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page 24 Story of 永遠 8/11




美月「人との出会いも
結局は意味の有る偶然の一致の結果というか…」



永遠「意味の有る偶然の一致ですか。
ええと…聞いたことある。
それはたしか …カール・ユングの説で
シンクロニシティ…?」



以前に歌の作詞で“シンクロ”というワードを使いたくてその時に知った。


美月「すごい!さすがですね!
カール・ユングを知っているなんて!
中々知らないと思います。
姉に話すと物凄く笑われて…シンクロオタクとかって」



永遠「はははっシンクロオタク!
でも俺は解りますよ。
運命論とかとはまた違うんだけど
何かにつき動かされているというか… 
自分一人の力ではどうにもならない流れって
やっぱり有るだろうな…って、
実際先生に引き寄せられて 俺は今ここに居るんだと思うし…」




         あ・・・



俺今、色んな意味で受け止められる言葉を使ってしまった。
さてどうしようか…
反応が読めなくて取りあえず味噌汁に口をつけた。



美月「嬉しい!
それって榊さんが音楽教師の役柄で、
近所のピアノ教室を引き寄せたっていうお話ですよね!」



あ・・・、

そう受け取る感じ?
そうとも言うし、それ以上ともいう。
まぁどっちだっていいけど。




ごくりと喉を通った味噌汁が慌てて流れて行くのを感じながら、前に座っている抜けてるのか しっかりしてるのか解らない彼女を見ながら少し笑った。


『うちのご主人様は一筋縄では行きませんよ』



食事が終わって顔を丁寧に洗うキンピラは
お得意の流し目でチラリとこちらを見て、チェシャ猫のように口元をニヤリとさせた気がした。



美月「このお花…有難うございました。
何だか気を使わせてしまって…でも嬉しい」


  玄関に飾った花から甘い香りが漂う。


永遠「先生、
どんな理由があってもレッスン以外で男の人を安易に部屋に入れない方がいいですからね?」


美月「えっ…?」


永遠「まぁ俺はいいとしても…」


美月「榊さん、
私をいくつだと思ってるんですか」


くすくす笑う彼女は、からかわないで下さいよと言いながらジャケットを手渡してくれた。


    いや…1つ違いでしょ?


マネージャーとの契約の時に履歴書の生年月日の欄にはそう記載していた。

先生の方こそ俺をいくつだと思っているのかあやしい所だと思う。



花の薫りと笑顔と彼女の面影を車に乗せて星空の下を駆け抜けて行く。


貴方が安心を望むなら、今はまだ可愛い生徒のポジションからはみ出さないでいよう。



       今はまだ…ね。


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お読み頂きありがとうございます♪
つづきはまた明日8/12に👋ではまた♡

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