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生きるためにやって来た仕事のはなし

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なかなか理想を仕事とすることは難しいもの、食べるため、生きるためにしてきた私のサラリーマン人生です
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#サラリーマン

ほたるのはなし

季節外れのはなしで申し訳ない。 暑い暑い夏の夜に飛び交う『蛍』のはなしである。 note の『傘わっしょい』さんの短歌が好きで、毎晩一首づつ読ませてもらっている。 その中にある昨年末の短歌が私の記憶の引き出しに手を掛けた。 短歌 壁ホタル 人感センサーライト センサーの狂ひし蛍のやうにしてわれはありなむたれからもひとり の『狂ひし蛍のやうにして』とセンサーを蛍に比喩されているのだが、たった一度だけのこと、それも生まれて初めてたくさんのホタルの群れに包まれたことを思い出

初秋の思い出

涼しさを通り越して肌寒い朝だった。 初秋を感じさせる乾いた空気は物悲しさとともに私の肌を通して昔あった様々を思い出させる。 ゼネコン時代に季節の良い秋の移動もあった。 9月1日の移動であったが引継ぎが出来ず二度目の京都営業所入りをしたのは10月に入っていた。 午前中に大阪支店で挨拶を済ませて昼一番に営業所に入った。 所内の挨拶もそこそこで直ぐに会議の席上に連れて行かれ、ひな壇の席を指定された。 これから着工の賃貸マンションの近隣対応の会議であった。 河原町四条、何が出て来る

酒を片手に考えた

ゼネコンの営業マンだった私は毎朝『日経新聞』を片手に満員電車に飛び乗って会社に向かう生活を送っていた。 普通のサラリーマンを辞めた今も日経が気になる、一年ほど前から電子版に変えたが、、 3月11日で東日本大震災から10年を迎える、日経がこれまで行われてきたインフラ整備の検証のような記事を書いていた。 これまで37兆円が投じられ、被災の中心となった岩手、宮城、福島三県での県内総生産は全国平均より高くなった。 まだ原発の大きな問題が残っているものの、インフラ的にはかなりの