泣きながらご飯食べたことがある人は生きていけます

昨日の朝、嬉しいニュースが飛び込んできた。


松たか子さんが、次のクールで坂元裕二さん脚本のドラマで主演するというのだ。「大豆田とわ子と三人の元夫」(フジテレビ火曜21時)というタイトルからわかるように、松さんは離婚歴3回、つまり元夫が3人といるという役どころ。

その元夫を務めるのが、松田龍平さん、東京03の角田晃広さん、岡田将生さんの3人。


さて、
坂元裕二
松たか子
松田龍平
といえば、思い出されるのが2017年に放映された「カルテット」。

劇中で様々な名台詞が飛び交う大好きなドラマの1つなのだが、その中のあるセリフが今でも忘れられない。それは、泣きながらカツ丼を頬張るすずめちゃん(満島ひかり)に、真紀さん(松たか子)が言った

「泣きながらご飯食べたことがある人は生きていけます」


というセリフ。当時リアルタイムでドラマを観ていた私の目から、思わずぶわっと涙が出たことをよく覚えている。


泣きながらご飯、食べたことありますか?


私はあります。
大好きな祖父母が亡くなったとき。仕事が本当に本当に本当に辛かったとき。真面目にやっている人より不真面目な人が評価されて絶望したとき。長年付き合った恋人と別れたとき。自分のこれからの人生がどうしようもなく不安になったとき。

泣きながらご飯を食べたり、食べながら涙が溢れてきたりした。

正直、ご飯の味はわからない。とりあえず飲み込む感じ。そもそも涙と鼻水で顔面はぐちゃぐちゃで、どうやって食べたかも思い出せない。覚えているのは、泣くとき特有のヒックってなるときにご飯が喉につまりそうになるから危なかったなということ。あと、食べた場所ともの。



学生の頃は食事が喉を通らないときは、ご飯を食べずに布団に潜ってやり過ごしていた。でも、社会人はそうはいかない。生きるために働かなければならないから、ずっと布団に潜っているわけにはいかない。そもそも、どんなに悲しいことがあっても、どんなに辛いことがあっても、どんなに悔しいことがあっても、なぜかお腹はすく。だから、泣きながら食べる。食べて、エネルギーをチャージして、次の日も働く。次の日も、その次の日も私は生きていくのだ。



「泣きながらご飯食べたことがある人は生きていけます」

悲しくて辛くて悔しくて涙が溢れてきたとき、このセリフを心の中で唱える。そして、大丈夫、私、生きていける、って自分で自分を励ます。ドラマが好きだから毎クールわりと多くのドラマを見ているけど、1つのセリフがここまで自分の人生に影響を与えることってなかなかない。こんな素敵なドラマに出会えた私はラッキーだ。きっとこれからもこのセリフは私のことを支えてくれるだろう。

そして、このセリフが出てきたのが、松たか子と満島ひかりのシーンだったから余計心に響いたんだと思う。真紀さんの落ち着いたトーンの言葉、泣きながら食べるすずめちゃんの表情。演技力のある2人だからこそ、あのなんともいえない雰囲気が作り出せたんだろうな、と。カルテットのメイン4人は大好きな俳優さんばかりだったから、名言達が生き生きとその魅力を放っていた気がする。


そんな松さんと坂元さんがタッグを組むドラマ、期待しかない。しかも元夫の1人には松田龍平さん。期待しかない(2度目)。


昨朝のニュースを聞いて、大好きなドラマの、大好きなセリフを思い出した、そんな話。


今年の春ドラマは豊作で見たいものがたくさんある。楽しみだなあ。