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探求ノート:LLMと人が共に学ぶにはー認知科学の視点からー(その1)

はじめに

今井むつみ先生の新刊「学力喪失」の読書ノートの読書メモを起点として、これを、LLM時代の学びやLLMの使いこなしに生かせないかを考察する。

最後に、Claude 3.5 Sonnetさんに探求に答えてもらったが、いや、それでいいかも。。


まず、その起点となる認知科学を生かした学びについて、「学力喪失」の読書メモから、図におこしてみた。

読書メモをまとめた図

読書ノートでまとめた内容を、図(drawioで作成)としてまとめてみた。

「学力喪失」読書メモより

図だとよくわからないので、出たばっかりのGemini 1.5 Pro 002さんに、図(SVG形式、接続関係がわかりやすいから)から解説を作ってもらった。数回やり取りした後の出力。

「学力喪失」は、真の学力とは知識の量ではなく、思考の質、特に新たな知識を創造し、誤りを修正する力だと提唱する。私たちは、眼前の事象を理解する際、無意識に過去の経験や知識を想起し、それをスキーマとして適用する。このスキーマは、文脈の行間を埋め、既存の知識を拡張し、推論や情報統合を促進することで理解を深めるが、想起したスキーマが誤っていれば、理解も歪んでしまう。この認知プロセスは常に認知負荷を伴い、負荷が高すぎると理解が阻害される。そこで、知識を適切に活用し問題解決を図る思考力が重要となる。思考力の中核を成すのが、「アブダクション推論」と「メタ認知能力」である。アブダクション推論とは、異なる分野の知識や比喩・類推を駆使して新たな知識を創造する推論であり、メタ認知能力とは、自身の思考プロセスを客観的に評価し、誤った知識や推論を修正する能力である。メタ認知能力は、直感的なシステム1思考と論理的なシステム2思考の両方に影響を与え、特に「メタな能力」―自身の問題解決能力を向上させるための能力―を支えることで、視点の変更を促し、批判的思考(システム2思考)を活性化させる。つまり、本書は、知識を詰め込むだけでなく、アブダクション推論によって知識を創造し、メタ認知によってその知識の質を高めていく、能動的な学習の重要性を訴えていると言える。

Gemini 1.5 pro 002

いや~、まったく、すごいもんですな~。なんで図からそこまでわかる?

探求課題

探求課題は、タイトルにあるとおり、「LLMと人が共に学ぶにはー認知科学の視点からー」ということであり、2つの視点がある

視点1

LLMが高度化して人間と変わらないような振る舞いをするならば、この「学力喪失」に書いてあるような、学習における認知能力の働きというのも、LLMにとっても有効であろう。例えばLLMとのやり取りの中で、誤った(あるいは、適切ではない)スキーマが想起されて望まない理解がされているようならば、その誤ったスキーマを修正する必要がある。

問題解決において、アブダクション能力により「異なる分野を組み合わせたり、比喩や類推を用いてあたらな知識を創造する推論」を発揮してもらい、メタ認知能力により「思考を振り返り、知識の誤りを修正する」ことを繰り返しながら、課題の理解や問題解決ができる。それをガイドする必要がある。

これらを、人間はプロンプトを通じた指示やフィードバックを通じて、LLMの振る舞いを制御する必要がある。このプロンプトにはどのようなものがあるかというのが第1の視点。

視点2

LLMを使うときに、じつは使う人間側の変化が必要だというのは、解像度のnoteで明らかになった。それと同じことが、認知能力に基づく人間とLLMとの間の相互作用・協調でもあるのではないかというのが第2の視点。

LLMとのやり取りを通じて、何らかの気づきを得て、それを前出のアブダクション能力とかメタ認知能力に生かし、人間側の理解が深まり、よりよい方向に向かってゆく。そのために必要な、心構えとか、考え方とか、認知の観点から変わるべきところとか。

解のイメージ

解のイメージとしては、解像度が大切といったノートのように、この認知科学アプローチの特徴と、プロンプトテクニックの対応表になる。プロンプトテクニックに加えて、人間側の考えとか心構えとか変わるべき点をまとめたもの。

LLMに試行させてみた

まあ、無駄だと思うけど、この探求課題をちょっと解いてもらった。

以下の、探求課題に対して、参考資料を参考に、解の案を考えられるか?

