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この恋に愛を込めて

こんにちは。もぐもぐです。
アドカレ企画以来の記事を書きます。

※注意
この記事の内容は、あるタカラジェンヌへの自分語りを多数含む怪文書となります。
私設ファンクラブに入っていない、にわかファンが書いています。

……大丈夫ですか?よし、Let's go!!!!

皆さんは宝塚歌劇団をご存知だろうか。
役者全員が女性という、なんと今年で創立110周年を迎える劇団である。名前だけは知っている人が多いだろう。最近は悲しいニュースで名前が知れ渡った感あるけどね…。

彩風咲奈(あやかぜ さきな)(敬称略)というタカラジェンヌをご存じだろうか。
愛称はさき、以下咲ちゃんと書かせていただく。
彼女は宝塚歌劇団・雪組の現トップスターである。
どんな人?と気になる方はググってみてください。

僕と彼女の出会い

多くのタカラジェンヌがいるなかで、なぜ僕は彼女をフィーチャーしているのか。
――彼女は僕が宝塚という世界に足を踏み入れたきっかけになった人物だ。

ここで彼女の経歴をざっくり紹介しようと思う。
宝塚歌劇団に93期生として入団。音楽学校時代の成績はトップの優等生。
初舞台後に雪組へ配属。若手のうちから頭角を現し、先々代雪組トップスター早霧せいな(さぎり せいな)(敬称略)、先代雪組トップスター望海風斗(のぞみ ふうと)(敬称略)を支えた。
2021年4月、コロナ禍の余波のなか、11年ぶりの生え抜きトップとして雪組トップスターに就任。

劇団には95期という黄金世代がいるのだが、雪組と宙組以外の花組、月組、星組は95期生がトップスターを務めている。
咲ちゃんはわりと遅咲きのトップスター就任だ。
大劇場公演5作、外部公演5作に出演。
2024年10月 大劇場公演のベルサイユのばら〜フェルゼン編〜で退団が発表された。

つまり記事執筆時点で、咲ちゃんの宝塚人生はあと半年なのである!!!

僕が咲ちゃんを知ったのは2016年になる。
その当時、るろうに剣心が宝塚で舞台化をした。
ポスタービジュアルを見たときの感想は全員再現度たけぇなオイ。だった。

るろうに剣心が好きな僕はミーハー心で観に行きたいなとTwitterで呟いたところ、学生時代の友人から有り難くも東京宝塚劇場での公演お誘いをいただいた。
宝塚のチケットを取るのは困難と言われているなか、客席降りがある良席で観劇させていただいた。
……今振り返ってみると出演メンバーがあまりにも豪華すぎる。
当時の僕にこの面子からトップスター三人出てくるよと言っても信じないだろう。

僕がるろうに剣心で好きなキャラクターは、四乃森蒼紫と斎藤一である。蒼紫>斎藤という感じだ。
当初の僕は蒼紫様を目に焼き付ける気満々でいた。
蒼紫様のビジュアルがそれはもう美しかった。
※ちなみに蒼紫様役の人は2024年7月退団の月組トップスター月城かなと(つきしろ かなと)(敬称略)
しかし僕のこの目論見は粉々に打ち砕かれた。

お芝居が始まり、冒頭で剣心の幕末時代の記憶が展開、そこで新選組時代の斎藤一が登場する。
そのときは舞台が暗かったこともあり、あーこんな感じかーという感想だった。
それから舞台の時代は変わり、明治へ。
神谷道場でのシーンで舞台袖から青い制服の警察官が登場する。
明治時代の斎藤一。るろ剣ファンがよく知る斎藤一。咲ちゃんが演じる役だった。
三白眼でタバコをふかし、声もハスキー。牙突の構えも原作と同じ。
原作の斎藤一は高身長でスタイル良しだが、この人やたらと足が長い。スタイル良すぎじゃね。リアル斎藤一か?

