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MY FIRST STORY TOUR2022仙台GIGSレポ

※ガツガツにネタバレあります。MCは完成度100パーではありません🥲

6月26日、会場内に入るとスタンディングエリアにはテープが貼られ、立ち位置が示されている。驚いたのは、少し前なら「密です」と言われるくらいテープの間隔が狭かったことだ。今回はけっこう多くの収容人数なのだろう。規制が緩和され、ライブハウスの光景が少しずつ戻ってきてるのを感じた。ステージ壁のMFSの幕には、10th Aniversaryという文字、そして4人のサインがスプレーで描かれている。今回のツアーはどんな特別な仕様になっているのか…と、これをみた時からワクワクが湧き上がってくる。場内BGMはP.T.P(Pay money To my Pain)がずっと流れVo.Kへの敬意を感じ、いつもながら感傷に浸りながら開演を待つ。私はP.T.Pまだ詳しくないので、ひたすらShazamして曲ストックしてました(開演までの暇つぶしにおすすめ)。
開演10分過ぎくらいにSEを背景にメンバーが登場。
メロディアスなギターリフが響き、一曲目に持ってこられたのは、Black Rail。序盤のクラップ、サビのウェーブや「I don't care!」の振りがバッチリとキマり、マイファスと観客とが一気に一つになった。曲後半ではBa.Nobのソロ、Vo.Hiroのラップと共に軽快なジャンプやヘドバンでフロアは踊り狂う。
会場が良い感じにあったまった中、間髪入れずにALONEのイントロが鳴る。Hiroが観客を煽り、会場をさらに灼熱させる。力強く一体感のあるクラップがKidzのドラムと重なり、どんどんどんどん、止まることなくヒートアップさせる。フロアから伸びた手、クラップ、ヘドバンが先ほどよりも激しい。とてもKillな光景となり、マイファスの4人VS観客で熱気がぶつかりあう。我を忘れるくらい熱いステージで3分半を駆け抜けた。この熱気はどこまで行くのだろうか。
まだ二曲しか演奏していないのに、皆息が上がり、汗ばんでいる。そんな中、Kidzの激しいドラム、Teruのギターが鳴り響き、会場からは拍手が漏れ、皆拳を突き上げる。3曲目は「Nothing In The Story」。ALONEで加速させたテンションを落ち着かせることなく、スピード感のあるメロディに引っ張られていく。マイファスファンはほのかに予想はしていたであろうが、今回のセトリはやばいかもしれない。初っ端から懐かしい選曲に、胸がざわつく。
ここでMCに入る。
・Hiro「今回は10周年ということでね、急遽決めさせてもらったんですけど、リクエストを取ったり、懐かしい曲もやったりします!」
・Kidz「今日はねー、緊張して1時間しか寝てない!だって昨日の深夜にLINEで今日のセトリ送られたあと俺スタジオ入ったもん!!いやあ、これやべえなあ、、って笑 あれ叩け、るかなー???って笑」
Hiro「まあまだやったことないのもやるんじゃないすか??(足元のセトリを見ながら)うんうんうん、うん、やーばいね、死ぬね笑 最後までついてきてください!」と軽めのMCで締め、曲が再開される。
「You can feel about me…」と、
「悪戯フィクション」を歌い出した途端、会場のファンの多くが歓喜となっただろう。シャウトと歌声を混ぜたHiroの独特な歌い方がドラム、ベース、ギターと共に観客の全身に訴えかけられる。色気と衝動が炸裂し、心臓を突いてくるハラハラさがとてもゾクっとくる。セトリに入るのを待ち望んでいたファンが多い曲の一つのため、曲後は「レア曲聴けたよかった〜!!」と満足気に浸っていたのを感じた。そんな中、懐かしげなイントロが流れる。「えぇ!?」というどよめき声が聞こえる。次はなんと、「Drive me」だ。かなーり久々の選曲に、ファン全員は驚きでしかない。くじけても再スタートする気持ちを思いっきり歌い切り、観客もマイファスへ真っ直ぐな視線を送る。
そのあとM.A.Dが続き、ややオカルト感のあるサウンドに勢いや艶が織り交ざった、緩急激しいHiroの歌声が乗り、観客を惹きつける。曲のクライマックス前では喉全体を使い、地まで響いて抜けるほどのシャウトを目の当たりにする。これだけ上がり下がりが激しい曲を感情を込めて歌いこなすHiro、それをさらに飾り付けるNob、Kidz、Teruのバンドサウンドは流石なもので、拍手が鳴り止まなかった。
