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#ハロプロ 25周年なのであの頃大好きだった石川梨華さんと吉澤ひとみさんを語りたい

2023年は9月10日の25周年記念コンサート以降、久しぶりにがっつりとハロー!プロジェクトとモーニング娘。に回帰した。

11月28日には、石川梨華さん見たさに5年ぶりに現場(横浜アリーナ)に参戦してしまったし、翌日には譜久村聖さんの卒業を見届けようと時間休を取って、ライブ放送するテレビの前に張り付いた。
YouTubeでモーニング娘。のMVを見始めると止まらなくなるこの感じ。あー懐かしいな、と思いつつ。

その間、ずっと頭の片隅にあったのが石川梨華さん吉澤ひとみさんである。
そう、モーニング娘。4期メンバーの、いわゆる梨華ちゃんよっすぃーだ。

これに関しては私自身が「モー娘。世代」だから思うのだけど、世間的には4期メンバーで名コンビといえば加護亜依さんと辻希美さんだと思う。
実際、私もリアルタイムでモー娘。を追いかけていた頃は、同世代でマスコットのような加護ちゃん辻ちゃんが大好きだった。
だけど、ファンには有名なのだ。
4期メンバーでもう一方の名コンビ、それが石川さんと吉澤さん、通称「いしよし」である。

一時期、このお二人がすっごく大好きだった。
本当に好きで、二人を見たくてイベントにコンサートにライブに、よく足を運んだ。
お二人が20代後半から30代前半頃のことである。

「いしよし」は吉澤さんご本人が「私はファンから梨華ちゃんと付き合っていると思われていた」などバラエティ番組で発言していたこともあり、いわゆる「カップリング」的な語られ方もするので、正直noteには書きにくい。

確かにかつて、いわゆる女の子らしいイメージの「梨華ちゃん」と、ボーイッシュで女子高の王子様的な「よっすぃー」だったので、二人が並ぶと何とも言えない物語性があったことは否定できないけど。

当時お二人が好きだったファンとしては「他ならぬお年頃のお嬢様方に、そのようなご懸念を抱かせてしまい、さらにはバラエティで冗談とは言えどもそのような発言をさせてしまい、本当に申し訳ございませんでした……」という後ろめたい気持ちもあって、ここ数年、お二人のことを文章にすることは無かった。

だけど、25周年コンサートをきっかけにさまざまなMVだったり、動画だったり、DVDを見返す中で、どこにも二人の姿はあって、ああやっぱり名コンビだなぁ……としみじみ思いを馳せてしまう自分がいるので。
この間に、一度ハロプロから遠ざかったからこそ、このお二人の何がそんなにファンにとって特別なのかを、今だからこそ書き残しておきたいと思った。

この文章は、仮にお二人に見つかることがあっても問題が無いように書くつもりである。
……うん、大丈夫かな(汗)


まずシンプルに、この二人のビジュアルの良さですよ。
ザ・アイドルでかわいらしい石川梨華さんと、美人なのにイケメンという吉澤ひとみさんのバランス。奇跡。
かわいらしいと美しいとカッコいいを同時に摂取できるなんて、女子としては楽しくてたまらない。見るたびにモチベーションが上がるよね。
……という身も蓋もない話はさておいて。

この二人は、とにかくとても面白いお姉さま方だった。
黄金期のモー娘。はバラエティ番組にもたくさん出ていたし、どうやら構成作家(台詞作家)もいたようなので。お二人ともバラエティ馴れしていて、トークが面白い。
石川さんも吉澤さんもそれぞれとても面白いのだけど、二人揃ったときの掛け合いのテンポの良さとバランス感覚。これが凄まじい。
どちらも突っ込みができるし、どちらもボケができる。時にはメンバーを巻き込み、時には自分たちを落としてでも笑いに変えてくる。お二人の現場はずっと笑ってしまう。
当時、この応酬が見たくてお二人の現場に通っていたまである。

