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page 3 Story of 永遠






         へぇ…

 角を曲がった先は まるで別世界だった。


桜並木が縁取った坂道が丁度上の方までなだらかに続いている。


あの坂から見下ろした街の風景って一体どんな雰囲気なんだろう… 


そんなただの思い付きから俺は坂を上ってみる事にした。


調度今日は久しぶりのオフで 特に予定も無い。
コンビニの袋からミネラルウォーターが瑞々しくトプンと音をたてる。


   この坂道は、見た目よりキツイな。


 
所で俺、何でこんなに頑張ってこの坂を上ってるんだっけ…なんて自分に苦笑しながら道々に散った桜が雨に濡れてる様子に目をやった。


  頂上に辿り着く直前で、ふと小さな鈴の音


          チリン

         猫…か?


  じっとこちらを見ている視線を感じる。

  猫はどれくらいじっとしてだんだろう。

 こっちを見ていた猫は急にスルリと身を翻した。

まるで「ついておいで」と言うようにピンと立た尻尾をくねらせて少し前を歩く。


まるで不思議の国のアリスが白い兎に誘われたように俺は 不思議な猫について行く事にした。

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