そして、この流れでまさかの「Take my hand」へ…!なんと今までに歌われてない曲がいきなり演奏された。斜め上のマイファスの選曲に興奮が止まらない。これぞマイファス!と言いたくなるラウド系のロックサウンドが爆発する。コロナでなければ、収拾がつかないほどダイバーが出ただろう。フロアは大盛り上がりだ。
次はOne Stepが演奏され、Nobが「飛べ飛べ飛べ!!」と煽る。雰囲気が一転しつつも上がりきった熱は冷まさず、会場内では軽やかなジャンプが波打つ。まるで、困難を乗り越え、光へと一歩一歩向かうような。とても清々しい光景だった。一人一人、ライブ以外の日常ではいろんな嫌なことがある。それをマイファスの音楽で発散ではなく、浄化している瞬間のような気がした。ステージ上のマイファスメンバーも、とっても楽しそうに端から端まで行き、観客1人1人と顔を見合わせ、踊っていた。「ウォー オー オー」とサイレントでありつつも、メンバーの胸に響くほどの声の光で包まれた。(私自身One Stepが超好きで、尊かった。)歌詞の内容が胸に沁み、マイファスはファンと一緒に未来を歩んで行きたいと思っているのが分かる時間だった。
まさかすぎる選曲が連続し、2回目のMCに入る。Hiroは「後半戦やばいよ!俺死ぬよ!?」と不安を口にした後、マイファスのライブ初めて来たよーって人ー?と、恒例の質問を投げかける。そして、
「今日正直今のところ(前半戦)一曲も知らなかったよーって人?」と聞くと、最前の男性が手を挙げる。
Hiro「なんで最前いんだよ!!!あ、SUPER BEABERと間違えました??あのホール会場でやってますよ?いや、なんか、ごめんな??だってさ、せっかく来てくれたのにあの曲やんねーじゃん!ってなるじゃん?
いやー、、今のとこ知らないやつばっかだとここから先全部知らねえぞ??あ、不可逆リプレイス知ってる?→知らない!?お前何しにマイファス見にきてんだよ!!😫😟よくそれで最前いるな!!!?」
(貴重すぎてNobとツーショを撮る)「いや、イェーイ✌️じゃねえし」
と、いつも通りゆるくて漫才並みのギャグセンのMCをかましたあと、これも恒例の、Teruによる後半戦の煽りへ。まずはHiroに向けて、
Teru「やれんのかーい?やれないのかーい?」(どっちなんだい!と心の中で呟いた人は私だけじゃないはず笑)
Hiro「お前もう二度とその口調で話しかけてくんな」うざそうにぶったぎるHiro。
仕切り直し、フロアに向けて「まだまだいけんのかー!?」と煽り、いざ後半戦へ。
先ほどのMCとは偉いギャップで、アンダーグラウンドがスタート。ベースとドラムの重いサウンドが地を叩き、Hiroはそれに合わせて足音を鳴らす。フロアも足音を踏み鳴らす。重低音に乗せられた愛への飢えや嫉妬が、主人公のもがく心を表し、甘い歌声で吐き出された。
ここでHiroがはけ、楽器ソロがはじまる。
もうゴリっゴリであった。Nob、Kidzはヘドバンをかましまくる。インストだけでものってたら首が痛くなったくらいだ。インストのセッションは次曲へ滑らかに繋ぐ役割でもあるが、次に何が来るのか全く予想できない。(今回のセトリは攻め攻めだったが、一番ノンストップで死にそうになってたのはKidzかもしれない、と後々思った笑) ゴリゴリのセッションに会場がアツくなったあと、Hiroが登場し演奏したのは…WINNER!!5thアルバムS.S.Sのリード曲であり、今ではレア曲の立ち位置だ。なかなか聴けないが根強い人気の曲のため、会場は沸いた。Kidzのドラムと共にTEN!NINE!…とカウントダウンが始まり、Are you ready??の問いかけにフロアが拳を突き上げ応える。ボルテージは振り切れそうなくらい観客のテンションはマックスだ。クラップの一体感が熱を帯びて駆け抜け、「今」愚図ってる場合じゃない? まだ何の意味だってない!のフレーズで皆心の内を発散させた。
WINNERの後はCHiLD-error-が続き、絶妙なリズムの展開に観客は体を乗せる。Hiroのデスボイスも爆発する。
(曲中の少年少女は愛を知らない(少年=幼少期のHiroであろう)ため、iのみ小文字表記になってるのだろう。と書いていてふと思った)
孤独な少年の切なさを激しく歌いきり、ここで代表曲、不可逆リプレイスの投下。
自分の弱さを殺し、何度も負けじと立ち向かう。タイアップ曲なのに、どうしてこんなにもマイファスらしさが出ているのだろう、といつ聞いてもすごいなと思う。安定のアツさと一体感で、完成度の高いステージが広げられる。
