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菜の花畑に立ちておもう

また菜の花の季節がやって来ています。
兄がいる愛知県田原市の菜の花畑です。

この風景と出会うと与謝蕪村の

菜の花や月は東に日は西に

の句を思い出すのですが、時期が終わったらこの花はどうするのかなぁと、つまらぬ現実的な事しか考えられません。

しかし、傾いた夕刻の陽に照らされる菜の花畑はとても幻想的な風景です。
いつも時間に追われるだけで、なかなか出くわすことのない風景なのですが、運良く出会えるその時は兄にアクシデントのある時です。
ですから、実は運は良くなく、幻想を感じる気持ちの余裕はありません。

私はなんとなく菜の花は明るい陽の下で見るものだと思っていました。
真夏のヒマワリの黄色と同様で陽の下のこの黄色は力強く、元気を分けてもらえる黄色だと思っていました。

そして、密生していなくとも菜の花の黄色は単体であっても納得のいく力強い黄色です。

でもやはり、多勢に無勢です。
数が勝る美しさもあります。

唱歌の『朧月夜』

♪ 菜の花畠に入り日薄れ 見わたす山の端 霞ふかし

も美しい詩だなと思います。

夕刻の菜の花に誰もが心打たれるようです。
いつの日にか心に余裕を持って夕陽で色の変わっていく菜の花の中に立ってみたいです。
そして古人の体感した時間を感じてみたいです。

今とは違う時間が流れているかも知れません。


兄のいる愛知県田原市は菜の花が真っ盛りです。

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