楡野卯月

小説、日々のエッセイを綴っていきたいと思っています。2022年2月に書き始めたばかりの…

楡野卯月

小説、日々のエッセイを綴っていきたいと思っています。2022年2月に書き始めたばかりの新入りです。 どうぞ宜しくお願い致します!! 一昨年航空業界を退職し、現在は会社員兼ネコイラストレーターとして活動してます。

最近の記事

私が出逢った2匹の仔猫(2)

朝6時前。 ミャーミャー2匹のか細い鳴き声で起こされ、まず仔猫にミルクをあげる。 4月とはいえまだ明け方は肌寒く、仔猫達はヒーターのそばでじっと丸まっていた。 朝起きて顔も洗わず、起きてまず一番に誰かの為に何かをするって、考えたらこれまでなかった気がする。 仔猫を置いて仕事へ出掛けるのはかなり不安だったが仕方ない。 とはいえ、初日はもう仕事が手につかずうわの空。 定時きっかりに退社した後は電車に飛び乗り最寄り駅から自宅まで猛スピードで全力疾走。不安な気持ちを抱えながら部屋の

    • 私が出逢った2匹の仔猫

      今からちょうど20年前。 打ち合わせが終わり神田駅へ向かう途中のスタバに人だかりができていた。 「?? 何事だろう??」 覗き込んでみるとスタバの店員さんが手のひらにすっぽり収まる位小さな仔猫を抱っこしていた。 「!!!! かわいい!!」 しばらくその小さな仔猫を見つめていたが、会社に戻らなくちゃ、とまた歩き出した。 しばらく歩いたところで赤信号。 どうしよう… 駅まであとわずかだが、やっぱりどうしても気になって走って引き返した。 「すみません、抱っこさせて下さい」

      • カルボナーラの日々

        夫の帰りが遅い夜はホッとする。 私という人間は心底一人の時間が好きなのだと気付いたのは結婚した後だった。 「ごめん、今日は残業で遅くなる」そんなLINEが入ったのは、新宿の会社を出ていつものようにまっすぐ小田急線へと向かっていた時だった。すぐさま山手線へと向かい、原宿で降りると結婚前に勤務していた職場近くにある隠れ家的喫茶店へと急いだ。 ビル・エヴァンスが小さいボリュームで流れる店内は居心地良く、紅茶色した薄めのアメリカンコーヒーをゆっくり口に運びながらただひたすらぼん

      私が出逢った2匹の仔猫(2)