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2019 音楽を弾きながら唸る会

 ときどき曲を弾きながら唸り声をあげるプレーヤーがいらっしゃいます。今回はそんな特集です。

https://www.youtube.com/watch?v=NvtoaHaG6ao

グレン・グールド

 鉄板なところから入りますが、クラシックの有名な天才ピアニストです。
 練習をしない、楽譜をカメラ記憶できる、スタジオ録音にこだわるなど、非凡なエピソードに事欠かない方ですが、録音中に唸り声をあげることでも有名ではないでしょうか。
 代表曲はバッハの『ゴルトベルク変奏曲』。『羊たちの沈黙』でハンニバル・レクター博士が愛好していた曲です。有栖川有栖さんの小説にも出て来ますね。

https://www.youtube.com/watch?v=C6tIzxmPCQE
 
キース・ジャレット

 リリカルなジャズのピアニストですがクラシックのCD も出しています。グレン・グールドとふたりでバッハを弾きながら唸る会会員でもあります。
 繊細で美しい即興演奏のなかに響く唸り声。代表曲はたくさんあるのですが、私は、ほどよく力の抜けたアルバム『メロディ・アット・ナイト・ウィズ・ユー』が好きです。

https://www.youtube.com/watch?v=_YKLYC-PKj8

バド・パウエル

 ジャズの世界では最高峰のビバップのピアニスト。キース・ジャレットより前の人です。
 精神障害で電気ショック治療を受けたり、麻薬やアルコール中毒であったりと波乱の人生を送った方ですが、体感的にすさまじいスピードの鬼気迫る演奏が素晴らしいです。が、私が好きなのは、なぜか日本人がこよなく愛する後期の作品、「クレオパトラの夢」です。

https://www.youtube.com/watch?v=ojtuDUbRoxI

セロニアス・モンク

 聞き慣れると一発でモンクの演奏だとわかる、独特でねじくれ曲がった音を出すジャズのピアニストです。バドのパイセン。
 純粋で奇行の多い、伝説に彩られたピアニストです。あまりにも個性的な音であるがゆえに、ジャズトランペットの帝王マイルス・デイヴィスに「俺が吹いているときに音を出すんじゃねえ(意訳)」と言われたというエピソードが大好きです。

https://www.youtube.com/watch?v=P_tAU3GM9XI

エロール・ガーナー

 「ミスティ」が好きで聞き始めた、きらびやかな音を出すジャズのピアニストです。
 私がジャズ好きでクラシックに疎いので、どうしても人選がジャズに偏りがちですね。なぜジャズのピアニストは唸る人が多いのか、不思議で仕方がありません。

https://www.youtube.com/watch?v=1ypoE5YB8hc

オスカー・ピーターソン

 わかりやすくスイングするジャズピアニストの王様です。わかりやすく天才なのがこの方で、わかりにくく天才なのがバド・パウエルです。たぶん。
 好きなのは代表曲ですが、「酒とバラの日々」ですね。

https://www.youtube.com/watch?v=oeu3NR9Alx4
 
ジェレミー・スタイグ

 情熱的でソウルフルなジャズのフルート奏者です。フルートを吹いていてなぜ唸るのかと疑問に思うのですが、曲が盛り上がると興奮のあまりフルートの音とともに魂の叫びが出るようです。
 好き曲はビル・エヴァンスとの共演「スパルタカス 愛のテーマ」です。

https://www.youtube.com/watch?v=iD6k2E61ABY

ジム・ホール

 静謐で美しいジャズのギタリスト。静かななかに情熱を秘めた曲調なのですが、この方も唸っているように私には聞こえます。
 好き曲は大ヒットした『アランフェス協奏曲』。天から花びらの降るような素敵な曲です。

おまけ

https://www.youtube.com/watch?v=ZB6GkA54n_Q

『直立猿人』  チャールズ・ミンガス

 演奏している本人たちは極めて真面目なのだと思いますが、猿人の「キヒャー」とか「キャヒー」とかいう不穏な叫び声を楽器で忠実に再現したアルバムです。好き。


 そんなわけで音楽を弾きながら唸るメンバーをご紹介しました。
 音を奏でながらなぜ唸るのかと疑問に思うのですが、

 音の確認
 魂の叫び
 力みすぎ

 などが主な原因であるようです。

 今回はここまでです。お付き合いありがとうございます。

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