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日々考えることのはなし

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毎日考える何か、何かが引き金になり考える何かを綴ってみました
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2021年1月の記事一覧

そして『昭和の匂い』

まだ私が子供の頃の話、白菜の美味しいこの寒い時期に昭和五年生まれの職業婦人であった母は時々水餃子を作ってくれた。 刻んだ甘い白菜と豚のひき肉に塩・胡椒、ニンニクの入らないショウガたっぷりの水餃子であった。私も兄も文句を言うことなくモグモグと茹で上がるそばから平らげていった。 この時の食卓の匂いも忘れることの出来ない嗅覚ばかりではない『昭和の匂い』である。 狭い社宅の当時主流だった2DKの狭いダイニングで三人での夕食であった。父はいつも残業で遅かった。母は仕事から帰宅する

『昭和の匂い』と鰻

今日もnoteにnoteする昭和が懐かしい六十歳である。 昨日は母の握り飯から思い出す『昭和の匂い』であった。 嗅覚による『匂い』は大きく味覚に関係する。炊き立てのご飯での母の作る握り飯も美味かった。味噌をぬったやつだ。 まだ熱い炊き立てのご飯を手に取り握るのは愛する者のためでなければ出来はしない。その熱さは握ったものにしか分からない。 母の握ったそんな味噌握りはご飯の熱気が味噌の匂いを引き立てた。母がいなくなって、自分でやっても同じ味にはならない。二度と食べる事の出