page 79 Story of 美月 9/15
美月「けど、晃社長!…って、
これからそうお呼びしていいですか?」
満月の夜、answerの5人目のメンバーにならないかと、わざわざ社長さんが来てくれるなんて…想像もつかない展開になった。
晃 「いいに決まってるじゃない!で、何かしら美月ちゃん」
美月「私の意向を聞いてくれたのは有り難いけどanswerの皆さんの気持ちは、どうなんでしょう…」
生き生きとした瞳に笑みを浮かべた晃社長はテーブルに置いていた携帯を手に取った。
お着物の柄がキャンドルに反射する。
晃 「おーーい、ねぇ、皆んな聞いてたでしょ?良かったね。美月ちゃんOKだって!」
晃社長は携帯電話に向かってそう言った。
美月「え?」
晃「さっき、グループ通話繋いだの♡ほら、私、せっかちだから、まどろっこしいのが苦手なのよね〜♡」
美月「携帯の着信音を切るからって言ったのに、時々音が鳴って、おかしいなと思って…」
晃社長は「また下手なウソついちゃった」と子供みたいな笑顔で笑ってから、携帯に向かって「黙ってないで何か言いなさいよ、みんな嬉しいくせに!」と、言葉を投げた。
凪 「社長、マ・ジ・で 、ウソ下手すぎ!」
奏多「けどまぁ、社長の嘘で色々結果オーライ」
了 「美月ちゃん、来月、星空カフェ行くんで宜しく!」
永遠「美月ちゃん……、answerへようこそ」
奏多「うん。本当そう。ようこそ」
4人分の「よろしく」がハーモニーみたいに聞こえて胸がいっぱいになった。満月の日にこんなサプライズが有っていいのかなって、幸せが溢れて止まらない。
美月「どうしよう…、私、生きてて良かった」
晃 「な〜に言ってんの!お楽しみはこれからでしょ!まだ船出したばっかり。これからいざ出陣!」
騒がしい程の幸せな笑い声が飛び交って、懐かし暖かさが、じんわり胸に戻って来た。
今までが孤独だったなんてそんな風には思わないけど、このワクワクする気持ちは、一体いつから忘れていたんだろう。
私の空は今、快晴のブルーの色に澄み切った。
これから色々な事が有るかもしれないし、暗闇や曇り空も、後悔も…もしかしたら有るかもしれない。私が決めた私の世界を私の足で歩くってそう決めた満月の日を、ずっと忘れない。
晃「みんな、忙しい中ありがとう。ここからは美月ちゃんと、二人で話す事が有るから通話を切るよ」
奏多「美月ちゃーん、社長が怖かったらいつでも話聞くからね。服はド派手だけど、案外優しいから」
晃「うるさいよ!“案外”は余計よ!
今度、歓迎会でも開きましょう。じゃ〜ね♡」
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