入力プロンプト

Claude 3.5 Sonnetさんの解題

はい、ご提示いただいた探求課題に対して、参考資料を基に解の案を考えてみましょう。LLMと人間が共に学ぶための認知科学的アプローチについて、プロンプトテクニックと人間側の心構えや変化をまとめた対応表を作成します。

認知科学の知見とプロンプトテクニックの表

この表は、LLMと人間が共に学ぶための認知科学的アプローチと、それに対応するプロンプトテクニック、そして人間側の心構えや変化をまとめたものです。以下、この表の内容について補足説明します:

  1. スキーマの修正
    LLMとのやり取りで誤ったスキーマが想起された場合、それを指摘し修正するプロンプトが重要です。人間側も自身の理解を常に疑う姿勢が必要です。

  2. アブダクション推論の促進
    LLMに異分野の知識を組み合わせたり、比喩を用いた説明を求めることで、新たな知識の創造を促します。人間も多様な知識を学び、柔軟な思考を養うことが大切です。

  3. メタ認知能力の活用
    LLMに思考プロセスの説明や自己評価を求めるプロンプトを使用し、人間も自身の思考を意識的に観察することで、理解を深めます。

  4. 認知負荷の管理
    複雑な問題を段階的に解決するようLLMに指示し、人間も問題を適切に分割して取り組むことで、効果的な学習が可能になります。

  5. システム1思考とシステム2思考の調和
    LLMに直感的な回答と論理的な説明の両方を求め、人間も直感と論理を意識的に活用することで、より深い理解が得られます。

  6. 能動的学習の促進
    明確な学習目標を設定し、LLMとの対話を通じて知識の応用力を高めることが重要です。

  7. 批判的思考の活性化
    LLMに反論や異なる見解の提示を求め、人間もLLMの回答に対して常に「なぜ」を問う姿勢を持つことで、批判的思考力が養われます。

  8. 知識の創造と質の向上
    LLMとの対話を通じて新たな発想を得たり、既存の知識を組み合わせた問題解決を行うことで、より深い理解と知識の質の向上が図れます。

この表を活用することで、LLMと人間が互いの強みを生かしながら、より効果的に学習を進めることができるでしょう。人間は、LLMをただの情報源としてではなく、共に学び、成長するパートナーとして捉えることが重要です。同時に、LLMの限界を理解し、批判的に評価する姿勢も忘れてはいけません。

この認知科学的アプローチに基づく学習方法は、従来の暗記中心の学習から、より創造的で深い理解を促す学習へと転換するための重要なステップとなるでしょう。

具体的なプロンプトテクニック

あれ?求めていたものは、これだったのかもしれない。
めげずに、ついでに、Claude 3.5 Sonnetさんに、それぞれのプロンプトテクニックを具体的に、例示してもらった。

プロンプトの具体例の表1
プロンプトの具体例の表2

感想

いや、これで、十分ではないか。。いや人間のすることはない。。本当はこのプロンプトテクニックを使って、さらにClaude 3.5 Sonnetさんと共に探求するべきなんだろうけど。なんか疲れてしまった。今日はここまで。

追記1

いや、読書ノートの以下の箇所は明らかになってない、まだ探求は続く。

これに加えて、解像度だけでなく、批判的思考(自分の思考過程を他社視点で振り返ることができる思考)、すなわちメタ認知を駆使して、「文脈に合わせて柔軟に視点を変える能力」によって思考の連鎖を制御し、かつ自分自身の気づきも獲得してゆくという、そういう使い方が、本当の意味でのLLMとの付き合い方たになるのではないだろうか。

読書ノートより

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