見出し画像

夏はやっぱり熱いもの

近年の気象情報やニュースで聞く『危険な暑さ』という言葉がやけに耳に残る。

『命に関わる危険な暑さ』ということのようであるが、考えてみれば36度、37度は体温並みであり、時折聞く40度なんてのは夏場の風呂に入っているのと変わらない。

大変な日本となっている。

学生時代に行ったエジプトは陽射しの熱さは感じたがカラッとした暑さだったように記憶する。

ツアーの説明書に日焼け止めクリームが必要だとあったので生まれて初めて江古田の薬局で買った。

ベタベタが苦手で結局使わずボストンバッグの底で潰れてエジプト土産はクリームまみれとなった。

同じツアー客の広島から新婚旅行でやって来てたご主人はサンオイルを塗っていた。

真っ黒に日焼けしてカラカラと笑う豪快なご主人だった。

帰りに成田空港の寿司屋で腹一杯の握り寿司をご馳走になった。

エジプトより暑く感じるこの日本の暑さ、『心頭滅却すれば火もまた涼し』なんてのは嘘である。

暑いものは暑い、でいいと思う。

国土交通省の一部である気象庁がこの暑さを『災害』と表現するのであれば、その対策を行政はとらなければならないのではと思う。

しかし日本でバケーションやシエスタなんてのは不可能であろう。

絶えず働いている人間がいなければ我々の生活は成り立たないようになってしまっている。

私を含め日々の労働を欠かせば生活の成り立たない人間もたくさんいる。

個々で闘うしかないのである。

幸い私は暑さにも寒さにも強い。

用足しに近鉄八尾駅前まで熱風に吹かれ自転車で行った。

帰りにいつものうどん屋に寄る。

心なしか客は少ない。

私は熱い昆布うどん、周りを見渡しても熱いうどんを食べる人間は少なかった。

七味をたくさんふってこの暑さを飲み込むように喰った。

多少の汗はかくが、その後の清涼感がいい。

メリハリである。

うどんの出汁ほど暑い日が来れば熱いうどんはやめるかもしれないが、まだ当分そんな日は来ないだろう。

私は周りの白い目をものともせずに熱いうどんを食べ続けるだろう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?