この次からの曲で、キラーチューンなクライマックスに向かっていく。「初披露曲だー!!!」とHiroが叫ぶ。流れたのは1000000TIMES。観客も待ってましたー!と言わんばかりの大きな拍手でそれに応える。休憩がほぼなくキーも高い掛け合いを、1人2役をこなすHiroが凄まじすぎた。曲後、Hiroは「死ぬかと思いました。ゲボが2回出そうでした」と話していたが、そんなことを全く思わせないほどの完璧な1人での1000000TIMESであった。「壁は高ければ高いほど乗り越える意味があるから」「僕は何度でも何度でも戦い続けていくから」と、この曲でも、諦めない意志や己を鼓舞する思いが歌われている。そして、「君と僕の物語には」や「1人じゃないから」というフレーズからは、ラスト曲へと繋がるメッセージへの伏線を感じる。
メンバーもフロアも体力消耗が激しくも、容赦なくZero Gravityがぶちこまれる。「I keep on falling!! Falling!!」で観客はリズミカルにクラップをし踊り、サビへの助走をする。そしてサビでは、鮮やかなタオルまわしがメンバーの目に飛び込む。この光景は、いつものライブハウスがだんだん戻ってきていることを思わせ、グッときたのではないだろうか。
タオルまわしと共に走り抜けるようにZero Gravityを終えたあとKidzがスティックでカウントを取り、「I'm a mess I'm a mess」と歌い出すHiro。
正直、今回は過去のレア曲ばかりだったため、リリースされてからほぼ必ず演奏されているI'm a messはセトリから外れるだろうと思った。だが、まだコロナ禍のマイファスにとって大事な曲なため残されたのだろうか。(そう思うと個人的に非常に嬉しかった。)会場は一気にダンスフロアへと化ける。思えば、去年まではこんな風に終演時間を気にせず踊り狂うこともできなかった。「泣かない会えないシンデレラ まだ帰る時間じゃないのに」とHiroが歌うと、それがフッと思い起こされる。とても厳しい状況だった音楽業界。夢だった東京ドームも一時は無期限延期となったが、マイファスはその夢を「諦めたくない」と歌っている。この曲は、マイファスの、2021年の決意の曲だ。そして「君と歩いて行けるのなら」の歌詞にある通り、それを実現するのは1人ではなく、君と一緒に、だ。
「あと2曲!最後までついてこいよ!!」とHiroが煽り、2017年(5年前)の「決意」の曲、REVIVERが鳴らされる。歌詞では、自分を信じて、何度も何度も諦めず自分に、周囲に、立ち向かい戦う決意を描く。「This is you & me now」とあるように、REVIVERでも、夢を叶えるときは1人でなく、付いてきた仲間たちと共にであることが歌われている。I'm a messとREVIVERを続けて聴くことで、今現在も昔も、マイファスは全く変わっていないんだとよく分かる。HiroはREVIVERを原曲キーで歌い切った。こんなにもしんどい曲の連続でも、しんどい方を選んだ。それだけマイファスの意志が強いのだと確信した。全HPをGIGSに置いていくのでは、という並みの激しさで、フロアもメンバーも燃え尽きる寸前だ。そして残り1曲に持ってこられたのは、With you。先程のREVIVERでは力強く闘志のある拳が上がったが、With youではグッと思いを込めたものに変わった。With you中のMCでは、
「あなたたちのおかげで10年歩んでこれました。本当にありがとうございました!
この10年間でいろんな人と関わったからこそ、守りたいと思うものが増えました。10年もやってればたくさんのことを失ってきたよ。でも、それ以上に守りたいものがあるんだ、それは今ここにいるあなたたちだよ!
これからもずっとついてきてくれよな。10年先もよろしく。」
最後に激しい曲でなくメロディアスなWith youで締めたのは、自分達のぶれない信念をさらに後押しし、「どんどん高みを目指そう。全員で夢を叶えていこう」「君と一緒に」と、ストレートに伝えるためだろうと思った。10年経っても、マイファスとファンとが固く繋がっていることを改めて感じるライブであった。そしてそれは更に10年先もだろう。最後まで、I'll be with youのフレーズをフロアは受け取り、深く噛み締めつつ高く高く跳んだ。全曲演奏し終わり、メンバーの深いお辞儀にてステージの幕が降りた。色んなことを考える、とても濃厚な2時間半だった。

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