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模型と建築

 昔は建築模型がバルサ材(木材)であった、間もなくスチレンボードで模型をつくるようになり、その後CGが主流を占めるようになり、現在に続いている。
 バルサ材からスチレンボードに移行していくと、建築も模型の材料と相関するようにほとんどが模型の拡大したような建築が主流を占めるようになった。
 現在は、CGも安価になり、CGとほぼ相似の建築が、横行している。
 「本能を呼び覚ます」というデザインに関する番組を見ながら、誰か忘れてしまったが「本能が壊れたのが人間である」という言葉を思い出していた。
 窓のない部屋に窓があるような風景(CG映像)。実体験や現場に行ったことのない子供たちや人々が、果たして本能がよび覚まされるのだろうか、というのが年寄りの見解である。
 視覚優先の脳が肥大化した身体が浮かんできた。
 映像は映像であり、記号の多様化であり、平面である。言葉や演劇、絵画のように「見るもの」がつくりだすことである、ということが忘れ去られているのではないだろうか。どうも老いてくると建築がその場から移動できず、絵画は額縁に固定されている、そのことに引き寄せて考えてしまう。
 リアルとなんだろう。視覚の発達や肥大を地上的なモノに帰還させているのは何だろう。


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