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ある日曜日(2023.3.26)

昨日の大阪は朝の天気予報に反して夕方まで雨ふりだった。
朝仕事を終えて自宅に寄り、着替えて道着を持って合気道の稽古に向かった。空調の効くレンタルスタジオでの稽古であるが動けば汗をかく。いつもより汗をかく。かなり湿度が高いようだった。

阿倍野での稽古を終えて、また稽古、所属会の主席師範による稽古会が大阪市の体育館であった。大阪市の西側、安治川の河口あたり大阪港近くにある市立の体育館である。本来そこにはあり得ぬ緑を無理やり持ち込んだ公園の地下に体育館を埋め込んでいる。私はいつもここで稽古をする時には命懸けだなと思って行っている。大阪市と設計者の意図がよく分からない。「自然との調和」を謳い文句にしたのであろうが、地下の体育館建設には通常の建設工事よりも工事費はかかり、何よりも地震で津波でもやって来たらひとたまりもない。それもまた「自然との調和」と言えないこともないだろうが、一度に数百人の合気道人口が減ってしまうのである。そしてここもまた暑く、汗をかいた。いつもより人は少ない。100人ちょっとであろうか。春休みのため大学生が少なかったのであろう。久々に会う他道場の合気道仲間と情報交換をし、夕方稽古は終わった。

私の道場の若い子、と言っても40歳だが声をかけて連れて来たのでどこかに寄って晩飯を食って帰ることにした。地下鉄で移動した。海遊館から帰るインバウンドの家族連れや、春休みの若者たちがにぎやかな車内であった。徐々に普段の日常に戻っているなって感じだった。でもあのコロナの噂をとんと聞かなくなってしまった。調べると3月26日は大阪府内で339人の感染者が出たそうである。調べないと私の目にこの感染者数が入ってこないほどコロナの影が薄くなっている。たぶん私だけが気を抜いているのであろうから、ここであらためて気を引き締め生活していこうと思った。

久々に日曜日の京橋にやって来た。サラリーマン時代の多くの時間を費やした街である。当時よりもずいぶんきれいになってしまった。京阪京橋高架下にはスパイダーマンの人間マネキンがいた「スタチューって言うみたいですよ」と教えてもらった。「待っていたら動き出しますよ」とも聞いたが喉が渇いていたので先を急いだ。でも、ひょっとしたらそのまま壁でも登り始めたんじゃないかと思ったら後で残念な気もした。

日曜日の京橋はあまり知らないのだが、飲み屋を移動する人間の数はほとんどもとに戻っているのではなかろうか。サラリーマンの街である京橋は日曜定休が多い。私の行く店も休みであった。ずいぶん新しい店も増え、当たり外れがある。基本はチェーン店を敬遠すべきであろう。客の多い個人の立ち飲み屋に入ってみた。ビールを喉に流し込み、目の前のつまみを順番にもらうがどれも美味く、当たりの店であった。同伴の彼の仕事や家庭の話を聞き夜は更けていった。普段聞くことの無い彼の話、彼の考えなどを知れた。こんな時には合気道の話はしない。でも、こんな事も合気道なのかも知れない。
カレーの美味い店だった。

まだ早い時間に彼と別れた。
スパイダーマンも帰宅していた。
朝から晩まで合気道の一日であった。

カレーは日本酒に合います。


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