その後に蒼紫様も登場したが、蒼紫様を目で追いかけつつ、僕は無意識のうちに斎藤一を目で追っていた。「早く斎藤出てこい、あ!蒼紫様〜!……次の斎藤はいつ出てくるんだ」といった具合だった。情緒と目が忙しかった。
オリジナルの悪即斬ソングに合わせて牙突の構えをする咲ちゃん演じる斎藤に、僕は:blobcataww:状態だった。

:blobcataww:の僕

観劇した感想は、良かったの一言に尽きる。
しかし僕はあれだけ斎藤!斎藤!と言っていたクセに、ここで宝塚にハマるということはなかった。
斎藤というキャラは好きだが、中の人まで…という感じではなかったのだ。
また宝塚版るろうに剣心は一本物といわれる構成だった。簡単に言うと、休憩を挟んで最初から最後まで同じ演目。
しかし宝塚の場合は特殊で、お芝居が終わったあとに簡単なショーがある。他の舞台と差別化するためにこうしているのかなと思う。

「終わった」と思ったら、黒燕尾やドレス姿の人が出てきて、宝塚をあまり観ていない、慣れていない僕は「あれ?」と思った。終わるのいつやねん。と当時はなんだか地続きで消化不良感が否めない感じがあった。
それが災いして宝塚にハマることはなかった。
今となっては、このショーも僕は楽しみにしている。
宝塚は男役と娘役がデュエットダンスしたり、集団で演舞をしてこそ宝塚だなと何回か観劇してわかったことだ。
初めて宝塚を観劇するなら、お芝居とショーの二本立ての演目を強くおすすめする。切替ができる。最近の原作ありの作品は二本立てなので、僕のようなことはないと思うので安心してほしい。
こんなことを書いたが、るろうに剣心の終演後に舞台写真とパンフレットはしっかり買った。

そして僕の心には、るろうに剣心のメディアミックス作品で斎藤一を演じるなら彩風咲奈一択。
深く深く刻み込まれた。

それから時が経ち、2019年。なんとなくテレビをつけたら地上波のFNS歌の歌謡祭で望海風斗率いる宝塚歌劇団・雪組が出演していた。そのメンバーに彩風咲奈もいた。
あ、斎藤役の人だ。見てみよう。へー観柳役の人もいるんか※観柳役の人は彩凪翔(あやなぎ しょう)(敬称略)

男役メンバーが披露したのはDA PUMPと一緒のUSAだった。咲ちゃんはセンターを務めていた。るろうに剣心から色々と変わっており、咲ちゃんは当時の雪組の2番手スターになっていた。
サビのダンスで踊る男役の人たち、やたらと足が長い。センターは特に長い。脚絡まないのか?
やっぱ宝塚すげーな。このときの感想はこんなものだった。

こうして宝塚にちょいちょい触れているうちに、転機が訪れる。
シティーハンターが舞台化!主演は彩風咲奈、雪組新トップスターお披露目公演!
斎藤役の人、トップスターになったんか。
宝塚のシティーハンター気になるなー見てみたい。チケット取れないかな。
公式チケット販売サイトからチケット購入できるようだが、チェックしたらすべての日程は❌
そう甘くはなかった。
しかし何度かチケット販売サイトを覗いていたら
奇跡的に⭕が!
一緒に行く人もいなかったので迷わず購入した。
夜の公演だった。

当日。仕事を早退して、東京宝塚劇場へ。
時間通りに開演。シティーハンターが始まった。
そこにはスタイルの良い冴羽獠がいた。
斎藤一のときに見た三白眼が時折垣間見えた。
もっこりはすみれコード(宝塚の規範。例えば過度な下ネタや差別表現NGなど)でハッスルに変わっていたが、気にならなかった。
シティーハンターが終わり、幕間の休憩。それから炎をテーマとしたダンスのショーが始まったが足さばきが見事だった。僕が同じことしたら千鳥足のようになるだろう。歌声も素敵だった。
後で調べたら咲ちゃんはダンスが得意だという。なるほど:blob_cat_think:

:blob_cat_think:の僕

USAのときも脚が絡まなかったもんな。見れてよかったな。ここでちょっと宝塚が気になりはじめる。

そんなとき蒼紫様役の人が月組のトップスターに就任するという。ライブビューイングがある。お芝居は日本物(和風の演目)

