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ワーグナーのオペラを漫画で。ニーベルンゲンの指輪,ローエングリン,トリスタンとイゾルデ,パルジファル

ニーベルングの指環
トリスタンとイゾルデ
ローエングリン
パルジファル

なんかカッコイイ

これってたまに聞きますよね。

これらはワーグナーのオペラの題目なんです。

ニーベルングの指環』は、さらに、(Wikipediaより)

  • 序夜 『ラインの黄金』(Das Rheingold):2時間40分

  • 第1日 『ワルキューレ』(Die Walküre):3時間50分

  • 第2日 『ジークフリート』(Siegfried):4時間

  • 第3日 『神々の黄昏』(Götterdämmerung):4時間30分

と、それぞれどこか聞いたことがある名詞ばかり。なんと4日に分かれているのも驚き、しかも各日の演奏時間も長いです。ともかく長大です。『ニーベルングの指環』=長大さを覚えておいてください。後で使います。

ヴィルヘルム・リヒャルト・ワーグナー(Wikipedia)さん(1813年 - 1883年)は、作曲家でもあり、オペラの原作もされています。もちろん自分が作った作品は自分が指揮しますので、指揮者でもあります。思想家としても有名で、ニーチェと親交があったことでも知られています。この2人は後に絶縁状態になります。

ドイツにバイロイト祝祭劇場(Wikipedia)という有名なオペラハウスがあります。このオペラハウスは上述の長大なオペラ『ニーベルングの指環』を公演するために建設されました。もちろん個人資金では足りませんので、時の皇帝ルートヴィヒ2世の援助を受けています。お金を出して会場まで作らせたにもかかわらず、『ニーベルングの指環』がなかなか完成せず、ルートヴィヒ2世から「まだか?」とたびたび催促され、「できたところだけでも上演するように」と言われる始末でした。いまでもバイロイト祝祭劇場は由緒あるオペラハウスとして健在です。毎年夏に開催されるバイロイト音楽祭(Wikipedia)も有名です。いつか行ってみたい。

脱線。第二次世界大戦中、バイロイトのあるドイツではもちろん音楽祭どころではありませんでした。戦後、初めて開催されたバイロイト音楽祭で、ベートーヴェンの交響曲第9番が演奏されました。これは、戦後を意味する記念碑的な演奏会であり、またこの時の演奏も歴史的名演とされています。「フルトヴェングラー指揮、バイロイト祝祭管弦楽団、バイロイト祝祭合唱団の第九」です。あまりに有名なこの演奏は、CDに一枚で収録できるように、その演奏時間である74分がCDの最大容量として決められたとも言われています。

さて戻ります。ワーグナーのオペラ、名前は聞いたことがあるけれど、内容を知らない、という方は多いはずです。オペラはチケット代が高く、公演の機会も少ないです。あれもこれもと観れるチャンスがありません。わたしはワーグナーオペラを見たことがありません。ワーグナーの作品は小説化されておらず、読む機会がありません。

でも、あるんですね~。漫画家 里中満智子さんが、オペラの漫画をいくつか書いてくださっています。ありがたい。

『ニーベルングの指環』に関しても、里中満智子さんが書かれています。

ところが、この里中版『ニーベルングの指環』、イマイチなんです。

なぜなら、『ニーベルングの指環』は上記のように公演時間が長く、それに応じて内容も長いです。もともと『ニーベルングの指環』のストーリーは、込み入っており、それを無理に2巻へ押し込めると、関係性や情緒の流れがよくわからなくなってしまいます。里中版『ニーベルングの指環』は慌ただしく進み、あまり感動を覚えずに終わります。2巻構成は無理な企画だったのではないでしょうか。

しかし、それでも『ニーベルングの指環』が分かるマンガは、ちゃんとあります!

あずみ 椋さんの『ニーベルングの指環』です。
あずみ 椋さんは、失礼ながら、それほど名の知れ渡った漫画家さんではありません。しかし、この作品は、『ニーベルングの指環』の内容を確認できるだけでなく、マンガとして非常に良くできています。里中版のオペラマンガは、オペラをマンガで予習できる意味では有用ですが、マンガとして面白いかといわれれば答えにくいです。あずみ 椋さんの『ニーベルングの指環』は、あずみ 椋さんの代表作と言ってもいいくらいに作り込まれています。オペラは、劇なので、ストーリー展開や心理的な流れに、脈絡の無さがあります。『ニーベルングの指環』でも、不思議であり、矛盾に感じる箇所が多くあります。あずみ 椋さんは、こういったオペラの即興的な脈絡なさを、マンガらしい表現にうまく翻訳しています。絵柄も『ニーベルングの指環』という神話っぽさに相応しい神々しさと美しさがあります。『ニーベルングの指環』が読みたい方は、あずみ 椋さんの作品をオススメします。

『パルジファル』は残念ながらマンガ媒体ではありません。

こちらで読むしかありません。

最後に

『神々の黄昏』と聞くと、どこかカッコいい。意味を考えると、神々の時代が終わり始めた、です。言い換えれば「神々の斜陽」です。人は「セカイノオワリ」など、終わりの言葉に、どこか惹かれるのでしょうか。

ワーグナーのオペラを見たり・聞く機会はなかなかないかもしれません。オペラの序曲や前奏曲は、比較的短く、お手軽に聴けて、感動する曲がたくさんあります。「ワルキューレの騎行」や「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲は有名ですよね。

「マイスタージンガーの前奏曲」を聴きたいなと思ったので、ついでに、勢いで書いてみました。貼り付けた「カール・ベーム指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」の演奏は名演ですね。

映画「トリスタンとイゾルデ」(2006)が、IMDbスコア6.8と、いいみたいですね。後で知りました。製作総指揮がリドリー・スコット(「エイリアン」、「グラディエーター」などの監督として知られる)です。これは見ないといけません。


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