その面白さの根底にあるのは、お互いのことを本当によく知っている、分かっているという信頼関係である。

お互いの直近のエピソードをしっかりと把握しているので、どこに笑いやオチのポイントがあるのか、どのような持って行き方をすれば面白くなるかをよく理解していた。
普段からよく話をしていることが感じられたし、だからこそ、双方が一度聞き既に知っている話を、今度はファンに向けてどのように引き出せば面白くなるのかを考えながら話している。そのように感じていた。
そのやり取りや、プロのコンビ芸である。お笑い芸人のそれに近い。
個人的に「いしよし」はプロのビジネスパートナーだと思っていた。
まずアイドルのエンターテイメントとして、最高に面白いお姉さま方だった。

それだけならば、単に面白いアイドルOGだな、で終わるのだけど。
彼女たちが特別なのは、言葉に悩むのだけど……
個人的には、女性同士の関係性の難しさ、面倒くささ、でもそれ以上に、だからこそ楽しくてキラキラしている面がこの二人からは感じられたからだ。
私はそんな関係性を作ることのできる二人が、たぶんとても羨ましかったのだと思う。
石川梨華にとっての吉澤ひとみが羨ましかったし、吉澤ひとみにとっての石川梨華が羨ましかった。
だから、どちらか一人以上に、二人揃って楽しそうにしている姿がとても好きだった。

石川さんが羨ましいと思ったのは、吉澤さんからは、いつも石川さんへの「彼女は特別」という気持ちを感じたからだ。
果たして、ご本人がどう思っているのかは分からないけれど、ファンとしてさまざまなメディア(テレビや雑誌だけでなくて、ブログなども含めて)から感じたのは、吉澤さんにとって、石川さんがどれだけ特別な存在であるか、そしてだからこそ大事にしたいという気持ちだった。

そうした吉澤さんの石川さんに対するエピソードは、私がお二人を追いかけていた間だけでもたくさんある。
石川さんと険悪なムードになった時には手紙を書いて想いを伝える。
石川さんがディナーショーをやるときには、暇さえあれば遊びに行く。
石川さんの30歳の誕生日の時には、12時よりもずっと前からパソコンを立ち上げ、二人の思い出の写真をたくさん添付した、お誕生日おめでとうメールを送る。
ディズニーランドに行けば、石川さんにお土産を買ってくる。
ドリームモーニング娘。で石川さんが体調不良で欠席した時には、休憩時間に電話する。
自らが婚姻届を提出する数日前。きっとそわそわしていたその期間。直前にブログで振り返ったのも石川さんとの思い出の数々。

それが吉澤ひとみという人にとって、他人との当たり前の距離感なのかもしれない。
それが友人や仲間、同僚、誰とでもそうなのかもしれない。
でも、そういうひとつひとつのやり取りを知るたびに、吉澤さんにとって石川さんはとても大切で、何よりも自分が大切だということを、相手に伝えたいと思う人なのだなぁ……と感じていた。
その「あなたが大切だよ、と伝えたいと思うほど大切な仲間がいる」というその一点に、私はいつもあたたかい気持ちをもらっていた。
吉澤さんの石川さんへのあたたかさや優しさや気遣いは、確実にファンまで届いていたよ。

そして、吉澤さんにとっての石川さんも羨ましかった。
石川さんはいつも楽しそうなのである。吉澤さんといるときの石川さんは、本当に楽しそうだった。
吉澤さんと一緒にいると楽しいのだという素直な気持ちを、全力で表現していた。
一時期の石川さんのブログは、「よっすぃー」だらけだったし、その次は「いかによっすぃーに弄ってもらうか」とでもいうのか、吉澤さんが直接出てくるわけではないのだけど、明らかに意識しているのはそっちでは……という内容が多かった。
それを読み、本当に一緒にいて楽しいんだろうな、吉澤さんに構ってもらえるのが嬉しいんだなと感じたものだ。
個人的には、吉澤さんが東京マラソンに出場した時に、石川さんは帰国して間もない時だったか、確か割と忙しかったと思うのに、応援に駆けつけたというエピソードが大好きである。

