原石鼎を研究する 初読篇⑦
大正八年
伊勢よりも出雲恋しやお元日
季語だよなあと思わされる句
星々をよぶかに猫の恋はげし
比喩の強さ
我庵によらぬ燕を高う見し
せつなさ
うす/\と幾つもあげぬ石鹸玉
主観写生のこころ?
熟れ足らぬバナナをむいて残りなし
食べちゃった おかしさ
卓高し溢れむばかり麦酒つぐ
いきおいのある句
簾巻くや風鈴星をしたひ鳴る
したひ は石鼎ワードセンス
コスモスに蛙とぶ見て秋淋し
季重なりすげ~
秋晴や二階六畳下六畳
(龍土町に移る 三句)の前書。
星を見て死ぬるわれかや藤寝椅子
星すきなんやな
眼ひらけば豁然と物や秋の風
この句の秋風
貼りかへて障子嬉しや栗の晴
主観写生ってこと?
青天に飼はれて淋し木菟の耳
耳
河豚の歯の三角にらむ空深し
にらむ
ちぎれ飛ぶ焔に焚火寒さあり
うつくしいもの
髪に浮く雪片一つ夜の暖炉
うつくしいもの2(ツー)
冷えし暖炉にチヨークの線や無意味なる
無意味なる おもしろい
大正九年
のどをかく肢のはやさや二月猫
写生
春雷やひそと嗅ぎ合ふ犬と犬
季語の力強さ
初夏の瞳海(どうかい)を飛ぶ蝶一つ
かっこいい
麦の穂にわが少年の耳赤し
わが
狂ひたる我の心や杜若
かきつばた 恋かなあ
梅雨曇る心の底にひゞくもの
石鼎ってかんじしてきた
一つ来て三つになりぬ水馬
好き
出水川かなかな鳴いて日当たりぬ
写生
西瓜うまし皮の緑を遠く赤
遠く!
秋晴れやよごれながらに城きよし
季語きっちりしてる
柿食ふや俳諧我に敵多し
そうだったのかなあ
雨にぬれ日にあたゝみて熟柿かな
経過がおもしろい
葱入れし暫しの湯気や闇の中
闇鍋?
太陽に黒点出来し蕪かな
季語やべ~
雪雫五色はなつて落つもあり
はなつて!
除夜の鐘この時見たる星の数
星の句