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実験ノート:OpenAI o1の試行(1)、認知言語学を理解できるのか?

2024年9月12日(US現地時間)、OpenAIが、Strawberryと噂されていた、次世代のLLMを発表、o1-previewとo1-mini。

それぞれ、有料ユーザーのみがつかえる(9/14現在)。ただし、huggingFaceなどには、o1を試行用に試供してくれているサイトがある(9/14現在)ので試してみる。

比較題材は、認知言語学の読書ノート(12章)、の「課題」への回答、もともとの質問プロンプトは、本ノートの最後に載せている

絵は、FLUX.1 three wise men(gpt-4o,o1,Claude) came to the gothic hall discussing the future of the humanity. there is a floating globe on the wise men


o1-previewの回答

身体と世界との相互作用を通じて形成される「内部の世界」は、言語という記号体系によって形作られ、言語が認知システムの一翼を担うことで可能となります。この内部世界が豊かな精神世界へと発展する要因として、言語を介したカテゴリー化や類推、参照関係などの認知能力が挙げられます。これらの認知能力により、私たちは世界を多角的に理解し、新たな視点や意味を獲得することができます。しかし、言語の持つカテゴリーやメタファーが固定化されると、進歩や不足感といった偏りが生じ、精神的な制約や問題を引き起こす可能性があります。言語による世界の「切り取り」と理解が腹落ちし定着するのは、それが言語共同体の中で慣習的に共有され、ネガティブフィードバックやポジティブフィードバックを通じて個人の認知システムに組み込まれるからであり、このプロセス全体は認知能力の反映としての言語がシステムとして機能する仕組みといえます。

o1-preview on HuggingFace,2024.9.14

gpt-4oの回答

言語は、認知システムとしての役割を果たし、形態素から文のレベルまでの記号体系を介して人間の内部世界を形作る。この内部世界は、個々の言語共同体で長時間かけて培われた慣習的な捉え方が刻印された言語の記号体系を身につけることで、認知活動に参加できるようになる。言語のカテゴリー化、類推、参照関係、図と地、モノ化などの認知能力が内部世界の広がりに寄与する一方、偏った情報や経験の蓄積が進歩や不足といった偏りを生じさせる可能性がある。言語を通じて世界を切り取るプロセスは、ポジティブフィードバックやネガティブフィードバックを含むシステム的な仕組みを持ち、その結果として得られた理解が腹落ちし定着すると言える。

感想

gpt-4oはそつない回答であるが、o1は、「言語が認知システムの一翼を担うことで可能」は、まあいいとして、「要因として、言語を介したカテゴリー化や類推、参照関係などの認知能力が挙げられます」、って、元の質問では認知能力は、メタファーなどの基盤であり、そのメタファーなどを用いて言語が形作られる、<認知能力の反映としての言語>、という話とあまり整合してない感じがする。

追加の質問(複数ターン)

少し追い込んでみる。

2.認知能力の反映としての言語 をよく読んで再回答して

o1-previewの回答

私たちの「内部の世界」は、身体と世界との相互作用を通じて形成され、その際に言語が大きな役割を果たしています。言語は、人間にもともと備わっている認知能力の反映として立ち上がったものであり、カテゴリー化、類推、参照関係、図と地、モノ化といった認知能力が基盤となっています。これらの認知能力によって、私たちは世界をカテゴリー分けし、メタファーやメトニミーを用いて多様な意味を構築し、豊かな精神世界を形成します。しかし、これらの言語的・認知的プロセスが固定化されたり、特定のカテゴリーや捉え方に偏ると、進歩や不足感などのバイアスが生じ、精神的な問題を引き起こす可能性があります。言語を通じて世界を「切り取り」理解する過程が腹落ちし定着するのは、それが認知能力に基づき、ネガティブフィードバックやポジティブフィードバックを含むシステムとして機能し、個人の認知システムに組み込まれていくからです。したがって、このシステムの仕組みを明らかにすることで、言語と認知の相互作用が精神世界の豊かさやバイアスの形成に与える影響を理解することができます。

o1-preview on HuggingFace,2024.9

なんかいい感じになった、やればできるじゃん。やっぱり少し具体的に指示する必要ありそうだ、たぶんそうでないと、すぐさぼるモードで動くのだろう。

一応、メタな能力も確かめよう。

前の回答と今の回答の違いは何か?

前の回答と今回の回答の違いは、言語が人間の認知能力の反映として立ち上がったものである点をより強調し、具体的な認知能力(カテゴリー化、類推、参照関係、図と地、モノ化)に言及していることにあります。今回の回答では、これらの認知能力が言語の基盤となっており、それによって私たちは世界をカテゴリー分けし、メタファーやメトニミーを用いて多様な意味を構築し、豊かな精神世界を形成すると述べています。また、言語的・認知的プロセスが固定化されたり偏ったりすると、進歩や不足感といったバイアスが生じ、精神的な問題を引き起こす可能性があることも指摘しています。さらに、言語を通じて世界を「切り取り」理解する過程が、認知能力に基づくシステムとして機能し、ネガティブフィードバックやポジティブフィードバックを含めて個人の認知システムに組み込まれていく仕組みを強調しています。つまり、前の回答よりも「2.認知能力の反映としての言語」の内容を踏まえ、具体的な認知能力とその言語への反映が内部世界や精神世界の形成にどのように関与するかを詳しく説明しています。

