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私の好きなものと嫌いなもの

子どもの頃からUFOやオカルト、妖怪などの説明のし難い、よくわからないものが好きである。この世に起きる『超常現象』ってのが好きである。BSで『Xファイル』をよくみていた。そんな事ってあるかなぁ、でもあってもおかしくないなぁと思えるUFOやUMAやオカルトの事件をアメリカ連邦捜査官のモルダーとスカリーが追っていく。いかにもアメリカの娯楽番組らしい早いテンポで進むドラマが楽しみだった。ほぼ毎回の完結というのもよかった。自身が納得すればよく、誰が見ても答えは一つしか無いような終わり方をしなかったように記憶する。それがよかった。世の中は全てが説明のつくことばかりでは無いと思っていたから納得できた。1+1が2でも3でもありだと思っていた。子どもの頃みた円谷プロの『ウルトラQ』にもそんなところはあった。解決してくれるウルトラマンのようなヒーローはいない。解決するのは人間しかいない。解決無しなんてのもあったと思う。

しかし、そんなことは『あなたの知らない世界』のことであって実生活である社会の中にあるとは思わず、大学を卒業してサラリーマン生活を始めてずいぶんカルチャーショックを受けた。それは『超常現象』とは違う因習や慣習の世界であった。そして長いものには巻かれてしまう人間が多いことであった。多くの人が黒だと言えば白は黒、そればかりか赤と言えば赤にもなり得る。

ここではぼやけたことしか書かないが業種によっては法に触れるようなことも業務に入っていたりする。それで業界は成り立ち、各会社は潤うのである。しかし、それを経営者は知っていて指示していないと言う会社もある。法の解釈まで変えてしまう国まである。

談合という死語(と思う)がある。必要悪という言葉もある。官製談合と言う言葉もある。官製談合には種類がある。全てが官に席を置く一個人の利益のために行う官製談合ばかりではない。ルールのもと一社特命の発注が出来ず、しかし一社しかその仕事が出来ない場合や同じ価格でより良いものを作らねばならない使命だってある。より良い税金の使い方をするために業者を選択したい時もあるのである。そういう説明をすると悪い事ではないように思うが、違法なのである。そんな時の発注担当の勇気は並大抵ではないであろう。そんな人たちと仕事をした経験がある。ずっとずっと昔の話である。

私利私欲、我欲のためだけに動く人間が多いのはいつの世も同じなのかも知れない。それがいつまでも変わらないのは人間だからであろう。周りにいて違和感を感じながら我が身が可愛く何も言わぬならば、それも私利私欲、我欲であって、やはり人間、同じ穴のムジナなのである。

世を見渡せばそんな事は日常茶飯事、首長自らそんな事を公然と行う後退国も世界の中には見受けられる。
そして、なんともならぬ世を嘆きながら不平を言うだけの私も同じ穴のムジナなのである。そんな私を私は嫌いなのである。

艱難辛苦を物ともせずに真理を追求するモルダーを思い出さねばならず、暗雲が頭上スレスレまで来るような不安と絶望の中にも一筋の光明を見出したウルトラQにドキドキしていたあの日に戻らなければならないと思っている今日この頃である。

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