曲で、グレッグがミュージシャンだった時代に作った曲です。PV まであります。作中では一番有名なのか?
グレッグの曲はハードロックが多いです。この曲もまた、かなりハードなギターサウンドですが、メロディはポップなので聞きやすいです。
13. Destiny
これもグレッグ曲。アコギを使っています。かなりテクニカルな演奏です。
14. Lapis Lazuli
ラピス・ラズリというキャラクターのテーマソングですがスティーブンが歌っています。
確かグレッグが一緒にいるときに歌ったので(?)エレキギターのアレンジです。
15. Wailing Stone
14.とほぼ同じ曲で、グレッグが歌っています。アコギをブルージーに弾いています。
16. Stronger Than You
クリスタル・ジェムズの一人であるガーネットの曲です。たぶん作品外で一番有名なのはこの曲。
ガーネットが敵役のジャスパーに宣戦布告をするときの曲で、曲調はモダンなソウルといった感じ。
ブリブリしたベースが動きまくる間奏が好き。
短い曲が多いアルバムの中で、2 番まであります。
I am made of love というリフレインはガーネットを象徴するフレーズになっています。
17. Full Disclosure
スティーブン曲です。こちらもリフレインが印象的です(ハミングで歌われる)。
このあたりでスティーブン役の声優さんが声変わりしたらしく、声が変わっています。
こちらも間奏後の 2 番まであります。
18. We Are the Crystal Gems (Full Theme Song)
メインテーマのフルバージョンです。
最初は子供の頃のスティーブンが歌い、パールが でしゃばって 入ってきて、最後は TV で流れるオープニングの別アレンジになります。
アレンジが凝っていて、808 ドラムマシンの音やストリングスが入っており、ピコピコもいます。
19. Jam Song
スティーブンがウクレレで歌い、バイオリンのコニーとデュエットします。
短いながらも感じが出ています。
20. Do It for Her
パールがコニーに戦闘の訓練をするときに歌う曲です。珍しく 3 拍子。ただ 3 拍子でありながら滑らかさはあまりなく、独特の緊張感があるアレンジです。
たぶん人気曲。こういう曲はあまり一般的なポップスには無い気がするので、人気もうなずけます。
21. What Can I Do (For You)
(確か)回想シーンでグレッグとローズ・クォーツ(グレッグの妻になるジェム)が歌う曲です。
これも 3 拍子系(12/8 かな?)。そしてエレキギターがいなないているのが特徴です。
22. Tower of Mistakes
アメジスト曲です。アメジストは一見明るいけれどコンプレックスが強く繊細なキャラなので、これも繊細な音になっています。
ダンスのときはヒップホップなんですけどね……。
23. Haven't You Noticed (I'm a Star)
(確か)スティーブンの友達のセイディが歌っていた……気がします(うろ覚え)。
セイディは歌が上手いという特徴づけが与えられていて、この曲もポップです。なんか聞いたことある気がするんだけどなあ。テイラー・スウィフトあたり?
24. Something Entirely New
たぶんガーネットのフュージョン元であるルビーとサファイアが歌う曲だったと思います。
ガーネットを象徴するフレーズも発展形で出てきます。
25. Peace and Love on the Planet Earth
『ドレミファソラシド』の練習から始まるという珍しいシチュエーションの曲です。
たぶんスティーブンがペリドットに音楽を教えていた場面のような気がします。スティーブンの底知れない音楽の才能が発揮された曲。
26. Don't Cost Nothing
グレッグが歌うユーモラスな曲です。シャッフルビートのジャズ・ボーカル風。
27. Empire City
グレッグが歌うレペゼンエンパイアシティみたいな曲。前曲と打って変わってハードロックです。
28. Mr. Greg
グレッグ・スティーブン・パールが訪れたエンパイアシティのホテルでホテルマンたちが歌う曲です。
高速シャッフルビートのラグタイム曲です。ホテルマン何者。
29. It's Over Isn't It
パールが歌う曲です。パールは恋敵グレッグにローズを取られたのですが、それを今も引きずっていることを歌っています。
ミュージカル風のピアノバラードで、パールを象徴する曲です。
映像も綺麗なので YouTube などでチェックしてほしいです。
30. Both of You
スティーブンが歌う曲です。パールとグレッグという、元恋敵同士の二人に呼びかける歌です。
二人とも傷ついているということを歌っているのですが、傷ついたのはローズがいなくなったから、ローズがいなくなったのはスティーブンを妊娠したからなので、スティーブンの立場も難しいんですよね、それでも仲裁を呼びかけるのはスティーブンの(以下省略
31. Don't Cost Nothing
26.の別バージョンです。26.から 31.のこの曲まで、アニメでは 1 話の間に出てきます。大変だ……。
32. I Think I Need a Little (Change)
グレッグが歌う曲ですが、記憶にない……。ビートルズのロック曲を意識したような曲です。
33. Here Comes a Thought
ガーネットがスティーブンとコニーに歌いかける曲です。恐怖をどうやって乗り越えるかという歌です。
メジャーセブンスを多用しているであろう優しく繊細なサウンドが特徴です。
ほぼフルサイズ(3 分台)あり、アレンジも凝っています。
34. Still Not Giving Up
スティーブン曲です。エレキの弾き語り。これもどことなくビートルズを思わせます。たぶんサブドミナントマイナーのコードが入るからかと。
35. I Could Never Be (Ready)
グレッグ曲です。シチュエーションは忘れました。アコギの弾き語りですが、ナインスあたりの音が入っていそう。けっこうグレッグも凝ったことをします。
36. What's the Use of Feeling (Blue)?
イエローダイヤモンドがブルーダイヤモンドに歌う曲です。ダイヤモンドはジェムズにおけるボス的存在で、スティーブンたちの障害になります。
また、イエローダイヤモンドの部下のパール、ブルーダイヤモンドの部下のパールがハモりをつけています。このハモりが不安定な揺れ方でちょっと怖い。
37. Love Like You (End Credits)
エンディング曲です。監督のレベッカ・シュガーが歌っています。
ジャズ・ボーカル曲で、このサントラに多いジャズの影響の本元とも言える曲です。
キャラクターの歌唱ではないにもかかわらず、サントラで一番人気の曲です。
総評
全曲レビューして分かるのは、かなり多彩なアレンジになっているということです。
その中でもジャズの影響は強く感じられます。
また、サントラらしくというか、キャラクターを象徴する要素を持った曲が多いです。スティーブンならウクレレ、パールならピアノと言った感じ。ガーネットを象徴するフレーズも印象的です(実はアルバム中 2 曲しか出ないのですが)。
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