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久しぶりの肥後橋

先週、久しぶりに肥後橋に行きました。

ビルの改修のお手伝いから最終的には建て替えの相談までたどり着きながらも、結局私の目的であった建て替えのお手伝いは出来ませんでした。
でもいろんな方とお付き合いが出来ました。

もう無くなった旧ビルの社員食堂でよくコーヒーをご馳走になりました。
24時間稼働する会社です、夜勤明けの方が朝からビールを飲んでいたのをよく覚えています。
マスコミ特有の活気と仕事明けの気怠い雰囲気が混ざり合った空気が私の好みでした。

そしてその古いビルはもうきれいではありませんでした。
しかし、よく手入れされた調度品や高すぎない天井は私の好みでした。
ビルが出来上がった当時の、五十年も前の空気がずっと停滞して残っているように感じたのはその設計の力だと思いました。

サラリーマンが人生のかなりの時間を過ごす空間です。
男は自宅で過ごす時間よりも長くそこにいるでしょう。
だから機能が全てではないと思っていました。
建てられた時代の余裕であっり、上昇していく時代の空気が建物にいい遊びを残していました。

社員食堂から見える阪神高速はもっと間近にありました。
建て替えられた新しいビルの高層階のレストランから見下ろす阪神高速を眺めながら時の流れの早さを語りました。
良い景色だとは思いました。
でも旧ビルの食堂から見たあの素敵な景色ではありませんでした。

久しぶりにお会いしたその方は秋が来る前に会社を去られて第二の人生を歩みだすそうです。
またお会いする約束をして別れました。
次はその方が落ち着いた頃にレストランから見下ろした先の居酒屋あたりで労をねぎらいたいと思います。

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