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PTA本部役員の闇 80時間目 植草PTA会長編 「四年前の呪い」〜このお話はフィクションです〜

PTA本部の仕事をしていると、時々、四年前のPTA会長、植草会長の話になることがある。

このPTA本部の仕事が混沌としているのは、植草PTA会長が大きく関係しているというのだ。

愛はノートに、四年前の植草PTA会長からはじまったとされる問題、課題をまとめはじめた。

1. 書記が広報を受け持っている
• 本来、広報担当者を何人かおいて、行うべき広報業務を、書記が引き受けている。
→結果、書記の負担が増大し、本来の業務に支障が出ている。

2. 書記の仕事の範囲が不明瞭
• 書記の役割とは思えない仕事が書記に任されている。具体的な業務範囲が明確でないため、混乱が生じる。
→これは植草PTA会長の時の書記を担当していた人が優秀であったため、担当し受け持っていた仕事を次の年も「書記」の仕事、として引き継がれたためだそうだ。

3. 係の人が直接学校とやり取りできない
• 支部などの係の人が学校と直接連絡を取るべきところを、本部役員を通して話をするようになっている。
• 直接聞きたい事、言いたい内容がまた聞きになるため、連絡がスムーズにいかず、時間がかかる。
→植草会長はPTAの仕事を的確にこなしたり、決断したりはしなかったが、問題を聞くことをしたがった。言葉を選ばなけば、「問題に首をツッコミたい人」だった。そのため、PTAのことで学校や地域の区長、支部に連絡する前に、本部を通すという習慣がはじまった。

4. PTAを脱退した家庭の子どもに対する不利益な扱い
• ここは愛が1番気になったところだった。
植草PTA会長の代の卒業式で、生徒に目に見える形で不利益な扱いをしていたというのだ。

例年、卒業式ではPTAからとコサージュを渡していたが、PTAを脱退した家庭の子どもには、植草会長の判断で卒業式にコサージュを渡さなかったとして、父兄の中で「コサージュ事件」として語り継がれている。

 愛はこの話を聞いてショックを受けた。
PTAのP(ペアレンツ)やT(ティーチャー)でもない、卒業生を一人さらし者にする形を選んだのだ。

植草会長の時代は、プール掃除の手伝いに来なかった家庭の子供にプールを使わせなかったのだろうかと愛は疑問に思った。

5. 説明のつかない会計の不明点
• 四年前の会計で資金の使途が不透明で不明点が多い点

愛たちがここに気が付いた理由は、新型コロナウイルスが落ち着いた今、コロナ以前の活動を参考にする必要があった。前年度、前々年度までは中止になっている行事が多かったため、四年前までさかのぼって見る必要があった。


• 6. 校区内の草刈り問題の放置
四年前にPTA本部に相談された草刈り問題が棚上げにされ、結局、地域の家庭が困る状況が続いていた。この内容は後日詳細に報告する予定

しかし、該当地域の家庭はPTA本部に相談しても解決しなかったため、あきらめていた。

愛達はこれらの問題を「四年前の呪い」と呼ぶようになった。

7、個人的問題

愛と植草PTA会長とは、愛の上の子の時に関わりがあった。

愛の上の子どもが入っているスポーツ少年団のコーチの暴言、暴力がひどく、当時、愛はPTA会長である植草会長に相談した。

人当たりが良さそうで、裏表が無さそうな方だと当時は思っていた。

しかしその時の相談も棚上げにされ、さらにはコーチや監督に、愛が相談した事が筒抜けになってしまったのだ。

さらに、植草会長は、暴言、暴力コーチをかばい、別のコーチの話、責任であると、話を進めたたのだ、スポーツ少年団のチームは、PTA会長である植草の言葉を信じ、愛や上の子どもをかばってくれていた別のコーチが解任させられることとなった。 

愛と植草PTA会長の間にはそのような因縁があった。それだけに、植草会長の残した問題解決には一層、力が入るのだ。

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