共感覚者の困りごと

海外の共感覚のFacebookグループに参加している。音楽が聞こえる人が、ある困りごとを投稿していた。

「ここ数日、頭の中で音楽が鳴り止まなくて困ってる。クラシックだけじゃなくて、うるさいタイプの音楽も流れてるし、なにしろ、夜中もなんだ。止められない。誰か助けてもらえたりする?」

I haven't experienced your situation, but I can image how hard it is. Because if you close your ears, Music doesn't stopped, does it? I hear sound.When I feel my brain is full of the sound, I play the piano or listen to favorit music. Using and concentrating hearing ability helps me to rest my brain.

他にも同じ体験を持つ人が、いろいろコメントを返していた「ほかに思い当たるストレスはない?私はストレスを感じるとそうなりやすいわ」「分かる、ほんと辛いよね。クラシックだけならいいんだけど。うるさい音楽はほんとうるさすぎる!」などなど。あたかも「自助会」のような雰囲気だ。

共感覚は、人数の少なさ故に、「神秘的」「不思議」「特殊」と称されて(実際に美しい体験も多い)、羨望の眼差しを向けられることも多いみたいだけれど、「自動的な」知覚故に、自分で意識的にコントロールできなくて、圧倒されてしまう場合もあるようだ。

「私、色に味がするの。青(文字通り、青いもの、という意味。青く感じる黄色いもの、ではなく)いものは絶対に食べたくない。だって、古いインクみたいな味なんだもの🤮」

という人もいた。この人は困ってはないと思うけど、ブルーベリーを出されて、「青はまずいから嫌いなんです」とは、なかなか言えないだろうな、と想像する。(文章に音が聞こえる私の場合は、「こんなキーキーうるさい文章はとても読めるはずがない!どうしてこんな文章を読めるんだ?」になる)

世界人口の4%がなんらかの共感覚を有しているとも言われる。共感覚者によって、共感覚の程度や意味、付き合い方、は異なるので一概に言えないけど、こういう「困りごと」には、96%向けの対処法は有効ではないだろう。(頭の中の音なので、耳を塞いだところで鳴り止まないし、頭痛薬みたいな薬が効くわけでもない)。

先天的な共感覚は、本人が自覚してないことが多い。共感覚の認知度が上がる中で、共感覚者であることに気がつく人も増えてくるだろう。(23人に1人程度、従来言われてきた程、特殊ではないとする研究者もいる)

共感覚は病気ではないけれど、今後、共感覚者の脳の解明が進めば、こうした共感覚者特有の「困りごと」への対処法が見つかるのではないだろうか。共感覚の知識を持った共感覚者向けのセラピストも必要になってきそうだ(もう居るのかな)。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?