Healthcare leadership

ILAバンクーバー大会のコンテンツでは今回はhealthcareを優先して参加するようにしました.特にユニークだったのはparamedicつまり日本ふうに言えば救急救命士のリーダーシップ研究です.縦の命令系統が強いのかと予想していたら,現場で何ができるかは免許の等級がモノを言うので,階級が下のものが特定の救急措置についてチームのなかで一番等級が高い免許をもっていれば即座にその人が命令・指示を出すようになるそうです.つまりペイグレードによるリーダーシップと,資格によるリーダーシップがあり,さらにどちらでもないリーダーシップもあるというぐあいです.これをleadership with title and without titleと表現していました.

ついでにparamedicの語源にも気付かされました.paraはパラシュートの略語で,medicは歩兵の分隊や小隊などのunitに付いている衛生兵のことですから,paramedicはパラシュートで現場に降りたつ衛生兵という意味になります.実際,1945年に第二次大戦が終わり,兵役に服していた大勢の衛生兵が実戦で経験を買われて救急車に乗り込むことが増えたのですが,衛生兵のようなファーストエイドではなくヨリ高度な措置をできるように訓練をほどこす需要が増えて今日の基礎ができたようなのです.そのparamedicにどういうリーダーシップが必要で,どういうリーダーシップ開発をほどこしたらいいのかというのが研究テーマでした.セッションに同席したベテランの看護師が「わたしたちとは全然ちがう文化なのね」と驚いていました.「文化」という表現がでてきたのは,「paramedicの文化は24時間7日間,sense of urgencyである」というプレゼンテーションがあったのに呼応したものです.

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