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自分の居場所は、逃げた先に待っている。 〜地域の学校Vol.11

今回は、10月に実施した回の記録です。

個人的なことですが、10月頃から今に渡るまで、私は大きな転機が訪れていると感じています。この回の記録を書くことは、自分の課題と向き合うこととイコールになっていて、すごく向き合うのが億劫になっていたんです。
どうしても筆が進まず、文章化するまでに何と2ヶ月も空いてしまいました。

10月の私の話

この時の私は、とにかく疲れていました。

実は、実際に何について語ったか詳しいことはあまり覚えていないです。ただ、夏ぐらいからオンでもオフでもあまりうまくいかない時期が続き、自分に出来ることをずっと考え続けていました。

その結果、ここにきて楽しいと思うことややりたいことがなくなり、ご飯も美味しく感じられないくらい、ただただ疲れていきました。
その解決法もわからなくて、何となく不調を持ち続けたまま、過ごしていました。

その日も、ネガティブな気持ちを持ちつつも、感情的に話さないようにかなり気をつけていました。
私の感情が、誰かを嫌な気持ちにしたり、傷つけたりしてしまうのではないかと思ったからです。

現状があまりうまくいっていないことを淡々と語る私の話を聞いたあと、何か語ろうとした参加者のよしみさんは、何と、泣きだしてしまいました。そして私に向かって、辛かったね、と声をかけてくれました。

それをみて、私は初めて自分が悲しかったことに気づきました。
感情を出さないように気をつけていたら、自分がどう感じているのかも、気づかなくなっていたのかもしれません。

悲しい気持ちを感じないようにしながら、嬉しい気持ちだけ感じるのは無理だと、ゆっこさんはいいました。
感情には両面があって、片方を感じるためには、反対側の感情を無視してはいけないのだと。

それから私に、何か現状を変えるように行動しようとすることをやめて、「何もしない」ことを勧めてくれました。
つまり、逃げること。力を入れないこと。
気が向かないことを、無理やりやろうとしないこと。
そうしてできないことをいうと、いろんな方面から応援がくるからと。
それに、じっとしていても、自分が今できることを求めてくれている人がいる。
世の中うまくできている、と言葉をかけてくれました。

それでも私は、何もしないことを選ぶのは、自分が怠けるようで、心苦しさがありました。
でも、ゆっこの部屋にいる人たちの話を聞きながら、「自分の気持ちに正直でいることは、怠けることとは全く違う」という確信も持っていました。
むしろ、自分に正直でいることは、行動よりも大前提として大事だと。

学校の文化を伝える人

この日、「ゆっこの部屋」で話していたのは、文化の話でした。

新しく作った学校で、創立者の考え方に共感して子どもを入学させたのに、現場の先生が創立者と同じことを言えてないことを不満に思う保護者がいたり、イエナプランの学校だと聞いてきたのに、イエナプランに乗っ取っていない場面があるという保護者がいたりする、という話がありました。

でも、教育で大事なのはそこじゃないはずです。

コンセプトに完璧に沿うことよりも、失敗も含めてどうアクションするかの方が大切で、そのアクションを選べるのは、先生だけでなく保護者も同じなのです。
こうした、自分でアクションを選べる大人の仲間を増やしていかないといけないよね、と話しました。

学校を変えても、社会に受け皿がないと感じると、よしみさんはいいます。でも、この「ゆっこの部屋」では、類が友を呼ぶように、同じ考えの人が増えてきました。
また先日、教育哲学者の苫野一徳さんと伊那小学校校長の福田先生の対談を聞いてきたゆっこさんは、内容をシェアしてくれました。

伊那小では、時間割や通知表のない独自の教育を行う小学校として有名です。しかも公立なので、他の学校と同様に職員の入れ替わりがあります。職員が変わってもそのスタンスを保つ秘訣について、福田先生は「在籍している先生たちが新しい先生にもちゃんとスタンスを伝えていくので、校長先生が教えたことはない」と語ったといいます。

それを聞いたゆっこさんは、自分たちの考えを広めていくにあたり、力を入れなくていいんだと気づいたと教えてくれました。本当にいいと思ってくれた人たちは、ちゃんと広めてくれるはずだからと。

先生をしているふなさんは、学校においては「文化」が大切だといいます。
学校の先生は良くも悪くも文化に適応しようとするので、学校の文化が変化を受け入れない風であれば、変化を前提にした行動は取りにくいようです。

一方、保護者として学校に関わるよしみさんは、いい学校、開かれていると感じる学校は、基本的に対話がちゃんとできている、といいます。コミュニケーションがあれば、文化を伝えたり、良いと思う価値観を共有したりすることもでき、伊那小のように良い文化を継続していくことも出来るのかもしれません。

そのためにも、自分がどう感じているかをちゃんとわかっていることは、とても大事なことです。

自分にとって心地いい環境を選べると知っている人は、強い。

今いる環境でうまくいっていない人は、自分が居心地がいいと感じる方向へ、臨機応変に居場所を変えていくことで、より望む居場所に近づける可能性があるはずです。

この回から2ヶ月たった今、私もようやく自分の感情の変化に気づけるようになってきました。
ここから、次の一歩を踏み出す準備をしています。


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