Tour of Turkiye(2.Pro) St.1
レース情報
距離 139km 順位 38位
出場メンバー
トマ・ルバ、レイモンド・クレダー、山本元喜
ライアン・カバナ、新城雄大、ドリュー・モレ
孫崎大樹
レースレポート
今回はヨーロッパツアーのプロシリーズ。
僕自身、初めてのハイカテゴリーレース。
ジャパンカップでハイカテゴリーを走ってはいるが、ステージレースは初めて。
レース前から、大会のホスピタリティーがすごく、規模の大きさを感じる。
1チームに大会側から、チームカー2台、バン(ドライバー付)2台。
そして、アテンドしてくれる人がチームに1人付く。
なに不自由なく、レースに挑む環境を大会側が用意してくれるのだ。
さすが、プロシリーズ。
レース前から色々圧倒されている。笑
さて、レースの話をすると、
今回、キナンとしてはドリューの総合上位進出。
スプリントステージでは、レイモンドと僕で狙いに行く。
それ以外は逃げにチャレンジし、アグレッシブポイントを狙いに行く。
トマさんも逃げにチャレンジしたいとは言っているが、なんだかんだ総合に絡んでくるだろう。笑
ということで、今日は距離が短いのと、ど平坦なので、スプリントステージになると思われる。
そもそも今回、サンツアーで3勝したサム・ウェルスフォード、大落車から復活したファビオ・ヤコブセン、そしてレジェンドのカヴェンディッシュなど、名だたるビッグスプリンターが多い。
そのことから、WTチームが山岳コース以外はまとめてくるのではないかと思われる。
だから、初日で総合も関係なく、距離も短いことから彼らのチームがまとめてくるだろう。
逆に、僕らコンチネンタルチームは簡単に逃がしてくれるので、逃げやすいということ。
僕はそう判断し、ニュートラルで一気に前にあがる。
ニュートラルはしっかり遅く、リラックスして安全に走行していたが、リアルスタートからバカ速い。
「ここから抜け出すのは、結構脚使うな、、」
と、様子を伺っていると、3~4名抜け出したのを見た途端に、集団が緩む。
今日、まとめると思われていた、BORAとDSMが伸ばして、無駄なアタックを減らし、決めたい逃げが抜けた途端に蓋をするという、完璧な動きをしていた。
が、緩んだ途端に僕のように様子を伺っていた逃げたいチームがさらに仕掛ける。
まだ蓋が完成しきる前だったために、アタック合戦再開。
一度、僕含む8名ほどが抜け出し、少し差が広がったので、逃げが決まったかと思ったが、他のコンチチームが追ってきたことにより、振り出しに戻る。
そのカウンターで抜けだした7名の逃げが決まる。
ちょうど、ロータリーなどで、道が狭まり、WTチームが抑えやすい場所だった。
その後、BORAとDSMの3人ほどでコントロール開始。
さすがWT。
前の7人に対しては、3人で回せば十分らしい。
とりあえず、ここからはゴールに向けてひたすら足を溜める作業へ。
ステージレースなので、補給もいつもより気を使い、体を少しでも万全の状態を維持できるようにする。
最大2分差ついていた逃げも、アグレッシブポイントを前に30秒を切っていた。
今大会は、タイムボーナスがないスプリントポイントが設けられている。
それが、アグレッシブポイント。
総合には関係ないが、賞ジャージが用意されている。
山岳やスプリントジャージと同じだ。
そのポイントまで、10kmを切り、タイム差も30秒。
チャンスがあると判断し、早めに僕は前に上がる。
地元、トルコの選手達もかなり狙っているみたいで、3チームくらいがトレインを組んで上がってくる。
僕は単騎で、うまく色んなトレインに乗りつつ、ポジションをキープする。
残り3㎞。
タイム差が20秒のまま。
焦り始めたのか、トルコチームが前に出て、引き始める。
残り、1km。
少し手前で逃げを吸収し、集団一つでアグレッシブポイントへ。
吸収と同時くらいにトルコトレインが上がっていくので、すかさずつく。
が、他のトレインと取り合いになりながらラスト300m。
前が緩んだので、
「先頭に出て一気に行くしかない、、、」
と、前に飛び出すも、向かい風が凄く、一瞬ひるむ。
残り200m。
左右から同じように流れて出てきた選手に仕掛けられる。
飛びつくも、ここまでなんだかんだ足を使っていたので、もがききれず、、、
ここでのポイント獲得には繋がらなかった。
ここからゴールまで残り15km。ゴールを狙うなら動くべきタイミングではなかったが、レイモンドがいる。
少し休み、レイモンドのサポートに向かう。
下りで一気に前線復帰し、レイモンドの近くに行く。
残り、10km。
集団は各トレインができあがり、密集度と速度が一気に上がる。
僕、レイモンド、雄大さんの順で位置取りを行う。
3人しかいないのと、集団がかなり速いので、前に上がるタイミングを失敗すると、そこで終了してしまう。
だが、集団もカオスで、先頭の少し後ろで脚を使わず、うまく位置取るなど不可能なレベル。
脚を使うしかない。
残り、5km。
レイモンドが他の選手と接触し、ディレイラ-が壊れたみたいだ。
「一瞬、僕で行くか、、、」
と、なっていたが、レイモンドが問題なく復帰。
少し位置を下げてしまったので、無理をしてでも一気に前に上げていく。
集団が左右二つに割れていたので、真ん中を突き進む。笑
向かい風と登り基調だったので、足を使うが前の方に戻れた。
割と、足がキツくなっていたので、少し、気を抜いた途端に僕がはぐれてしまう。
レイモンドと雄大さんはうまく抜けてくれ、キープしていたことが幸いだ。
「まだ引ける」
踏み直し、再び前に戻ろうとする。
「最後のコーナー手前でレイモンドを前に出せれば、、、」
と、考え、レイモンドの後ろに戻ることができた。
ラスト3㎞。
WTの強烈な引きでめちゃくちゃ速い。
所々では落車が起きるが、皆うまいのか、大きなものにはならない。
が、かなり怖い。
だが、ここで引くわけにはいかない。
その矢先、レイモンドの隣でぶつかり合い、僕はそのあおりを受ける。
落車こそなかったが、減速した。
そのままラスト1kmの最終コーナーへ。
レイモンドの下へ戻れず、何もできないままゴール。
最後はもがく意味がないので惰性でゴールした。
レイモンドもあの位置から、1人では厳しく、そのままゴールになり23位。
初のプロカテゴリーでの集団スプリントは非常にハイレベルで、少し弱気になってしまった所があったかなと思う。
だが、タイミングを間違えなければ、レイモンドを連れて、先頭まで上がれるとは思った。
次のチャンスではチャレンジしていきたい。
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