o1-preview on HuggingFace,2024.9

最初から、そうしてほしいもんだ。

もともとの質問

以下の課題設定について、参考資料を参考にしつつ、1つのパラグラフで回答できるか? #課題設定 さらに、少し深堀りして、仮に、身体と世界との相互作用を通じて、自分の中で「内部の世界」が形作られ、そのとき、言葉の役割が大きいのであるとすると。では、いったん言葉で切り取られて構築された、内部世界が、どのような要因により豊かな精神世界を構築してゆくのか?、また逆に、どのような要因により、例えば何らかの偏り(例えば進歩とか、上昇とか、不足とか)が生じ、困ったことになるのか?、世界を言葉で切り取り分るってのは、どうしてそれが腹落ちあるいは定着するのか、そして前出、ネガティブフィードバック、ポジティブフィードバックを含めて、ひとつのシステムの仕組みとして明らかにしたい。 #参考資料 15章 まとめ 認知言語学は、認知と言語の関係について、<認知システムとしての言語>と<認知能力の反映としての言語>という2つの考え方に立つ。本章ではこれらの認知言語学の基調をなす言語観を振り返り、まとめる。 15章イントロより 1.認知システムとしての言語 現前のものが<意味>として立ち現れる際、その立ち現れにはふつうことばが伴う。「<意味>として立ち現れることを可能にする心の動き」を「認知」と呼ぶなら、人間の場合、言語が認知システムの一翼を担っていると言える。この認知システムの一翼としての言語が、形態素から文レベルまで、様々な記号から成り立つことを本書では見てきた。ここで「記号」とは、形と意味の慣習的な結びつきを指す。さて、この記号の体系としての言語は、次の図ように、抽象度と複合度の2つの軸で記述することができる。 図1 記号の体系としての言語 縦軸は、抽象度。上に行くほど記号の意味および音形が抽象的になる。横軸は記号の複合度。右へいくほど、複合度が高まる。伝統的に「語彙」と「文法」と呼ばれてきたものは。縦軸の抽象度によって区別され、上半分が文法、下半分が語彙に相当する。 語彙のうち、右の部分が形態素に相当。形態素は意味を持つ最小単位であり複合度はゼロ。形態素が組み合わさって複合度が増したのが、複合語彙項目である。これは catsのような2つ以上の形態素からなる語や、cat-loverのような複合語、コロケーション、イデオム、ことわざ、引用句、常套句などが含まれる。 文法は語彙から立ち上がる、「文法マーカー」は普通の形態素に比べ、抽象的な意味を表すことから、形態素の上の部分に位置づけられる。さらに形態素および文法マーカーの意味を抽象・一般化して得られるのが「品詞」である。文法マーカーの音形が具体的であるのに対し、品詞の音形は非特定的で抽象的なので、図では、文法マーカーの上に位置づけている。 図で点線で分けられている領域は、領域が明確に二分できないことを表している。とりわけ重要なのは、語彙と文法は峻別できないと考えられる点である。同様に、複合語彙項目と構文の間も明確には二分できない。Gimme a break!は、慣用表現なので複合語彙項目に、SVOOが構文に属するとすると、Give me Oや give O Oは両社の中間に位置する。12章で取り上げた文法化は、語彙から文法が立ち会がある漸進的な発達であり、語彙と文法が記号としての性格を共有し、連続した存在であることの証左となる現象である。 図1のような記号の体系は、言語共同体において長い時間をかけて培われ、共有されてきたものである。自分が帰属する言語共同体の慣習的な捉え方が刻印された記号の体系を身に着けることによって、私たちは(外界の事物であろうと、内界の”思い”であろうと)世界を<意味>としてとらえる認知の営みに携わることが可能となる。その一方、このことは、認知が自分が属する言語共同体の言語によって(ある程度)枠をはめられるということも含意する。 2.認知能力の反映としての言語 1章でふれたように、言語が人間にもともと備わってきた認知能力を基盤にして立ち上がったと考えると説明が付く。 (1)カテゴリー化 (2)捉え方 (3)類推 (4)参照関係 (5)図と地 (6)モノ化 (1)の「カテゴリー化」は、第2章で述べたように、もっとも重要な認知能力の1つである。人間の場合、世界をカテゴリーに分けることは、同時に、言語をカテゴリーに分けることである。その結果、言語のあらゆる側面にカテゴリーを見出すことができる。たとえば、Aさんが「あ、あ、あ」と3回「あ」を発音すると、同じ「あ」としてまとめられる。意味についても同様で、第7章では、多義語の意味同士が、メタファー、メトニミー、シネクドキーなどによって結ばれ、カテゴリーをなすことをみた。また第10章、11章では、品詞(名詞、他動詞)、文法関係(主語)がプロトタイプを備えたカテゴリーをなすことをみた。さらに文法(構文)がカテゴリーとしてまとめられるプロセスについて9章1節でみた。 (2)の「類推」は、第4章でみた通り、メタファーの基盤となっている。一方、(4)の「参照点関係」ーきわだった参照点から目標への注意の焦点を移行する能力ーーは第5章で取り上げたメトニミーの基盤になっている。比喩のもう一つのシネクドキーは、カテゴリーの上限関係に基づくもので、(1)のカテゴリー化が基盤にあると言える。こうした認知能力を基盤にしたメタファー、メトミニー、シネクドキーが意味変化(第6章)、多義語(第7章)、さらには文法化(第12章)といった現象の根底にあることについてもみた。 (5)の「図と地」については、第10章で主語の認知的基盤となっていることをみた、また、(6)の「モノ化」は、第10章でみた通り、名詞という品詞の認知的基盤になっている。 このように言語の在り方を、人間にもともと備わっている感覚、誓うk、注意、記憶、推論などの認知能力の観点から説明

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