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コビット奮闘記 ~9日目~ 8/3 ハレトケト

8/3(水)


毎日読んでくださっている読者の方はそろそろお気づきの事だろう。…ネタ切れだ。体調はもう変化しないし、検査の様子や保険の話もしたし、食糧支援の話もした。もうコビット奮闘記として書く事はほとんど無い。


それにしても10日も隔離が強制されるのはあまりにも長い。家に籠る事がこんなにもしんどいん事なんだと気付かされた。何も面白くないと思いがちな日常だが、実はそれに価値というか、生きがいみたいなものがある様だ。

[日常はドラマ]
毎朝起きてチャチャと散歩に行き、庭に水をやり、顔を洗って着替えてみんなで朝ご飯を食べる。お嬢ちゃんとチャチャの歯磨きをしてから、徒歩と電車で通勤する。

会社で仕事をし、何気ない会話をする。お昼は社食でラーメンやご飯を食べる。食後にタリーズの缶コーヒーを買うのも楽しみのひとつだ。仕事の日は毎日欠かさず飲む。ここのところはほぼ毎日残業だ。ディスプレイに向き合う毎日。時々目がシパシパしてくるが目薬は苦手だ。

仕事が終わるとママさんに帰宅時間を伝える為にLINEをしてから、電車に乗る。ママさんは連絡が無いと心配するタイプだ。そのLINEの返信に、今日のお嬢ちゃんの様子を伝えるLINEが届く。帰りが遅いのでお嬢ちゃんは大抵もう寝ている。後でその寝顔を見るのも日課だ。

家に帰るとチャチャが出迎えてくれる。耳がたたまれていてアザラシの様な風貌だ。なでなでして抱き上げるとシッポをブンブン振り回しながら顔を舐めてくる。ご主人の帰宅がそんなに嬉しいのか。

ママさんはお嬢ちゃんと一緒にベッドにいる事が多いが、たまに帰りを待っていてくれる。そんな時は何か話を聞いて欲しい時なのだとわかっている。ご飯を食べながらふむふむと聞いてあげれば良いだけとわかってはいるのに、気を抜いていると余計な事を言ってしまう時がある。そんな時はママさんは不機嫌になってすぐに寝てしまう。まだまだ旦那レベルが低い。

ご飯を食べ終えて風呂に入ってお風呂を軽く洗う。その後、寛ぐ時間はわずかだが、この時くらいが一人の時間だ。大抵はチャチャを撫でながらYouTubeを観て無駄な時間を過ごしたなと思いつつ、明日も同じことをする事はわかっている。

歯を磨いてベッドに入り、眠りにつく。そしてまた新しい1日が始まる。ほとんど同じような1日の繰り返しだ。特に面白い事が起きる訳ではない。でも、その1日はきっと私たち家族にとっては意味のある1日だ。この繰り返しの中のわずかな変化は、私達の人生にひとしずくの輝かしいエキスとなって注入される。

そのひとつひとつがドラマであり、私たち一人一人はドラマの主人公なのだ。コビットによって私はダメージを負ったが、家族のおかげでヒットポイントが1(瀕死)になる事もなく回復。HPはもう満タンだ。さぁ「ふっかつのじゅもん」を唱えて冒険の続きをプレイしよう。もう隔離は懲り懲りだ。

~終わり~


~この隔離生活を経て、日常をそんな風に捉えてみました~

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