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読切1本にかかる時間は? 掲載までの流れ

こんにちは、三橋です。
漫画家2年目になりまして、ようやく掲載される流れが分かってきました。
1作目の時はスケジュール感もよく分からず、慣れない作業に戸惑うことがありました。

そこで今回は、新人の読切漫画がどのような流れで掲載されるのかをご紹介します。また1作完成するまでの時間と、時短のポイントも書きました。

出版社や掲載する媒体によって変わると思いますので、参考程度に読んで頂けたら嬉しいです。



掲載までの流れ


はじめに、雑誌に掲載されるまでの流れをご紹介します。
ちなみに私の場合、このスケジュールで約1年に1本(約65頁)のペースでした。


掲載までの制作期間


【1作目:約1年3カ月】
企画8カ月 > ネーム4カ月 > 清書
【2作目:約9カ月】
企画1カ月 > ネーム4カ月 > 清書

私は約1年に1本のペースでした。
個人差あると思いますが、他の方はどれくらいのペースでなんでしょ…?
ご覧の通り、2作目の時は企画がめっちゃ早くなってます。1作目で描きたいジャンルや漫画の傾向が、大体把握できたからだと思います。自分の作風が分かるほど、打合せの時に次回作について話しやすくなりますね。

また担当さんも、1年目の新人はどんな作品を描く人なのか探り探りだと思うので… 打合せの中の雑談も、コミュニケーションとして大事だなぁと感じました。


作業時間と時短ポイント


STEP1 漫画の題材を決める (大変度:★★★)


担当さんと話して、漫画の題材を決めます。
題材決め~設定・プロットは企画段階ですが、ここが進まないと原稿描けないので一番の関門です…
企画に、1年目は8ヶ月・2年目は1ヶ月かかりました。この差は、アイデアを持ってるかどうかが大きいです。

どんな物語にするか困ったら、担当さんに相談するのがおすすめ! 感想・指摘・疑問・反応を頂けるので、そこから創作のヒントが得られます。
主に電話やメールでのやり取りですが、アイデア段階は電話だとたくさん話せて良いかも。
あとは日頃からアイデア出しをネタ帳に書いたり。煮詰まったら、創作から離れ時間を置くのもありだと思います。

日頃からアイデアをかきとめ、担当さんとの打ち合わせに備える!


STEP2 設定・プロット作成 (大変度:★★☆)


次にキャラやプロットをつくり込みます。
ここも設定が思い浮かべば楽しい作業ですが、煮詰まると深みにはまります…

設定を考える時に微妙だなぁと思っても、すぐ担当さんに見てもらい相談しましょう。自分だけだと考えが凝り固まるので… 客観的な意見は貴重です。
またプロットも、途中空白シーンがあっても見てもらいましょう! 中途半端な部分をどうしたらいいか、そういったことも相談に乗って貰えます。めちゃくちゃ優しい…
とりあえず起承転結書ければ、おおよそのページ配分が分かります。ページが多くなりそうなところは、設定を詰め込みすぎてる部分なので、削る・別のシーンに移す・設定変更します。

この設定・プロット作業はネームと連動して適宜変わりますので、大まかにどんな作品か分かるくらいに作れば大丈夫です!

物語の全体像をつかんで、ページ配分を考える!


STEP3 ネーム作成 (大変度:★★☆)


これまでが企画で、次はネーム作業です。
私の場合、ネーム作成で約65ページに8日修正7日前後の提出ペースでした。
担当さんのOKがでるまで、ひたすら修正を繰り返します。
コマ割・台詞・キャラのポーズ・キャラの位置まで分かるように描くと、清書の時に作画迷いが軽減されます。

ネーム修正はめちゃくちゃ時間がかかります…!
なので隙間時間でサッと出来る、iPadのprocreate を使っています。シンプルな画面で分かりやすく、描きやすいので愛用してます。

ネームの作画は、清書の完成イメージが分かるくらい
修正回数は多いので、隙間時間も活用できるipadはおすすめ


STEP4 原稿作業 (大変度:★★★)


ネームは編集部でもチェックが入ります。それで進行OKがでたら、いよいよ原稿です。
私は、1日1~2ページでした。
1ページ清書を描き進めてるのですが、人によっては全ページのラフを描いてキャラを作画して等と人それぞれですね。

私はクリスタで清書をしています。作業を時短するため、作画用のレイヤー(キャラ・背景・トーン)を一つにまとめてテンプレートみたいにしてました。
作画で時間がかかるのは、描くのが難しいからだと思います。
なのでキャラの表情・服の構造理解・背景資料を揃えて、あらかじめ描き慣れておくと良いですね!

作画レイヤーはフォルダにまとめて効率化
キャラ・背景の作画資料を揃えて、書き慣れるまで練習をしておく!


STEP5 校正確認 (大変度:★☆☆)


原稿を提出したら、デザイナーさんが写植をしてくださり初稿を送っていただきます。
この時期はもう締切も近いので、即日返信。メールはいつでもチェック出来るようにしておきます。

確認するのは、誤字脱字がないか・台詞のフォントがイメージと合ってるかです。修正希望がある時は、何ページのどこの台詞か、また画面スクショで明記すると分かりやすいです。

あとSNS掲載の可否は、担当さんに確認しましょう! 雑誌発売後のいつから大丈夫なのかを教えてもらえますよ。

いつでもメール連絡が出来るようにする!



┃ まとめ

制作ペースは人それぞれですが、新人漫画家の一例として紹介させて頂きました。1年目は何かと不安だったのですが、なんとか1作描きあげた時は感動しました。
悩み事はたくさんあるけど… 少しずつ良くなれば良いんです。
これからも悩みながら、描き続けていきたいと思います。

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