すぐに観劇。NTRがあったりと死人が出たりと重い内容だったが、面白かった。
ここから僕は宝塚を観劇するようになる。
やっと宝塚の世界へ続く扉を開き、足を踏み入れた瞬間だった。

観劇するようになって

シティーハンターから年明け、東京国際フォーラムでショーがあるという。
タイトルはオデッセイ。
チケットは取れなかったがライブビューイングはある。
僕はライブビューイングチケットを購入してワクワクした。年始から咲ちゃんに会える!やったー!と思いを馳せた。

ここで事件が起きた。
出演予定の演者にコロナ感染者が出たため、全公演中止。宝塚は同じメンバーで再演はない。
オデッセイは幻の公演となった。
僕は血の涙を流した。
咲ちゃんに会わせろ!!!ボケがよ!!!コロナ許さねえ!!!!
ハマりたての僕でさえ、こんな思いをしたのだ。
雪組の皆さんは比べ物にならない思いをしたと思う。

それから間が空いて、雪組大劇場公演二作目『夢介千両みやげ』

原作者が遠山の金さんの作者の作品だ。
開幕当初、一部からは宝塚らしくないと言われた。
この作品、耽美、儚いといった皆がイメージする宝塚の芝居の要素が無い。美しいロマンス要素は無い。
けれども僕はこの作品が好きだ。
誰も死なない、薬物が出てこない、最後まで裏切り者がいない。
終わりよければ全て良し!
ハピハピハッピーハッピー♪な作品だからだ。
コロナ禍で情勢が暗いときに、このような明るい作品を上演したことに意味があると思う。
雪組は演目が反社会的なものを題材にしていることが多く、反社の雪組なんて呼ばれている。この夢介千両みやげにはそれがない。
原作では牛のような男と評される夢介だが、
咲ちゃんが演じるとあら不思議。ぼんやりしているけど、
だべぇ〜と訛のある田舎者の口癖にキュンとくる。
緞帳が上がり、桜舞うなか劇中歌の「千両使って道楽修行」をのびのび朗らかに歌う、咲ちゃん扮する夢介は一生わすれない。
まさに惚れちゃったのさ〜♪(これはヒロインのお銀が夢介に惚れたときに歌った「惚れた、日本一のお人好し」)
宝塚観に来てんだよ!大衆演劇見せんなや!とキレる人はショーのセンセーショナル見なさいと言いたい。
おっとりした夢介とは別で華麗なダンスを繰り広げる咲ちゃんや雪組がいるから。

そんなときだった。夏の公演で年始に中止となったオデッセイが場所を変えて公演するというではないか。

このときは体調不良者が出たら公演中止。コロナと人間のチキンレースという感じだった。
東京の花組❌宝塚の月組❌となったなか、唯一、全公演を無事にやり遂げたのはこの雪組のオデッセイだった。
演出家が咲ちゃんのオタクで、見たい咲ちゃんを見せてくれた。女性的な衣装(女性なんだから女性の服を着るのは:atarimae:)の咲ちゃんは印象に残っている。
かなり際どい衣装があり、僕はキャッとなった。
そして千秋楽の挨拶で涙を浮かべていた咲ちゃんに、もらい泣きした。
咲ちゃんはあまり泣かないという。そんな彼女が泣くということはよっぽどだ。本当によかった。
 
それから冬の蒼穹の昴。パンフレットのデザインが宝塚らしくないことで話題になった。

咲ちゃん演じる文秀からは、己が信じる正義を貫き通す真っ直ぐさを感じた。
朝美絢(あさみ じゅん)(雪組二番手スター)(敬称略)演じる、宦官の春児もこれまたひたむきさと真っ直ぐさが目立つ。
そしてこの作品は欧米列強に蝕まれ、長い長い歴史の礎が崩れていく、激動の清時代が舞台になっている。簡単に言うと闇要素が豊富にある。
それがエッセンスとなり、咲ちゃんとあーさ(朝美絢の愛称)二人の真っ直ぐとかひたむきさのお芝居がタイトルの昴の星のように輝いていた。