石川さんは、吉澤さんとのプライベートのエピソードをほとんどブログに出さない。
ほとんどは仕事での出来事なのだけど、たまに説明もほとんどなく、おそらくプライベートと思しき吉澤さんが出てきて、ファンをざわつかせていた。
そこから感じるのもまた「(吉澤さんといられたことを、普段は書かないブログに書こうと思ったほどに)楽しかった」というポジティブな気持ちである。
吉澤さんからしてみたら、隣であれだけ楽しそうにしてくれたら、その「楽しい」「嬉しい」って気持ちをあれだけ素直に表現してくれたら、嬉しいだろうなと思う。

石川さんはきっと、吉澤さんからの数々の「心遣い」が嬉しかったのだろうし、だからこそ楽しかったに違いない。
また吉澤さんはそうやって嬉しそうに自分のことを受け止めてくれる石川さんだったから、いろんな方法で、自分は大切に想っているよと伝えたかったのではないか。
そうやって、互いに互いへ心を配る、そういう二人のあたたかさが大好きだった。

でも、この二人からは、お互いのことが大切だという気持ちが伝わってくるのに、その一方でどこか遠慮のようなものも感じられた。
同期で、ほとんど同い年で、モーニング娘。を卒業した後もたくさん一緒に活動していた。ガッタス、音楽ガッタス、ハングリーアングリー、ドリームモーニング娘。、ABCHO。
ユニットもあれば、二人がツートップで新しいグループを組んだこともあるし、先輩たちともう一度モーニング娘。をやっていたこともあるわけで。
はたから見ていたら、お互いのことや、相手にとっての自分は特別なのだと語れる要素はいくらでもあるはずなのに、どこかそこに自信がないというか。
「私にとって、あなたは特別」それは分かっている。でも、「あなたにとっても、私って特別だよね?」と聞きたいけれど聞けない。遠慮している。なんだかそういうもどかしさのようなものを感じていた。

石川さんは自著で吉澤さんのことを「お互い空気を読んで、距離感を守って。でも、一番隣にいる」と表現したことがある。まさにそんな印象を、この二人からは受けた。
その本では、その後に自分にとっては、吉澤ひとみは親友なんだと暗に仄めかしている文章もあった。
「”親友”って言葉。人それぞれ”親友”の定義ってあると思う。私はどっちかって言ったら、男の子でも女の子でも自分が心を許した相手には親友と思いたいんだけど」
だから、私にとってよっすぃーは親友ということなのだと思う。でも、あなたにとっては? それが分からないから、はっきり断言しない。

こんなにたくさん、相手のことが大切なんだと分かるエピソードがあるのに?
二人揃った時のMCの息の合い方から、二人がいかに普段からコミュニケーションをとっているのか、単なるファンですら感じる取る部分があるのに?

だけど、どこか二人は自分たちの間にある、周りにある空気を読んで、距離感を守っているのである。
「私にとってあなたは特別な存在だよ」って、それを明確には言葉にしなくても、第三者からみても感じられるほど相手には伝えているのに、「あなたにとって、私は特別な存在だよね?」とは真剣に聞けないような。
まるでそれは、中学生や高校生の頃の悩みを彷彿とさせる。
「私にとって彼女は大切な親友だけど、でも彼女にとって私って果たして親友なのだろうか。私よりももっと大切な人や仲が良い人がいるのではないか」と。でも互いに、相手のそうした「本音」には踏み込まない。

石川さんは、FCイベントではファンの前でふざけて「私の好きなところは?」「よっすぃーにとって私の存在は?」なんて聞いて笑いを取るけど、でも本音では絶対にそこには踏み込まない。吉澤さんはそんな石川さんに「気持ち悪い」と一蹴し、やっぱり笑いを取るけど、でも本音は果たしてどうか分からない。
お互いに、そこは一線引いていて、自分が相手にとってどういう存在なのかは相手にゆだねていて。
「私たちって特別な関係だよね」、真面目にそう言ってしまうことには、どこか遠慮しているような。

