宣伝?資金集め?クラウドファンディングの目的を整理しよう
クラウドファンディングについていろいろなナレッジをシェアしているこのマガジン。今回は、あらためてクラウドファンディングで何ができるのか、主要な目的をご紹介します。漠然とクラウドファンディングを行うのではなく、その目的を整理することで、成功確率を高めることができます。
1.資金集め
クラウドファンディングの目的と言えば資金集めです。最も多い目的はこの資金集めでしょう。アイディアはあるけれど資金が足りない時や、前もって資金を用意した状態で何かを始めたい時にクラウドファンディングを使うやり方です。目標金額以上の資金が集まらなければ決済を行わない「All-or-Nothing」方式を使えば、資金集めが成功したかどうかによってプロジェクトをやるかどうかを選択することができます。
2.テストマーケティング
ガジェットやアパレルなどの商品で、すでにサンプルができている状態で商品のニーズを知るためのテストマーケティングを目的にクラウドファンディングを行うこともできます。生産する量の目安にしたり、どの色が人気かを調べたり、ユーザーから直接フィードバックを受けて量産に入ることもできるため、実用的な目的だと言えるでしょう。ユーザーの声を反映することでより愛される商品づくりを目指すこともできます。
3.宣伝・PR
リリースが決まっている作品や、開催が決まっているイベント、商品化が決まっている商品のクラウドファンディングを行って、その宣伝に役立てることもできます。広告を見るよりも商品などを身近に感じてくれたり、クラウドファンディングを通して制作プロセスを見せることで共感してもらえたりするなどのメリットがあります。また、クラウドファンディングにチャレンジしていることでメディアに取り上げられやすくなるなどの利点も。
4.ファンとのエンゲージメントを高める
アーティストや商品にファンがいて、なにか特別な取り組みをしたい時、クラウドファンディングを活用することでエンゲージメントを高めることができます。例えばファンだけの周年ライブの開催や、本人に会えるリターン、手書きの手紙などのリターンにより、ふだんのコミュニケーションよりも距離を縮める仕掛けにクラウドファンディングを利用することができるのです。CD制作やライブ、イベント制作など、ふだんは完成形しか見ることができないものを制作過程から応援することでファンとの関係をさらに深めることができます。
今回は主要なものを4つ紹介しました。上記の目的は組み合わせることも可能ですが、その時には何が優先順位一番なのかを意識してプロジェクトを設計することをおすすめします。また、プロジェクトの担当者にはぜひ、目的を話してみてください。ぴったりのリターンやアイディアをお伝えできるはずです。
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(文:出川 光)