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阿倍野の飲み屋でおもいだす

週初めから、明るい話題でなくてごめんなさい。
また世話になった方が天に召されました。

昨日は朝まで仕事、そのまま合気道の稽古のため阿倍野に向かった。
新しい会員さんを迎え稽古を終え、遅い昼の天王寺駅に向けて歩く道中に未登録の着信があった。
こんな時の未登録にいいことなどあるわけがない、電話に出ると「イセキの娘です」と世話になった大先輩のお嬢さんからだった。
飲み屋時代に一番世話になった大先輩のお嬢さんだった。

ああ、来たか、、

そんな感じだった。
前からガンだと聞いていた。
はじめは嘘だと思っていたが本当だった。
それでも毎晩私の店にも飲みに来てくれて、人の二倍も三倍も働くオヤジだった。

酒飲みのプロと自他ともに認められていた私は、カウンターの内では素人だった。
そんな私に一から多くを教えてくれた。
会社組織という、身を守ってくれるものの無い世界に一人飛び込み、「危なっかしくて見ちゃいられねえよ」、と言ってくれた人だった。

自身と身内を守り、困っている他人にもいつも目を向けることの出来る人だった。
とにかく、私には感謝の気持ちしかない。
この日が遠くないと思っていた私に悲しみの感情が湧き出てくることは無かった。
いずれ自身にも来ることである。
精一杯生きてきた先輩の訃報は私の区切りでもあり、悲しみよりも感謝の気持ちで満ちていた。

また来夏、そしてまたその次の夏、夏が来るたびに先輩を思い出すのだろう。
スーパーで水なすを見るたびに大先輩を思い出すのであろう。




今年の梅雨時に書いた記事です。
よろしければ、また読んでみてください。


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