蒼穹の昴の最後のショーも圧巻なのである。
金色の中国服を身にまとった男役勢が、でけー扇子を持って、乱れずに舞う姿がかっこよく、美しかった。龍が舞っているかのようだった。咲ちゃんはひときわ輝いていた。

2023年。ここで僕は宝塚から遠のく。
理由は精神的な病によるもので、観劇の気力がなかった。
けれども咲ちゃんがどんなお芝居をしていたかは都度チェックをしていた。
ボニー&クライドのクライドを見て、ワルな咲ちゃん久々〜だとか

ライラックの夢路の咲ちゃん、あーさ、そらぴ(当時の雪組三番手スター、和希そら(敬称略)の愛称)の三兄弟ええやんけ!といった具合に。

しかし2023年後半。ちょっぴり気力を取り戻し、運よくチケットを入手できたので観劇した。雪組に会えた安心感があった。

ここで遂に咲ちゃんが退団発表をする。
ついにその時がきたかという感じだった。わかってはいたけど…。
その前に後輩の花組と月組のトップスターが退団を発表したし…。

退団発表からしばらくした後。この記事を書こうと思ったきっかけのライブが開演した。

僕が観たのは5/6のライブビューイングだ。実は4/20にもあったのだが、気力が無くて観なかった。無理してでも見ておけばよかったと後悔している。
それほどこのライブで咲ちゃんが楽しそうでキラキラした姿を見せていたからだ。彼女の周りに色とりどりの花が咲いている幻覚が見えた。
これを観てこの人を好きでよかったと心底思った。
と同時に咲ちゃんが退団するという現実に鬱になりかけた。:blobcat_boronaki:
ファンレターを一度も書いていないことを心底後悔した。
字が汚い、何を書けばいいのかわからない、そう言い訳をしてダラダラと時を浪費していた。
そんなもん些細なことすぎた。好きならさっさと書けよバカ野郎この野郎。
精神的な病があったとしても、2023年度の公演を観ていないことを後悔した。

:blobcat_boronaki:の僕

僕が咲ちゃんに抱くこの感情はなんだろう。考えた。憧れ?……違う。
推しと言ってしまえばそれまでだけど、言語化したかった。
少女漫画で言うと、僕は学園の王子様に憧れを抱きキャーキャー言う大多数のモブの一人にすぎない。主人公にはなれない。
ただ一方的に好きなだけ。
叶わない恋をしている。
初恋は叶わないという金言もある。
ああそうか。これは恋なんだろうな。

推しは推せるときにめいっぱい推せ

でも今、僕が言えることは宝塚歌劇団の彩風咲奈に出会うことができて、本当に本当にラッキーだった。他にも好きなスターはいるけれど、咲ちゃんがいなければ僕は宝塚歌劇の世界に足を踏み入れていないと思う。

咲ちゃんが今後、俳優として活動するのかはわからない。どんな道を選んでも、僕に口出しする権利なんてない。選んだ道を応援するだけだ。
宝塚のスターは挨拶で「お客様から愛をたくさんいただいた」と話してくれる。
僕は咲ちゃんから愛とときめきと幸福感をいっぱい、いーっぱいもらった。
普段の優しいキュートな笑顔とお芝居でのクールでワルな三白眼、目まぐるしいダンスに何度も心を撃ち抜かれた。
寂しい気持ちはあるけど、咲ちゃんがラストデイを迎える日が楽しみだ。
まだ時間はある。ファンレターを書いて思いを伝えたい。

咲ちゃんへ
コロナ禍という前代未聞の大変な時期に、雪組のトップスターに就任してくれてありがとうございました。
あなたが僕の宝塚の初恋の相手で、本当に本当によかったです。
あなたを好きになって幸せでした。
あなたの宝塚人生の最後の最後まで応援します。


最後に。支離滅裂な文ですが、ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
2024年5月12日 もぐもぐ

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