はたから見ていて、そういうもどかしさや、ある意味、女子らしい面倒くささを感じていた。いや、本当はどうなのか知らないけど(笑)
でも、だからこそ、この二人の関係には、熟年夫婦と言われながらもどこか固定されない緊張感があった。何か違う未来があったり、あるいは壊れてしまうこともあるのかもしれないという、緊張感というか。
この二人には女性ファンがたくさんいたようだけど、そのいつまで経っても馴れ合わない、独特な緊張感に多くの女子が魅了されたんじゃないかなと思う。

そんな二人も結婚して出産をご経験し、徐々に現役のアイドル活動からは遠ざかっていった。
その中で二人は二人の存在を、二人にとって共通の言葉で語れるようになった。
それが「相棒」である。
ある時から、二人はお互いにお互いのことを「相棒」と呼ぶようになった。
相棒の梨華ちゃん、相棒のよっすぃーと、そこに共通の言葉が生まれた。

石川さんは吉澤さんの結婚式で、吉澤さんからブーケを受け取った。
吉澤さんは石川さんの結婚式で、石川さんの姿を見て感極まり泣いてしまったらしい。
お互いが出産した時は、ファンからしたら「え、早くない…!?」「まだ入院中だよね……?」と突っ込んでしまうほどに、お互いいの一番に駆けつけていた。

お互いがお互いの一番隣にいたのは、もう過去のことかもしれない。
今はそれぞれ隣に大切な「家族」がいる。
でも、二人がそれぞれ家庭を持ち、自分の世界が確固たるものとなってくる中で、ようやくその関係に名前ができたのかなと思わなくもない。
それは二人にとって、二人の関係性が割り切れたということなのかなと、ファンはなぜだか少し寂しくなる時もあったけど。
それでも相手のことを大事に想う、それを伝えようとし合うお二人がやっぱり大好きだった。

その後、あの事件が起こった。2018年のことだ。

他のOGメンバーたちはすぐにコメントを出したけど、石川さんはそこから1か月以上、ブログを更新することが無かった。
一番近くにいた同期として、相棒として、当時はさまざまな心無い声に触れたのではないかと思うし、野次馬根性の取材もたくさんあったのではないかと思う。
それでも、嘘でも優等生のようなコメントを残さなかったこと。何も語らなかったこと。
そういうすべてが石川さんらしくて……ありがとうと思ったし、でもやっぱり言葉にならなくて……当時はそのブログだけでも本当に辛かった。

その後のことは、ここには書かない。
自分の気持ちをどのようにファンに伝えていくか。自分と相棒、二人揃って好きだというファンの存在も多いと理解した中で、この事件をどのように受け止めていくか。
石川さんはおそらく相当悩まれたことと思う。


そして、今年はハロプロ25周年。
石川さんの隣に、もう吉澤さんはいない。
あれ以降、石川さんの口から「よっすぃー」「相棒」の名前が上がることは無くなった。

でも、あの頃二人を追いかけていたファンは、キラキラと輝く石川さんの笑顔を見るたびに、かつての、とにかく楽しくて楽しくて堪らないと破顔していた石川さんを思い出した。
ザ☆ピ~スはもちろん、恋愛レボリューション21にも、いきまっしょいにも、もっとミラクルナイトにも、ウィアラにも。
どの歌にも二人の思い出があって、今を楽しみながら、どこかでそれを思い出し、少しだけ切なくなった。

ファンにはもう、お二人の幸せをただただ祈ることしかできないと、重々分かっている。
だけど。だけど、ってこればっかりは言ってしまう。こればっかりは優等生にはなれない。
隣で並び、同期で良かったと。相棒で良かったと。一緒に歌えて良かったと。そうやって楽しそうにしているお二人を、またいつかどこかで見たい。
そういう我儘な気持ちがどうしても浮かんでしまうのだ。

そういう大切な人に出会える、大切な人とライフステージが変わってもともに歩んでいける。
そんな人生って素晴らしいなと、またお二人に思わせて欲しいというエゴがどうしても消えないのだ。
それほど、私にとって二人の関係は羨ましくて、理想で、そして憧れだった。

せめて、二人の間に、今は「相棒」ではないかもしれないけれど――「ママ友」だったり「友達」だったり、あるいは「親友」だったり――また別の名前が付いていてくれたら良いなと思う。

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